第18回日本オープン観戦記(4回戦)
第18回日本オープン決勝観戦記
4回戦
【担当記者:五十嵐毅】
30ポイント弱の中に3人が並んだ状況。こんなのは協会ルールではたいした差ではない。
ただ一人マイナスを背負った荒木だけは苦しい。
4回戦(柴田-皆川-荒木-宍戸)
東1局、皆川が満貫ツモ。
このイーシャンテン時に、
ドラ
これまでの腰の重さから、
「鳴きますかね?」
「鳴くのが普通ですが、ここまでの行き方からして鳴かないのでは?」
と実況席が話しているうちにを引き入れてメンゼンテンパイ。切りシャンポンリーチ。
途中で荒木のアンカンがあってが新ドラになった後、をツモった。
東2局、またも皆川。
ドラ
10巡目リーチ。親だけに当然のリーチに見えるが、をポンしている宍戸のツケは皆川に向いていた。つまりフリテン。
が自分の河から消えているだけに、フリテンに気づいていないのでは?と思われたが、対局後、皆川は明解に答えている。
「トップを取らなければいけない勝負。フリテンとはいえ、アガリ牌はひとつでも多いほうがいいと思った」
これをなんとで一発ツモ。裏ドラが乗り、6000オール。
たった2局で5万点超えとなった。
こうなると柴田・宍戸ともに難しい。
もちろんトップはあきらめていないだろうが、5万点持ちの皆川を崩せなかった場合、せめて2着には着けていたいからだ。
皆川は3人の中で一番ポイントが低かったので、ここでデカトップを取られても、柴田、宍戸ともども最終戦にトップを取るだけで勝負になりそうだ。
だがここで3着以下になると、最終戦トップを取るだけでなく並びを作る必要が出てくる。
皆川はほとんど点棒を減らすことなく南入する。
皆川49300、荒木20400、柴田16700、宍戸13600
南1局1本場、親の柴田はピンズホンイツで仕掛けた荒木に対し生牌のが打ち切れずに親を流す。
南2局、荒木が5巡目リーチ。8巡目ツモ。
ツモ ドラ 裏ドラ
これで荒木30500、親被りした皆川は44600で14100差となった。
ここでも柴田、宍戸の選択肢は2方向ある。
案1…自分のアガリにかけず、荒木が連荘して柴田を捲ってトップになることを願い場合によってはアシストする
案2…荒木を捲ってせめて2着は確保する
柴田は案1は選択しなかった。いや、ぱっとしない配牌だったがドラのがトイツになったところで案2にシフトしたと言うべきか。
5巡目に南を重ねた柴田、7巡目にをチー。
打
西家なのでも役牌だが、この形でリャンメンから仕掛けるのは柴田としては珍しい。
親の荒木がリーチ。
リーチ打牌は。もちろん柴田はポンテンをとる。
リーチ時点で–4枚、1枚の勝負だったが、柴田が引き勝った。
これで荒木25500、柴田24000とその差1500に。
オーラス、絶対に連荘したい宍戸だったがタンヤオのイーシャンテンからなかなか進まない。
むしろ、守備を兼ねて手牌をハジに寄せていた皆川の手がチャンタ三色に育つ。
ドラ
12巡目、柴田の切ったをチーテン。
すぐに荒木がを掴んでツモ切り。
これで皆川の連勝だが、最後のアガリで柴田を2着に引き上げてしまい、最終戦の柴田の条件を緩和してしまった。
その影響が出るのだろうか?