第5期関西雀王決定戦観戦記 1日目(12回戦)

【担当記者:角谷ヨウスケ】

奈良はトビラスを引いたとはいえ、トータル2着の林まで約240ポイント差。
客観的にはまだまだリードがあるところだが、160ポイント縮められた奈良自身の心中はいかばかりか。
東1局
11回戦の勢いのままに、林がドラを切って元気よく先制リーチ。ツモれば三暗刻つきの満貫からだ。

かわし手を仕掛けた松本が放銃。出アガリにつき2600点。
以降は
【東2局】入川⇒松本1000点
【東3局】奈良⇒林1000点
【東4局】林⇒奈良1300点
と、大きな動きがなく静かに東場を終える。
南1局

ここで松本に大物手が入る。
三暗刻確定、ドラ3、ツモればダマでも跳満。しかも四暗刻の手替わりもある。
ひとまずダマテンにすると3巡後にあっさりとツモ。3000-6000のアガリ。
南2局

また松本に暗刻系の楽しみな手が入る。


わずか3巡で三暗刻含みの仮テンが入ると、8巡目にはあっさりと四暗刻テンパイ。
林の親リーチにも松本はずんずん無筋を押していくが、ここは両者アガれず流局。
どちらがどうアガっても12000点からの勝負手だっただけに奈良はほっと胸を撫でおろしただろう。
南2局2本場
前局までのリーチにより供託が3本ある。
ここでトップ目の松本がアグレッシブな仕掛け。
ドラ
この形から2巡目にをポン、4巡目に
をチー。2つ鳴いてタンヤオの2シャンテンだ。
しかし供託が欲しいのはみな同じ。
入川が6巡目にリーチ。
ドラ
林も10巡目にリーチ。
ドラ
これで供託が5本+2本場によりますますアガりたくなったが、松本は2軒リーチを受けてまだ下の形。
チー
ポン
ドラ
(はフリテン)
苦しい。アガるどころかトップ目からデバサイを献上してしまいそうな危うい形。
肝を冷やした松本であったが今回は入川が林からの出アガリ。
三暗刻はつかなかったものの、1600点+供託5本+600点=7200点。
ここまで苦しかった入川が2着目、そして僅差とは言えトータルトップの奈良がラス目となる。
奈良以外にとっては最高の並びができた。それも南3局。
このまま終わると大逆転の道筋がうっすらと見えてくるが…??
南3局

ここで松本がリーチ一発ツモ表1裏3の3000-6000。さらに親カブリは奈良。
みなトップは取りたいがもう残るはオーラスのみ。
松本のトップは致し方なしとして、奈良をラスにできればトータル下位3名はこの半荘の最低条件は達成したと言えるだろう。
南4局
親の松本は43000点持ちのトップ目、一方で2着19900点の奈良から4着18200点の入川まではわずか1700点差である。
ドラ
ここで親の松本がリーチ。
自身がアガってもいいし、リーチ棒1000点出すことにより林や入川の条件を緩和してもいい。
(リーチ棒により2人は何でもアガリ2着になれる)
奈良も決死の3副露。
チー
チー
ポン
ドラ
からの、松本の親リーチを受けて
チー
チー
ポン
ドラ
手牌4枚であっても丁寧に丁寧にテンパイを取りなおしていく。
この局は流局となるも奈良はテンパイ維持により2着キープ。
12回戦はトップ松本、そして11回戦デカデカトップの林は痛恨のラス。
対局後の聞き取りによると松本、林、入川はオーラス互いに見逃す心つもりであったとのこと。
追いかける3者にとっては奈良ラスの並びが見えていただけに非常に惜しまれる結果となった。
