第24期女流雀王決定戦観戦記1日目(1回戦)

【担当記者:今田孝志】
逢川恵夢にとって、女流雀王決定戦は最早年中行事といっていいだろう。
今期で8年連続。自身の連続出場記録を更新中だ。
今期が今までと違うのは、永世女流雀王として、EARTH JETS所属のMリーガーとして、初めて臨むことになる点だ。

その逢川の首を狙うのは以下の4名。
こちらもいつもの顔といっていいだろう。3年連続6度目の出場の奥村知美。

昨年に続いて2年連続2度目の夏目ひかり。

そして初出場の朱沢悠と望月夏。


朱沢は21期後期入会で筆者と同期。
関西本部所属でもあり接点はないが、同期がいよいよ決定戦に出てくるかと、感慨深いものがあり、個人的に注目している。
その朱沢の東1局。

ターツ選択の場面だが、2枚切れの打としてカン
を固定すると、その後
を引いて
切り。次巡のドラ
をしっかり受け入れた。
東2局はをポンして、ピンズ
の真ん中
から。

マンズのホンイツとトイトイが本線だが、チャンタの芽を残して、埋まっても面白くないカンチャンを先に見切った。
いずれもアガリにはつながらなかったが、これ以外の局でも懐深く構える様子が印象的だった。
女流リーグを決定戦までストレートに勝ち上がった勢いのままに金星となるか、今後も注目したいと思う。
もう一人のニューフェイス、望月の東3局。
逢川からリーチを受けてその一発目。

無筋のを引いて、ここは迂回の打
。
だが次巡ドラのを引くと、
にチーの声をかけて
を勝負。

をポンして、

ドラを引き当てて4000オール。
開始前のインタビューでは「緊張している」「意識朦朧」「チョンボしないように」と話していた望月だが、どうしてどうして、機と見るや猛然と前に出て大きなアガリをモノにした。
東3局は逢川・望月との三軒リーチを奥村が制す。

これで1回戦は望月と奥村のトップ争いの展開となる。
4800点上で迎えた南3局親番の望月。

朱沢が役牌を2つポンしてテンパイ気配。最終手出しはドラの。
望月もカン待ちタンヤオでテンパイしていたが、
を引いて撤退を選択。繊細な判断だが、奥村が粘ってテンパイを取り切り、両者の差はわずか1800点に縮まって南4局1本場へ突入する。
親の逢川からリーチがきたところで奥村にテンパイが入る。–
待ち。

リーチ棒が出たので、奥村は何でもアガればトップ。
それならリーチだろう、と言うのは容易い。
だが待ちのは奥村からは3枚見えていて、もう一方の
はドラ。感触が良いとは言えない待ちだ。
アガればトップが決まるが、逢川の親リーチに放銃すれば、場合によってはこの半荘ラス落ちまで見えてくる。
雀頭のと
が現物であり、危険牌を掴んでも迂回して復活できるかもしれない。リーチをかけてスライドできる
で放銃でもすれば目も当てられないし、望月が逢川に放銃することもあるかもしれない。そこまで都合が良くなくても、親がリーチをかけている以上、次局勝負にはなりそうだ。
奥村はタテ置きを選択。これもまた繊細な判断だ。
望月も–
待ちピンフテンパイを入れるが、無筋の
を引く。

だが手牌に安全牌が1枚もない。これは選択の余地なく押すしかない。
その直後、リーチの逢川がをツモ切った。
奥村・望月両者のアガリ牌。
座順は奥村が上家。奥村の頭ハネとなるところだが、生憎役がない。
望月がトップ逃げ切りを決める2000は2300のアガリ。
倒せない手牌を前に、奥村は何を思ったか。

1回戦はトップ望月、2着奥村、3着朱沢、そして永世女流雀王・逢川は4着に終わった。
だが逢川は昨年の決定戦も1回戦はラススタート、それも箱ラスだった。よもやこのまま終わることはあるまい。奥村も存在感を見せ、ニューフェイス2人もがっぷり四つに組んだ戦いを見せてくれた。ここに1回戦抜け番の夏目が加わる。
間違いなく面白い決定戦になる。そう予感させる幕開けだった。







