第20回日本オープン観戦記(3回戦)
【担当記者:坪川義昭】
【飯田雅貴】
・第19回日本オープン優勝
・日本プロ麻雀協会A2リーグ所属
前大会覇者が今年も決勝戦に戻ってきた。
前年優勝者のベスト16シードがあるとはいえ、ディフェンデング制ではないタイトル戦で連続で決勝の舞台に上がるのは至難の業である。
昨年遂に初タイトルを奪取した飯田が目指すのは歴代一人しかいない日本オープン連覇。そして、その先。
南1局2本場
東場で微差ではあるがリードを手にした飯田にとってはこの親番が勝負所。
ここで全員を引き離しておきたいところだ。
ドラが2枚でタンヤオも見える手牌。飯田が手をかけたのはだった。
内に寄せていき仕掛けて5800を狙うのが通常手順となるが、村田と岡本の河に並んでいるを頼りに受けを最終形に設定した。
実にこのが全山なのである。
ここで岡本がリーチ。
待ちは悪くとも打点効率でリーチの一手だ。
ここから飯田の進撃のプッシュが始まる。
飯田は元々打牌のスピードが早く、テンポが乱れない打ち手なのだが、この無筋三連打も迷うことなく押し続けている。
これを見せられたら村田、五反地共に飯田の攻め返しに対しても準備が必要となり手牌を崩すことを余儀なくされる。
さすがの岡本もこのドラは12000点を覚悟した。
これがポンで済んで胸を撫で下ろす。
微差とはいえ南場でトップ目からここまで愚直に攻め込む姿勢を崩さない飯田は周りから鬼のように見えただろう。
流局して二人テンパイとなった。
南1局3本場
今度は五反地が勝負手リーチと出る。
ここに現物待ちで追いついた飯田はヤミテンを選択。
結果ツモアガリになるのだが、ヤミテンもイーシャンテンも攻めも降りも全てが一定のテンポで摸打を繰り返す飯田のヤミテンを看破できた者は卓上にはいなかっただろう。
南4局
軽い手が入った飯田は手牌の肝となるを早く鳴きたいところ。
しかし、そのを重ねていた親番の五反地がメンホンのヤミテンを入れた。
お互いでアガリを潰している格好になってしまっている。
岡本も高めをツモアガリで2着浮上となるテンパイをいれた。
マンツモで着順浮上となるラス目の村田がリーチを打つ。あとは裏ドラにかけるしかない。
こうなっては岡本も着順変わらずとはいえアガらざる得ない。
500-1000でゲームセットとなる。
オーラスのアガリ競争に関しては幸運に恵まれた飯田だが、それまでの闘い方は目を見張るものがあった。
ここでトップを取ったことによって、次回何着を引いても必ず最終戦優勝争いに加わることが確定した。
史上二人目の連覇という快挙達成なるか。
息つく暇もなく4回戦はスタートした。