第14回関西女流スプリント決勝観戦記(4回戦)

【担当記者:田村翔梧】
4回戦
那波(-76.7)→楓愛(+146.7)→志麻(-33.4)→小松(-38.6)
ここで楓愛がトップならば、ゲームオーバーだろう。楓愛以外のトップを取った者が楓愛に挑戦権がある。といったところか。ではこの半荘もハイライトを見ていこう。
東1局
志麻5巡目
ツモ
ドラ
河に。
切りダマを選択。トップ条件かつ手替わりも有用ではないので元気良くリーチの方が良さそうかな?と思った。リーチを選ばない場合はマンズ切り。志麻は振りかぶった方が成績安定しそうだな・・と考えながら解説していた。
そのあとツモ→
→
と来てからのカン
の1300。この半荘に響かないといいが・・
東2局
那波が場を上手に読み、先制七対子リーチ。これに志麻が手詰りで放銃。裏も乗って大きな大きな8000。ようやく那波が来た。
その後は小場で南入
那波 31700
楓愛 26300
志麻 12000
小松 30000
志麻、小松でさえ楓愛とは190p差。どうにか楓愛の着を落としたいだろう。
南1局
親の那波が
ドラ
から小考して打。
待ちが端にかかった一盃口形でヘッドレスの場合の定石である。そこからツモ→リーチで1300オール。地味だがいいアガリ。
そこから那波が粘る。2本場はドラアンコの小松とぶつかり合うが粘って聴牌。
が、3本場 小松に痛恨の5200。
南2局
ここもターニングポイント。
楓愛(親)23500がラス目の志麻のリーチを受けてこの手牌。
ドラ
リーチの現物に。
もちろんラス落ちのリスクはあるがここはリーチとぶつけたい局面。ここでトップならほぼ試合は決まり、3着以下かつ小松トップの場合は最終戦に条件が残ってしまう。
ダマ聴を選択し、すぐに志麻からドラので3900。
アガリだが痛手ではないだろうか?
1本場は小松が手詰まりの那波から2600。
南3局
志麻の親(4300持ち)ここでのラスは脱落と同意義なので持ち堪えたいところ。逆に3人は親を流してくるので辛い局面だろう。(志麻に親を続けて欲しい気持ちはあるだろうが、自身のトップが危うい微差)
ここでいわゆる「らしさ」が出たのは小松。
ドラ
9巡目
上家からが出るが何もなかったかのように山に手を伸ばし、
を引き入れてリーチ!
那波 29100
楓愛 28400
志麻 4300
小松 38200
チーテンが取りたくなるのではないだろうか?(引きが弱い) このような長打が個人的には小松の理想のフォームだと思っている。
その後なんとと続けてアンカン!
これをツモ、裏次第で三倍満まであったが1枚も乗らず2000-4000。だが値千金だろう。
オーラス
那波 27100
楓愛 26400
志麻 300
小松 46200(親)
2着以下の1着順は2万点の価値がある協会ルール。小松は安手で那波からアガるのは避けたいところだろう。
志麻が先制リーチ。2巡後小松。
ツモ
ドラ
さてどうするか? マジョリティは『リーチして那波からだけは見逃す』だろうか?
小松の選択はリーチ。勝負手になった那波から放たれたでアガって裏1の7700。
これだと楓愛は12300点分得したことになるので、さらに1アガリするか楓愛の着順を落とさねば、このアガリに意味がなくなる。
と思いきや1本場はあっさり那波2000-4000。結果大いに意味があるアガリとなった。
4回戦終了時点()内は4回戦
楓愛 +131.0(-15.7)
小松 +32.2(+70.8)
那波 -68.0(+8.7)
志麻 -97.2(-63.8)
小松が連勝で楓愛への挑戦権を獲得。もちろん那波、志麻にも条件はあるが・・・
