第24期雀王決定戦観戦記 1日目(15回戦)

【担当記者:坪川義昭】

一度は首位の座を仲林に明け渡した西村だが、14回戦にトップラスを決めて定位置に返り咲いた。
矢島がその独走を止めるのか。
そして、橘と千貫は途中敗退争いから脱出することができるのか。
三日目の最終戦が始まった————
東1局

をアンコにした親の矢島が、ここでトイツ手に固定する
切りとする。
すぐに出るポン材を仕掛けるかどうかは難しいところだ。

分岐点が訪れないまま、ドラのを重ねて
単騎のリーチ。
捨て牌は異様だが、宣言牌がということもあり、変則でとは断定できない河になっている。

不調が続く千貫にが浮いており、一手進もうものなら飛び出してもおかしくない。

メンホンのイーシャンテンとなった橘が、無筋のを叩き付ける。
できることならば、メンゼンでテンパイを組んで捲り合いを仕掛けたい。

をポンして西村もやる気を見せてきた。
ポイントを持っているとはいえ、ブレず攻め返す西村に未だ隙は見つかっていない。

橘がを引き込み、漫画でしか見たことがないような弩級の追っかけリーチを放った。
待ちは山に十分生きている。


矢島が掴んだを捉えて8,000点のアガリである。
高目で倍満の手だったが、贅沢は言っていられない。
東2局

勢いに乗る橘が更にリーチを仕掛ける。
こちらも山にゴッソリの–
だ。

ここに攻め込んだのは矢島。
ドラトイツのイーシャンテンでリーチを無視し、無筋を連打していく。

橘のアガリ牌を吸収してテンパイ。が1枚飛んでいるが、
が現物ならば選択肢はない。
シャンポンで追っかけリーチを敢行する。

互いにアガリ牌は山に残っていたが、流局となった。
東3局1本場

親番を迎えた千貫に早い巡目のテンパイが入る。
即リーチもあるが、単騎待ちにして待ちを選びたいところだ。

千貫は筋に掛かった単騎で即リーチ。
宣言牌がとはいえ、情報の少ないリーチならば出アガリも十分に期待はできる。

ドラ表示牌のを仕掛けた橘が、
を勝負し、捌きにかかる。

更にカンを仕掛けてテンパイ。
敗退争いをしている千貫に、これ以上のリードを与えるわけにはいかない。

しかし、千貫が最後のを手元に手繰り寄せて4,000オール。
今までの苦しい展開がウソのようなアガリだ。
東3局2本場

千貫にこれ以上突き放されなくない橘が、風牌のを仕掛けてホンイツへと向かう。

矢島もをポンして前に出た。
現状はバックだが、来る順番によっては高打点も見込める。

カンをチーした矢島は、
バックのテンパイを取らずにホンイツへ一直線。

すぐにを引き入れて、見事な満貫のテンパイである。

この隙を突いて親の西村が3メンチャンのリーチと出た。
待ちの景色も抜群に良い。

矢島もションパイのを勝負して、待ちを変えた。
このテンパイは何があっても、引き下がることはない。


矢島が西村から値千金の8,000点を直撃。
遂に、西村の好調が陰りを見せ始めた。
南3局

熾烈な2着争いの中で、橘がをアンカンする。

仕掛けても満貫になったことで、ホンイツを意識して切りを選択。

ラス目から抜けた状態でオーラスを迎えたい矢島が、ポンのタンヤオ仕掛けを入れた。
西村をラスに沈める絶好のチャンスである。

しかし、橘のスピードは思ったよりも早く、–
の先制リーチが入ってしまった。


すぐに矢島も追い付くが、テンパイ打牌ので橘に放銃。
裏ドラは目を覆いたくなるようなで12,000点となり、ダンラスでオーラスを迎えることとなった。
南4局

親の橘がをアンコにしてイーシャンテン。
3着以下は大きく離れているため、強引にでもトップ逆転といきたいところ。

を引き入れた西村は、メンツ手を見ずにホンイツ・チートイツに向かう。

タンヤオ・ピンフに変化した橘もを落として本手のイーシャンテンだ。

ここでを重ねた西村がドラ単騎のハネマンテンパイを入れた。
ドラをツモ切りしそうなのは橘のみである。


どうしてこうも噛み合わないのか。
橘がツモ切ったで西村の手牌が倒れて12,000点。
今回ばかりはラスを覚悟していた西村だったが、奇跡の逆転2着をもぎ取った。


三日目を終えて、西村と仲林は更にポイントを伸ばす結果となった。
矢島は次回で首位と100p差以内には追い付いておきたいところ。
千貫と橘は優勝を目指す前に、大きなハードルができてしまった。
四日目終了時点の最下位だけは、決定戦が終了なのだから――






