第23期女流雀王決定戦観戦記2日目(10回戦)

【担当記者:坪川義昭】

奥村が9回戦に起死回生のトップを奪取したことにより以下の条件が二人に突きつけられた。
夏目
25800点持ち以下の三着orラスだと敗退
澄川
6200点持ち以下の三着orラスだと敗退
女流雀王になるためには攻めてポイントを稼がなくてはならないが、ラスを引いた時点で敗退が確定してしまうという二人にとって過酷な半荘が始まる。

東2局1本場
夏目にとって、この決定戦で最後の勝負局がここである。
後のインタビューで本人も語るのだが、選択肢はいくつかある。
打
受け入れ枚数が一番多く11種類。場に切れている枚数を加味しても33枚とテンパイまでを考えれば圧倒的である。
打
種類や枚数は劣るものの、テンパイした時は必ず3メンチャンになることによってアガリ率は非常に高い。受け入れは7種類で場に切られている牌を引くと19枚。
打
上記2つはがアガリ形に入った場合に不満な打点となるが、こちらはタンヤオを確定させて平均打点が上昇する。
受け入れは打と変わらず7種類で20枚となる。
ここから先の部分は何が良いのか正解はわからない。
マンズのリャンメンを残して、もう一枚が切れてしまえば一気にマンズ待ちは弱くなるし、
–
の部分も同様にもう一枚切られてしまえば3メンチャンの価値は低くなっていく。
選択できるのはそこに座っているプレイヤーのみだ。

夏目が選んだのは受け入れを最大にする打だった。
実際どれを選んでもアガれそうな手牌に変わりない。

オヤのりんのが先制リーチを放つ。


少し時間はかかったものの、夏目も追っかけリーチと出る。

夏目にとって三択の内、正解は一つしか用意されていなかった。
あまりにも酷な流局である。

南2局
逢川に役なしのテンパイが入るが、これをヤミテンに受ける。

ラスを引くと敗退となる澄川が絶好のリーチを放った。

オヤのりんのもリードを広げるために追っかけリーチと出る。


終盤に澄川がりんのから8000点をアガリ、トップ目に躍り出た。

南4局1本場
現状の点棒では三着で敗退となる夏目が役牌のを叩く。

しかし、ラス目のりんのからリーチが放たれる。
オリることは許されない。

テンパイが入り、後はただただ捲り合うだけである。


りんののツモ発声が夏目を絶望に突き落とした。
夏目ひかり敗退—————

夏目の麻雀に対する熱量は他を圧倒する程のものがある。
きっとすぐに反省点を見つけ出し、来期の決定戦に向けて歩き始めているはずだ。
素晴らしい麻雀をありがとう。ナイスファイトでした。