第13回関西女流スプリント決勝観戦記(1回戦)
【担当記者:新田友一】
関西女流の登竜門、第13回関西女流スプリントが開催されました。
今回は、常連組3名と初出場者の戦いとなりました。それではメンバーを紹介しましょう。
初出場
桐生れいか
協会1年目の選手ですが最高位戦所属時代に培った能力を存分に発揮し、前期予選を圧倒的な差で通過し決勝進出を決めた。
4年連続6度目の出場(優勝3回)
小松慧
関西女流スプリントの女王、過去5回の出場ではトップ率40%とダントツの成績を記録しており、4度目の頂点を目指す。
5年連続6度目の出場
鳥井ゆう
無冠の女王、何度決勝で悔しい思いをしただろうか。悲願の初戴冠へ向け気合い十分。
2年ぶり3度目の出場(優勝1回)
音無愛音
今回を含め3回連続で小松、鳥井との決勝での対決。優勝の翌年は2人に敗れて3位、もう一度優勝して真のスプリント女王を名乗れるか。
それでは私は2年連続3度目となる観戦記を書かせていただきます。
●1回戦(桐生‐鳥井‐音無‐小松)
突然、警報が鳴り響く!
音無から「チー」の声。
3巡目に西家の音無がを両面チー。この局のドラはである。
赤のないルールで、ドラがということはドラを持っていない場合はかなり安い仕掛けかと思われるが、タンヤオで形がいい場合はリーチといきたい。だからいきなり両面チーから入るとは思えない。形の悪いところからいきなりこのようなチーは入らないことが多い。ということは、この仕掛けの正体は・・・
形がよかったのでアガリに向かう進行を取った小松からリーチを受けるも、待ちが変化していた音無がすぐに2000/4000のツモアガリ。
直後の東2局、桐生の先制リーチに対してひっそりとチートイツドラドラをヤミテンに構えていた小松は通ったばかりの中に待ちを変えてのリーチ!
をトイツで持っていた音無が一発で放銃して12000を献上してしまう。
2局連続でアガリをものにした桐生の南1局親番、先制リーチを受けたこの場面。
親でドラがトイツのチャンス手、リーチ者の河には以外の数牌は通っておらず、まだまだ通っていない牌が多い中、ここは現物のを選択。その後も丁寧に安全牌を選び続けて不要だったリーチの鳥井のアガリ牌のに手が掛かることはなく、鳥井のツモあがりとなった。
やや消極的な選択にも思えるが、手形を見るとアガリは遠そうである。冷静な判断をきっちりとしている印象である。
一方アガって親番を迎えた鳥井は、小松の先制リーチを受けて一発目に無筋のを切り飛ばすとチートイツで追いついて待ちで追っかけリーチ。
この待ちがなんと3枚山におり、先制リーチの小松が掴むと裏ドラも乗せて12000のロンアガリ。積極的な判断で一気にトップ目に踊り出る。
オーラス、僅差のトップの鳥井は積極的に仕掛けて自力でトップを決めに行く。3着目の小松もなんとか連チャンと役牌をポンして全力でアガリに向かう。
そして2着目の桐生も負けじと仕掛けるが・・・
1000点のテンパイなので、直撃でもトップには届かない。ドラが3枚河に打たれていることもあり、鳥井に放銃したとしても2着をキープできる可能性が高く、親の小松がアガっても高打点の可能性が低いことから連チャンされても次局にトップを再度狙うこともできる。ここはトップを狙って鳴かない方がよさそうで思えた。
桐生は日本プロ麻雀協会1年目ということもあり、決勝も初めてということで経験が浅く二人に仕掛けられて焦ってしまったかもしれない。
結果は鳥井が桐生に放銃となり、ラッキーな形で鳥井がトップで1回戦が終了した。
【1回戦結果】
鳥井 +51.4
桐生 +10.6
小松 ▲13.0
音無 ▲49.0