第13回チャンピオンロード ~日本オープン~
【担当記者:丹雄飛】
【優勝】瀧田 佳紀【2位】川又聖也【3位】冨本 智美【4位】櫻井 邦俊さん
8月4日、夏も本格化し、うだるような暑さの中で開催された第13回チャンピオンロード~日本オープンシリーズ~
年間7戦開催されるワンデー大会の3戦目である。
137名の方に参加いただく中(感謝!)、決勝に進出したのは以下の4名。
冨本 智美(協会) :+314.9
瀧田 佳紀(協会) :+306.0(トップとの差:8.9)
川又 聖也(協会) :+298.6(トップとの差:16.3)
櫻井 邦俊さん :+254.0(トップとの差:60.9)
上位三者はトップで優勝。
現状三者を追いかける櫻井さんも、やや大きめのトップをとればほぼ優勝とかなりの接戦だ。
決勝の座順は以下の通りとなった。
起家;櫻井さん 南家:川又 西家:瀧田 北家:冨本
東1局0本場
10巡目、西家瀧田が先制リーチ。
ドラ
しかし既に超大物手のダマテン入れていた親の櫻井さんが、すぐさまツモ切りリーチ。
ドラ
開局早々に大物手同士のぶつかり合いとなった。
決勝戦の主導権を占う捲りあいも、結果は流局。
手のひらの汗の感触は、夏の暑さか卓を覆う熱気のせいか。
東1局1本場
捲りあいの余韻が残る本局は、北家冨本が機敏に高目満貫となる仕掛けを見せ西家瀧田から3900は4200の出和了。安目ながら2本の供託をもぎ取りリードを奪う。
ロン
ドラ
東2局0本場
9巡目に親の川又、高目をツモって倍満となる大物手のリーチを打つ。
ドラ
しかし宣言牌のを南家瀧田がチー。リーチに無筋のを切っていく。
ドラ
結果はすぐに瀧田が1000/2000のツモ和了。トップが必須の状況で、親の和了は何としても防ぐという意志が見える選択となった。
東3局0本場
この局も川又と瀧田がぶつかる。
9巡目の北家川又の手牌。
ドラ
ここから上家から出るを鳴いてタンヤオに向かう。5枚目のであり自然な選択だろう。
その後を引き入れ–待ちのテンパイとなるも、12巡目に親の瀧田がリーチ。
ドラ
結果は最終手番で瀧田がラス牌のドラをツモ。裏ドラも乗せ4000オールの和了、大きなリードを奪う。
東3局1本場
本局はこれ以上親の瀧田のリードを許すわけにはいかないと、西家櫻井さんが仕掛けを入れ500/1000は600/1100のツモ和了。
ツモ
ドラ
東4局0本場
仕掛けを入れた親の冨本が7巡目に満貫テンパイ。萬子の場況もよくトップを追う和了を決めるかと思われた。
ドラ
しかしすぐに追いついた川又が一気通貫確定のリーチを打つ。
ドラ
結果は一発ツモ。裏ドラも乗って倍満の和了となり、一躍2着目に浮上する。
南入時点での点数状況は以下のとおり。
櫻井さん 18800
川又 31900
瀧田 33200
冨本 16100
大物手を成就した瀧田、川又が一歩リード。
櫻井さん、冨本はここまで放銃せずに耐えつつ、二者を追う形となった。
南1局0本場
大きなトップを狙いたい総合4位の櫻井さんにとっては、何としても加点したい親番だ。
しかしそんな中、まずテンパイを入れたのは西家瀧田。10巡目に以下の手牌でリーチ。
ドラ
続けて南家川又を仕掛けて追いつく。
ドラ
ドラ表示牌のカン待ちとはいえ満貫のテンパイを入れる。
さらには12巡目には冨本も追いつきリーチ。
ドラ
三者がテンパイを入れる中後手を踏んだ親の櫻井さんだったが、13巡目に追いつく。
ツモ
ドラ
かを切ればテンパイ。しかし二者の攻撃に追いかけた冨本のリーチにこの筋が全く通っていない。ここは切りでの迂回を選択。
