第5期関西雀王決定戦観戦記 1日目(11回戦)

【担当記者:角谷ヨウスケ】
いよいよ最終日、今からの11~15回戦で関西雀王が決まる。
2日目、10回戦までの結果は以下のとおり。

奈良が暫定1位+289.4と圧倒的な優位にいる。2位の松本が△80.8で約370ポイント差、4位の林△116.0は400ポイント差である。
トップの大きい協会ルールといえど、これは残りの5回戦で4回のトップラスを決める必要があるポイント差だ。
また奈良にとって良いことに、2.3.4位の3名のポイントが近くわずか36ポイントしかない。
気を付けなければならないトータル2着目が不在なのだ。これなら自身が3~4ラスしても他3人がわけてトップをとれば十分に優勝する可能性がある。
ともあれ、この11回戦でトップを取れなかった者、奈良の順位を下回った者は、12回戦以降の戦いが非常に難しくなるだろう。
東1局
(松本手牌)
ツモ
ドラ
7巡目に松本が最高の入り目からのリーチ。
(林手牌)
ツモ
ドラ
林もドラカンチャンをひいて追っかけリーチ。–
と
–
の待ちかぶりだが林が
を暗刻で押さえている。

枚数的に有利な林がツモると裏ドラものって2000-4000のアガリ。
東3局
松本は親で役牌ソウズのホンイツを仕掛けて8巡目にテンパイ。安め7700、高め12000だ。
チー
ポン
ドラ
林はピンズのチンイツ含み。
ドラ
東1局に続き、松本と林の手がぶつかるかと思われたが巡目が進み、林がノータイムのオリを選択。
追う立場ではあるが冷静な林である。
東3局2本場

じりじりと連荘する松本だが、ここで林がトータル首位の奈良から直撃。
(奈良手牌)
ポン
ドラ
奈良はここから放銃。面白い手ではあるがまだイーシャンテン。少し淡泊だったか。
これで奈良は12900点の単独ラス目になる。
南1局
ここで最終日11回戦の最大の山場が訪れる。

まず松本がリーチ。高め三色同順の勝負手だ。

そして奈良がリーチ。ピンフドラ1、自身からが3枚見えで両面という形以上によく見える。

そしてこの半荘トップ目の林である。
前巡にテンパイを崩したところに、アガリ逃しとなるツモ。
–
待ちはフリテン、
のシャンポンに取ればツモり三暗刻だが出ていく
はリーチに通っていない。
2着目の松本リーチには振り込みたくない。せっかく並びができたラス目の奈良にも振り込みたくない。
とは言え共通現物もなし。
どうするどうする??

この顔である。
林の選択は打の
シャンポンリーチ。
そして3軒リーチの結果は松本がをつかみ林へ5200の放銃。
林の形から、テンパイは取るにしてもリーチまで踏み込む胆力を持つのは難しい。
一発でアガリ牌がいたのは運かもしれないが、この運をたぐり寄せたのは間違いなく林の選択である。
林はさらにオーラスでも、

中トイトイ三暗刻ドラ3の8000オールを決め、この半荘を81700点(+101.7)のデカデカトップで締める。
さらに奈良が箱下の4着だったため並びは最高だ。(奈良以外にとってはだが)
トップの林は奈良と約170ポイント、3着の松本も30ポイントを縮めることとなった。
当初400ポイントのリードを持っていた奈良であるがこの調子だと2回戦半で貯金がなくなってしまう。
協会ルール恐るべし。
