第24期雀王決定戦観戦記 1日目(14回戦)

【担当記者:坪川義昭】

13回戦に矢島がトップを奪い取り、独走する仲林と西村に待ったをかけた。
協会内で獲れるタイトルは全てコンプリートした矢島の目標は、二度目のコンプリートである。
そして、その先にあるMリーグの舞台へ――
東1局

場に3枚目のが放たれると、矢島がチーを入れる。
目指すは勿論チンイツだ。

更にカンも仕掛けて場にプレッシャーをかけていく。

この仕掛けに、ドラのを叩き切ってリーチをかけたのが西村。
矢島と色が被っているとはいえ、絶好の3メンチャンである。

手牌が全て危険牌の矢島は、無理を承知で無筋を勝負していく。

西村がを手元に手繰り寄せ、捲った裏ドラは
。
決定戦が開幕してから好調を維持し続ける西村の勢いはとどまる所を知らない。
東2局

仲林の手牌が難しい。
ドラが2枚の勝負手で、カンチャンターツの選択だ。は1枚切れてしまっているが、三者の河から全員
の所持率が低いと判断して、カン
を払っていく。
実際は山に3枚生きていた。

更にドラのを引いて難しくなる。
カンに自信ありで、
切りや8,000点を確定させる
切り、マンズの変化に対応できるように
切りも候補の一つだ。

仲林の選択は切り。
千貫と西村がを切っており、
が良いのも選択の要素に入っているだろう。

先制リーチを入れたのは矢島である。
少し時間はかかったが、満足いくリーチを放つ。

このを仕掛けて、千貫にもチーテンが入った。
この局はサクッと捌いておきたい。

ドラを3枚所持している仲林は、ストレートに前へ進む。が現物ではあるものの、カン
受けがこの手のストロングポイントと言わんばかりに無筋の
を叩き切った。

狙い通りのを引き入れたならば、追っかけリーチ待ったなし。
待ちはゴッソリと山に生きている。

すぐにをツモアガリし、2,000-4,000を決めた。
一本道の手順を選び続けているように見えるかもしれないが、数々の難しい選択を仲林はリズムを崩さずに選び続けている。
東3局

親の仲林がダブを叩いてイーシャンテン。

すぐにを引き入れてテンパイした。
ここまでの手順も全く無駄がなく、美しさすら感じる。

ここに待ったをかけたのは、ラス目の千貫だ。
高目のを引いて三色確定のリーチを放った。

待ちは仲林が上回っていたが、千貫が意地の2,000-4,000を決めてトップ争いに参戦する。
南1局

親の千貫がを仕掛けて、5,800点の見えるイーシャンテンに構えた。

仲林も手牌が良く、安全牌など残していられない手だ。

北家の矢島が先制のピンフ・ドラでリーチを放った。

仲林も絶好のを引き入れたが、矢島のリーチ一発目である。


が2枚切られており、
など大した危険度ではない。
そもそも、現物は一枚もないのだ。
これが、痛恨の一発放銃となって8,000点を矢島に献上することとなった。
南4局3本場

矢島が微差のトップ目だが、追い掛ける西村が抜群の手牌を貰った。
2,000点でトップ逆転となるため、どこからでも仕掛けるだろう。

すぐにをカンチャンでチーして盤石のイーシャンテンに構える。

をポンしてテンパイ。
こうなると、ゴールテープは目の前だ。

矢島もペンをチーして追い付こうとするが、時間はそこまで残されていない。

西村がツモで700-1,300。
現状のライバルである仲林をラスに沈めて、逆転トップを飾った。

2戦で西村が首位の座を奪還し、本日の最終戦を迎える。
仲林の抜けた卓で、更に西村がリードを伸ばすかに注目が集まる――






