第14回関西女流スプリント決勝観戦記(5回戦)

【担当記者:田村翔梧】
最終戦
楓愛 +131.0
小松 +32.2
那波 -68.0
志麻 -97.2
優勝条件は、
小松は楓愛と98.8差。トップラスは80p変わるルールなのでトップを取りつつ楓愛がラスなら18.9p(同着は先行有利)。1着順離れるごとにさらに20p必要になる。
那波は199.0p差で、志麻は228.2p差。これを上の計算式に当てはめていただければと思う。
楓愛はそれを満たされなければ優勝。相当優位であるだろう。
小松→那波→志麻→楓愛でスタート。
東1局
小松は手が良かったが那波に1300。
東2局
那波4000オール→7700(8000)を小松からと楓愛にとっては絶好の展開。
小松以外がトップの場合、楓愛に8万点の差をつけなければならず、現実的ではない。
那波や志麻は自分の着順を一つでもあげてくる。
東3局2本場
親の志麻から6巡目リーチ。楓愛も小松も相当行きにくいだろう。
小松はリーチを受けた時点で、
ドラ
と相当厳しいが、柔軟に対応し、
ドラ
で追っかけリーチ! 裏も乗って志麻から8000。
東4局もドラアンコの志麻と2件リーチでぶつかり合うがそれを制して1000-2000。
いわゆる「土壇場で強い」のはとても大事なことだろう。(どうやったら強くなれるかとか言われると困るのだが・・)
南入して
小松 26300
那波 41700
志麻 13400
楓愛 18600
楓愛からすればまだ余裕の並びだろう。ここの小松の親がターニングポイントとなる。
が、ここでスプリント優勝三回の小松の意地が出る。
後が無い状況になり思い切りの良い振りかぶり。
1人聴牌→4000オール→1人聴牌→2000は2900→5800は7000と大暴れ。
楓愛が3着で44000差。およそ5p差をつけて楓愛を捉えた。
しかし5本場。
黙っているわけには行かなくなった楓愛の配牌。
ドラ
大物手の予感。
7巡目にその時は訪れた。勝負手の志麻が押した結果・・・
ロン
チー
ドラ
志麻からイッツー付きの12000。また楓愛が上に立つ。
那波の最後の親は志麻が1000/2000。親が無くなった那波は完全に脱落。
南3局
志麻に大物手。
ドラ
リーチ。これに小松や楓愛が飛び込むようなことがあると・・・
楓愛は役なし聴牌。
ドラ
直前でが打たれたが当然ロンは出来ない。
ハイテイ間際全員ツモ切り、小松がハイテイで選んだ牌は役なし以外に当たらない。
楓愛が優勝に王手をかける1300。
オーラス
小松 54200
那波 33600
志麻 -15100
楓愛 27300
最初にも触れたが小松の優勝条件はこのパターンだと38900差を楓愛とつけなければならない。
現在26900差。楓愛がラス親なのできっちり満貫ツモ。もしくは6400直撃、12000以上を出アガリ(ただし那波からは着順を落としてしまうのでアガれない)となる。
楓愛は早く高い手はアガってくるかもしれないが、それ以外は積極的にはアガって来ないだろう。事実上の最終局となりそうだ。
小松配牌
ドラ
ドラとスライドしてのリーヅモタンヤオドラが本線か。
楓愛配牌
ドラ
こちらはこの手牌無理にはアガって来ないだろう。
前述の通り、小松が条件を満たせるか?になりそうだ。
小松3巡目
ドラ
さて何を切ろうか? 小松の選択は。聴牌をとっても条件を満たせない。
ここから小松。怒涛のツモで、
ドラ
何を引いてもツモで条件を満たす一向聴に。すぐにを引き入れツモって優勝のリーチ!!
リーチの時点で残り山には1枚。3者全員オリに。
あとは小松のツモ筋に1枚のがいるか?の勝負になった。
ハイテイ。最後まで山にはあった。 残り1枚 14分の1を引けるかどうか?
力を入れてツモった最後のツモは・・・だった。
最終スコア
楓愛 +117.3
小松 +108.4
那波 -55.4
志麻 -173.3
志麻。終始展開に恵まれてない感はあったが、解説席から見ている限りまだ固まっていないフォームや経験不足等も大いにあったと思う。今回の決勝をいい経験として、今後に繋げていただきたい。
入会したての新人の那波。決勝に残って、内容自体もとても良かった。近いうちに必ず結果を出す逸材だと思った。
脅威の追い上げを見せた小松。誰もが楓愛優勝だと感じたところから追い詰めたところはとても見所があり、いいゲームだった。序盤からもっと思い切りよく振りかぶっていればあるいは・・?
序盤のリードを守りきり優勝の楓愛。メンタルを強く持って踏み込めば、もっと楽々優勝のルートもあったと思うが、素直に勝ちを讃えたいと思う。
2回目のスプリントにして優勝!おめでとう!!

