第14回チャンピオンロード ~オータムCS~

【担当記者:剣崎翔伍】

【優勝】伊藤 正樹 【2位】鈴木 博彰さん 【3位】羽賀 飛鳥 【4位】くまっちさん
皆さん、初めまして。
日本プロ麻雀協会21期前期所属の剣崎 翔伍(けんざき しょうご)と申します。
全7戦で構成されるチャンピオンロードも今回で折り返しの第4戦。
グランドチャンピオン(GC)大会出場を目指すには、1ポイントでも多く積み重ねたいところ。
私自身は準決勝まで進出できたものの、惜しくも決勝には届きませんでした。
今回は、その決勝卓の模様をレポートさせていただきます。
■ 6回戦終了時のポイント (以下、敬称略)
1位:+309.3 鈴木 博彰
2位:+256.6 伊藤 正樹(協会)
3位:+252.4 羽賀 飛鳥(協会)
4位:+249.0 くまっち
この時点では鈴木がやや有利な位置。
GC大会を見据えると少しでも上の着順を取りたい場面であり、下3名が着順勝負である構図は鈴木にとっても悪くない状況だ。
特に鈴木は2着でも優勝可能という立場。
伊藤がトップの場合でも、点差が12,700点以内(同点時は先行有利)であれば優勝を手にできる。
他3名はトップ条件+鈴木が3着以下、鈴木が2着の場合は素点条件が加わる、やや厳しい立場だ。
■ 座順
東家:くまっち
南家:羽賀
西家:鈴木
北家:伊藤
東1局。
伊藤が待ちでリーチ。
ドラ
これを一発ツモ!裏ドラは乗らずだが幸先よく2000-4000を和了し、鈴木を追撃する。
東2局。
今度は鈴木が待ちでリーチ。
ドラ
2巡後にツモ。こちらも裏ドラは乗らないが2000-4000で応酬する。
東3局。
くまっちが先制リーチ。数巡後、羽賀が追っかけリーチ。さらに同巡、鈴木もリーチ宣言……が、その宣言牌をくまっちがロン!
ロン
ドラ
ウラ
3900点の和了で、優勝争いに食らいつく。
東4局。
羽賀が伊藤から捌き手の1000点を和了し南入。ここまで非常にテンポよく進行し、早めに終わるかと思われたが、ここからが長く、重い南場の始まりだった。
南1局。
終盤、ダブ南をポンしていた羽賀が初牌のを掴み、少考。親のくまっちは
を仕掛け、伊藤も
で仕掛けている状況。
しかし羽賀は3900のテンパイを崩さずをプッシュ――「ロン」の声を上げたのは、副露していなかった鈴木。手牌はなんと門前混一色の跳満!
ロン
ドラ
羽賀だけでなく、親番が落ちたくまっち、トップ目を逆転された伊藤にも痛手となる一撃になった。
南2局。
最後の親番で勝負をかけたい羽賀だったが、くまっちが2000点を和了。羽賀の優勝はかなり厳しくなった。
南3局。
なかなか決着がつかない中、終盤に伊藤が鈴木のダマテン5800に放銃。鈴木と伊藤の点差は22,700点まで開き、私はこれで勝負ありかと思った――が、麻雀はそう甘くなかった。
南3局1本場。
伊藤がタンヤオドラドラ赤の8000(8300)をくまっちから和了。
ロン
チー
チー
ドラ
伊藤が鈴木との点差を詰めてオーラスへ。
■ 南4局開始時点の点数
鈴木:44900
伊藤:30500
くまっち:17600
羽賀:7000
各選手の優勝条件は以下のようになる。
鈴木は伊藤がノーテンで流局か和了すれば優勝。
伊藤は連荘して逆転を狙う。
くまっち・羽賀はダブル役満ツモでの優勝条件という少し非現実的な状況だ。
南4局
伊藤・くまっち・鈴木の三人テンパイ。ヒリヒリした局面が続く。
1本場。
伊藤が先制リーチ、数巡後くまっちが追っかけリーチ。
この捲りあいを伊藤が制し、くまっちから出和了。12000(12300)の大きな加点。
ロン
ドラ
ウラ
ついに鈴木と900点差に!
2本場。
鈴木から出たをカンチャンでチーした伊藤。その直後、くまっちからドラの
をロン!
ロン
チー
ドラ
東ドラドラ赤で12000(12600)の加点。
この瞬間、トータルポイント差はわずか1.2ポイント。鈴木は放銃すれば優勝を逃す状況に追い込まれた。
3本場。
くまっちが先制リーチ。親の伊藤、そして和了すれば優勝のテンパイを入れている鈴木も押す展開に。結果は3人テンパイでの流局。
4本場。
伊藤が5巡目にリーチをかけるも和了れず、1人テンパイ。しかし、このテンパイ料で、ついにトータルポイントで鈴木を逆転!
5本場。
伊藤、をポンし7巡目に
をツモ。
ツモ
ポン
ドラ
南トイトイ三暗刻の4000(4500)オール! 鈴木は倍満ツモ条件となり、伊藤は伏せて勝てる位置へ。
6本場。
鈴木がリーチをかけるも和了出来ず、くまっちとの2人テンパイで流局。
伊藤がオーラス大連荘で逆転優勝という結果になった。
実はこの最終局、波乱が潜んでいた。
鈴木はを暗槓し、
なら高め三色のタンヤオドラ1でリーチ。
カン
ドラ
伊藤は宣言牌のをポンして一発消し。
鈴木が本来ツモるはずだった一発目の牌は。もし伊藤が鳴けなければ、鈴木は裏ドラが乗って倍満ツモ条件クリア=優勝という結末だった。最後の一牌まで何が起こるかわからない、非常に見応えのある決勝戦となった。
次回チャンピオンロードは、11月23日(日・祝)に開催予定。
熱い闘牌が繰り広げられるチャンピオンロード、皆さまのご参加を心よりお待ちしております!