何としても加点したい親番、断腸の思いの選択だっただろう。
四者の思いが交錯するこの局の結果は…
川又から放たれたに瀧田からロンの声。2600という点数以上に大きな意味を持つ和了となった。
南2局0本場
前局加点に成功した南家瀧田が7巡目にドラのをポン。
9巡目にはドラを放った櫻井さんからリーチの声。
ドラ
それを受けた瀧田の手牌は以下の形。愚形を残したイーシャンテンである。
ツモ
ドラ
南2局で自身はトップ目。
櫻井さんの河を見るとが現物でも通りそう。
素点も必要な櫻井さんがドラを先に切っており高打点が見込まれる。
降りる理由には困らない中で瀧田の選択は、イーシャンテンをキープする切り。
12巡目、櫻井さんと瀧田の共通現物を持たない親の川又が瀧田の現物であるを切り、櫻井さんが5200の出和了。瀧田とこれ以上差をつけられる訳にはいかない中で最善の策を模索した結果だろうが、手痛い放銃となった。瀧田の押しが生んだ出和了とも言える。
ロン
ドラ
ウラ
南3局0本場
この局は櫻井さんが前局に続きリーチを打ち攻め立てる。
ツモ
ドラ
ウラ
河にが並ぶ中で狙いすましたをツモ和了し、1000/2000の加点に成功する。
オーラスの点数状況と主な条件は以下のとおり。
櫻井さん 28000(倍満ツモ、瀧田からの跳満直撃)
川又 23100(跳満ツモ、瀧田からの6400直撃)
瀧田 34800(和了もしくは親のノーテン)
冨本 14100(連荘による加点を狙う)
跳満条件、倍満条件と書くとかなり厳しそうに見えるが、赤牌があるチャンピオンロードでは跳満、倍満は珍しくない。
オーラス0本場
和了すれば優勝となる北家瀧田、13巡目にテンパイ。
ドラ
役ありのためもちろんダマテンに構える。–は場に4枚切れとはいえ、これは勝負あったか。
一方、逆転優勝のためには連荘が必須となる親番冨本の13巡目の手牌は以下。
ツモ
ドラ
冨本はここで切りを選択。一見するとタンヤオ仕掛けができるを切ってしまいそうになるが、とがともに1枚切れのなか、山に1枚残っていることが濃厚なを仕掛けられる形に構えた。巡目が深い中で連荘を最優先にした冷静な選択だ。
そして15巡目、見事にそのを引き入れテンパイ。リーチを打つ。
ドラ
先んじてダマテンを入れていた瀧田。リーチの二発目となる16巡目に持ってきたのは1枚切れの。
1巡目にも切れており愚形にも当たりにくい牌、かつ通っていない無筋の本数は10本と、この牌が放銃になる確率は高くないかもしれない。しかし自身が放銃したときには櫻井さん・川又に対する有利なポジションを失うリスクもある。
そんな葛藤が聞こえるような長考ののち、瀧田は降りを選択。
冨本の対子落とし、6巡目にドラのも切られており手牌を高く評価したのもあるだろうか。
しかし17巡目の冨本の河に切られたのは無情にも。自身の優勝を決めるはずだった和了牌が河に落ちるのを眺める瀧田の心境はいかに。
オーラス1本場
前局優勝を逃す形となったが依然有利なポジションの北家瀧田。
見事な選択で何とか親番を繋いだ冨本。
条件を満たす和了を目指す南家櫻井さん、西家川又。
四者が優勝を満たすなか、その時が来たのは9巡目。
瀧田「ロン、1600は1900」
ロン
ドラ
この瞬間、第12回チャンピオンロード~日本オープンシリーズ~の優勝者が決まった。
瀧田は前シリーズの森に続き入会1年目での優勝。
局後には同期初の優勝ではないことに悔しさを語る場面もあったが、この優勝を足掛かりにしたこれからの飛躍に期待しよう。