第13回チャンピオンロード ~GC大会~

【担当記者:丹雄飛】

3月1日、「第13回チャンピオンロード グランドチャンピオン大会」の開催日。
年間を通じて繰り広げられた熱闘の集大成、ついに最後の勝者が決まる。
本大会、チャンピオンロードはプロアマ問わず参加可能な年間7戦のワンデー大会。
各戦で獲得したポイント上位24名が、年間王者の座をかけて闘牌を繰り広げた。

準決勝からはYouTube、ニコ生、OPENRECにて配信を行っており、実況は山本亜衣プロ、解説には五十嵐毅代表と小川裕之プロという豪華な布陣が揃い、見ごたえのある配信となった。

準決勝までの5半荘を経て、今年の決勝進出は4名全員が協会員となった。
現在3位の丹、4位の今田はやや並びや素点差を意識する必要があるものの、実質的にはトップを取った選手がそのまま優勝という大接戦の構図となった。

優勝を狙うために非常に大切な主導権争い、まず飛び出るのはだれか。

開局から親番今田の2000オール、流局となり迎えた東1局2本場。
南家加藤が5巡目に自風の麻雀牌:南をポンしてテンパイ。すぐに親の今田から麻雀牌:三萬が出て8000は8600、電光石火の和了を決める。

東3局、ドラ麻雀牌:九索の局面、さらに加藤が畳みかける。
7巡目に満貫確定となる絶好の麻雀牌:赤五筒を引き入れた加藤の選択はリーチ。
全員がトップを諦めない決勝の場、ダマテンでの加点では優勝には届かない――。自ら勝利を引き寄せるべく、加藤は勝負のリーチに踏み切った。

親の丹も追いついたが、結果は加藤の勝利。粘った今田から打ち出された麻雀牌:三筒を捉えて、8000の和了。もしかしたらダマテンでも結果は変わらなかったかもしれない。しかし優勝に向けた攻める姿勢が光る、素晴らしい和了だった。

対照的な場面は南1局1本場に訪れた。去年決勝で3位とリベンジを誓う丹の選択である。
10巡目、リャンカンから埋まり満貫確定のテンパイ、麻雀牌:六萬麻雀牌:九萬が5枚見えということもありダマテンを選択。

和了牌は麻雀牌:九萬が山に残り1枚。3者とも手牌で使えない形だったこともあり、決して悪い選択ではなかった。しかし最後の麻雀牌:九萬が訪れたのは…。

2000/4000は2100/4100。

もちろん大きな加点である。だが、「リーチをかけていれば跳満だった」という“もしも”が脳裏をよぎる。そんなやるせなさが残る場面だった。

一方、和了もなく苦しい展開が続くトータル首位の冨本だったが、ここから猛攻を見せる。
続く南2局にドラ赤での先制リーチ。親番加藤の追っかけリーチ、丹のドラドラの仕掛けを振り切り8000の和了。

さらに南3局2本場、局消化を狙う加藤が仕掛け6巡目に先制テンパイを入れるなか、冨本も12巡目、自信に満ちた手つきでリーチを放つ。
仕掛けへのケア・自身の打点も見ながら作り上げたテンパイ形に手ごたえ十分か。

結果はなんと一発ツモ。裏ドラも乗せ3000/6000は3200/6200の和了。冨本が一気にまくり優勝ポジションにつける。

そして迎えるオーラス。ここまでの激闘の中で、形勢は何度も入れ替わった。だが、最後に笑うのは誰か——。
3者は全力で条件を狙い、冨本は伏せて優勝だが、状況によってはより厳しい条件を相手に突きつけることを目指す。

まずは加藤。冨本との5200点差を逆転する必要があるなか、高目5200のテンパイを入れ
長考に入る。リーチをかければツモでの逆転は確定。しかし安目の麻雀牌:九萬を直撃した場合や、今田・丹から高目の麻雀牌:西を出和了した場合は裏ドラ条件となる。河には和了牌が1枚も見えていないとはいえ、今田が国士を目指している。果たして和了牌を見逃せるのか……。リーチを放った加藤の胸中はいかに。

同巡、丹。
優勝には倍満ツモ、もしくは冨本からの跳満直撃が必要な中、ドラの麻雀牌:二索単騎でのテンパイに辿りつく。一発もしくは裏ドラ条件のリーチを放つ。
また、このリーチにより加藤の裏1条件が無条件に変わる。

2者のリーチを受けた冨本の手牌、実は1枚切れの麻雀牌:北単騎での七対子テンパイ。
しかし引いたのは全く通っていない麻雀牌:三索。通りそうな麻雀牌:北を切り待ち変えを選択。

加藤の一発目。丹の当たり牌である麻雀牌:二索。しかし丹、加藤からは和了れない。

丹の一発目。麻雀牌:北。冨本の“1巡前まで”の当たり牌。

丹の麻雀牌:二索は山からなくなり、勝負の行方は残り1枚の麻雀牌:西に委ねられた。
加藤か丹が引けば加藤の優勝。冨本か今田が引けば冨本の優勝だ。
勝負の行方はいかに―

最後の麻雀牌:西を引いたのは、丹。

優勝を決めた加藤の表情。
道中、強い意志がこもった攻める選択を見せ続けてきた加藤。その表情ににじむのは、勝利の喜びか、それとも信念を貫いたことへの静かな安堵か――

さて、第13回チャンピオンロードは加藤利奈の優勝で幕を閉じましたが、すぐにまた第14回チャンピオンロードがスタートします。
今年度は参加しようか迷われていた方も、ぜひ奮ってご参加ください!
日本プロ麻雀協会のプロは、皆さまとの熱い闘牌を心から楽しみにしております!