第20期雀竜位決定戦観戦記 2日目(8回戦)
第20期雀竜位決定戦観戦記
2日目 8回戦
【担当記者:大浜岳】
8回戦(下石-秋山-小池-吉田 ※抜け番:富永)
7回戦を終えて秋山の1人浮き。
そして8回戦目は最下位の富永の抜け番である。
雀竜位決定戦は10回戦終了時に最下位の選手が敗退となる。
現状秋山以外の四者は誰が敗退になるか予断を許さない状況である。
東1局、テンパイを入れていた親の下石が秋山のリーチに下記の手からを切るとロンの声。
ツモ ドラ
ロン ドラ 裏ドラ
必然の放銃ではあるが、大きなビハインドを背負ってのスタートとなった下石。
東4局、ここから小池と吉田のぶつかり合いが始まる。
七対子のリャンシャンテンとなった小池。
通常ならばドラ表示牌のを切りたいところだが、親である下家の吉田がダブをポンしている。
ドラ絡みでチーをされるとこの手からの押し返しは難しくなるため、打あたりかと思っていたが小池の選択は強気の打。
一歩も引く気がない意志が見える。
その後、と引き入れ狙い目の単騎でリーチ。
ドラ
しかし吉田もテンパイ。
ドラ
当然オリなど視野にない。
終盤にリーチと仕掛けの安全牌に窮した下石が放った牌は。
吉田にとって大きな12000のアガリ。
下石にとっては致命傷の放銃となり、この半荘をラスで終えることとなる。
南2局、吉田がリーチをかける。
南2局で微差のトップ目。役もドラもなく形も悪いため躊躇いたくなるが、場況が良くライバルである秋山・小池が使えなさそうな。
これをキッチリと小池から打ち取り、裏1で2600。
南3局、再びテンパイは吉田。
––待ちのピンフドラ1テンパイ。
ただしを切っておりフリテンのため、ヤミテンを選択する人も多いのでないだろうか。
しかし吉田の選択はリーチ。
このままヤミテンでツモった場合、オーラスに秋山のマンガンツモ・小池のハネマンツモでのトップ条件が残る。
しかしこの手をリーチしてツモった場合、裏が乗らなくても
吉田:41000
秋山:25500
小池:22500
となり、秋山はハネマンツモ・小池はバイマンツモ条件となるためかなりトップが濃厚となる。
もちろんリスクはあるが、トップが大きい協会ルールならフリテンリーチの一手に見える。
直後にテンパイを入れた親番の小池。
ツモ ドラ
は吉田からポンしているため現物。自分の待ちも良くないため切りが普通だろうか?
しかし小池はこのを加カン。
絶対にトップを取る!そんな小池の強気の選択が見事にハマる。
嶺上に眠っていたのはアガリ牌である、2600オールのアガリとなった。
南4局3本場、アガればトップの小池が全力で仕掛けるも、親の吉田から無情にもリーチの声。
ドラ
これを一発でツモり4000オール。
小池と吉田の打ち合いは吉田に軍配が上がった。
次が抜け番であることから、このトップで吉田は敗退の危機から一歩抜け出すことに成功。
苦しいのは下石だが、小池もまだ敗退の危険性が十分ある位置だ。
9回戦・10回戦は最終日への生き残りをかけた争いに焦点を向けてみたいと思う。