第5期関西雀王決定戦観戦記 2日目(10回戦)

奈良の大幅リードで残り6回戦。
他三人には390〜450ポイント差がある。
奈良とのトップラス2回以上を含めた5トップが他3人に与えられた優勝条件となり、もう奈良に連対させるわけにはいかない。
奈良は6回戦のうちトップを1回引けば決まりと言っていい状況となった。
【東1局】
林の先制リーチ。

前巡に役なしのカンを外してこの形。
ピンフやイーペーコーになればまずまずの形と打点だったがツモ。
この手を一通にするには必要牌が限定されすぎている。
待ちが端にかかる–
なので、ここは折り合いを付けてリーチとした。
林がを一発ツモ。裏は乗らず1000/2000のアガリ。
【東2局】
オタ風のを仕掛けた林がテンパイ。

入川が終盤に追いつきリーチへ踏み切る。

チャンタに手変わりしていた林がを掴み2900の放銃。
流局間際で、を通せばテンパイ料の収入が見込めたこと・親とはいえ入川への放銃は優勝を目指す上で大きな痛手にならないことがプッシュの理由だろう。
入川は親を繋いだ。奈良以外の三者に残された親番は少ない。
【東2局 一本場】
林、入川がまずまずの配牌をもらうも思うように手が進まない。
奈良が先制テンパイ。

–
待ちのタンピンイーペーコー。ダマテンにする選択もあったがここはリーチへ。
自身の待ちはまずまず、打点は十分で親からの追っかけを受けたとしても十分見合う形だ。
–
は山に薄く流局。奈良の一人テンパイとなった。
【東3局 2本場】
最初にテンパイを入れたのは入川。

と
のシャンポン。
をツモれば1300/2600と供託・本場で1600が付与される。
林もメンタンピン三色が見えるイーシャンテンに。

奈良が8巡目に追いつく。

ピンフの–
をダマテンとした。
供託に1600点があるためアガリの価値が大きいこと、親の林がを手出しで両面ターツ落としをしており速度感があるため慎重な判断を下す。
松本もテンパイ。

奈良の–
を使い切れる形のカン
。
ドラ1でテンパネしており打点は十分。
先にを切っているため、出アガリも期待できるのでリーチとした。
4人の手がぶつかる格好に。
松本が次巡を掴み奈良の1000(+2600)のアガリ。奈良の嗅覚が光る。
【東4局】
松本が先制リーチ。

カンテンパイを外したところにツモ
で文句なしのリーチ。
前巡に外すか曲げるか難しいように思えたが松本の選択が功を奏した。
–
は山に1枚残りだったが引けず。
仕掛けてテンパイを入れた林との二人テンパイとなった。
【南1局 1本場】
親の松本が終盤にテンパイ。

タンヤオの–
。
残りツモ番は1回だがリーチといった。
タンヤオ仕掛けでテンパイを入れていた林と同じ待ちだ。
奈良に1枚吸収されるも松本がを一発ツモ。
4000は4100オールのアガリ。
【南1局 2本場】
入川が先制リーチ。ドラ1のペン。

松本が追いつく。

ドラドラで–
・
待ち 。
当然のように追っかけリーチをするも、待ちは山にが1枚。
入川のペンもリーチ時点の1枚から変わっておらず、1対1のめくり合いだ。
ここは入川が制した。
リーヅモドラに加えて裏が乗って2000/4000は2200/4200にリーチ棒付きのアガリとなる。
【南2局】
終盤に形式テンパイを入れた入川のテンパイ打牌が3副露の松本に放銃。
2000点のアガリ。
【南3局】
入川に大物手の香り。

四暗刻イーシャンテン。と
が1枚ずつ切れているので、トイツの振り替えを見て慎重に縦重なりしそうな牌を選んでいき打
とした。
四暗刻ツモは素点に加えて奈良に3着以下を押し付けられるので非常に大きい。
奈良にテンパイが入る。

リーチをかけるか切りダマテンにするかの二択だが、
の場況が良い。
ここはと合わせて良い待ちと判断しリーチとした。ダブ南の方ででアガれば連対が近付く。
残酷にも四暗刻イーシャンテンの入川にが浮いている。
奈良のリーチを受けてツモってきた牌は。
これも当たり牌ではどうしようもない。打とし、これが奈良に一発放銃。
リーチ一発ダブ南ドラで奈良の8000点のアガリとなった。
【南4局】
林が2巡目に三色のイーシャンテン。
ツモ三色ドラ1なら奈良を3着に落とした上で自身がトップになるので約65ポイント差が縮まる。
5巡目、林に三色のテンパイが入る。

奈良からの直撃は2着かつ奈良が3着。ツモか直撃を狙ってダマテンに構えた。
リーチをしてしまうと、オリない入川からが見逃せない。自分の手は出アガリでハネマンにほぼならないのも理由の一つだったか。
松本、入川からは見逃す場面だ。
中盤、入川の手牌。

入川のマンガンツモは奈良を3着に落とせるものの自身が2着止まり。
ポイント差を考えるとハネマンのツモを見たい。
何を切るか難しい所で入川の選択は打。
ドラがなのでツモ
や
でのメンタンピンツモドラドラや、ツモ
か
でのメンタン(ピン)ツモ三色ドラ1のハネマンルートへ。
妥協手順としてツモやツモ
にも備えるとこれしかない一打だ。
林は入川からはアガれない。
入川、次巡のツモは。
これでドラをツモるかツモに一発か裏がつけばハネマンとなるためリーチとした。

林が苦悶の表情を浮かべる。
林は松本から打たれたもアガれない。
奈良もをポンしてテンパイし
–
待ち。
奈良は無理をする展開ではないが、瞬間のアガリは拾う構えだ。
これをアガれば林、入川の条件がよりキツくなる。

入川がをツモり嬉しい裏1。
メンタンピンツモドラ裏で逆転トップだ。
奈良が手堅い進行で優勝を決定付けたかに見えたが、入川の意地で条件が残った。
残り1節5半荘、目の離せない最終日へ。
【5回戦結果】
松本 +7.0(△80.8)
入川 +51.9(△92.6)
林 △42.7(△116.0)
奈良 △16.2(+289.4)
