第23期雀王決定戦観戦記 2日目（9回戦）

【担当記者：坪川義昭】

試合が大きく動いたのは東2局。
まずは吉田が先制リーチを放つ。

一発目に入り目のを叩きつけたのがオヤの橘だ。
ダブ東でも三色でもドンと来いのイーシャンテンで鼻息が荒い。

三色が崩れるテンパイが入ったならば、ダブ東を狙ってシャンポン待ちリーチで追っかける。

ド高めを一発でツモり上げ、更に裏ドラも3枚乗せた。
8000オールで勝負は決し橘は初日の負債を返し終えプラス域に転じたのであった…

となりそうなものだが、トップに飢えた野獣たちはそう簡単にゲームを終わらせない。

東3局

オヤの堀が早々にとをポンしてトイトイに向かう。

メンホンのテンパイになった吉田だがドラのがお荷物になってしまい、テンパイ外し。
がポンされてしまっていることと、堀の仕掛けに対してドラが浮いていることが手牌の価値を大きく下げてしまっている。

テンパイが入った堀は山にごっそりといそうな単騎を選んだ。
ドラが放たれたことによって、場が沸騰し始める。

をツモってもアガるつもりはなかった。と語る田幸が自信のリーチを放つ。

ドラを切れるようになった吉田も追いつき、こちらも弩級のリーチとなった。

当然オリる気などさらさら無い堀も無筋を連打する。
もう誰かの手牌が倒れるまで続く捲り合いだ。

吉田がそっとを手繰り寄せ、裏ドラを2枚乗せた。
4000-8000。

南1局

、と役牌を仕掛けた田幸がテンパイを入れる。

吉田から放たれたがロンで2000点のアガリだ。

田幸はロンの声をかけず。
この手がホンイツにならない限り、アガることはない。
形はテンパイだが、との危険度を比較した時にの方が吉田に危ないから残っているだけで、彼にとってこの価値のないテンパイで手牌を倒すことはないのだ。

こうして満貫のテンパイを組むことに成功。
あとはどこまでも勝負し続けるだけである。

そんな中で、堀も同じような状況を迎える。
高打点が見える手牌ではあるものの、現状はピンフのみ。
少しズレればタンヤオ、ピンフ、三色まで見える手牌だ。

ソーズの中頃が生きてそうであれば、こうやって組み直すやり方もあるのだ。
捌きたくてこの手を作ってきたわけではないと意思が伝わる一打である。

次々と両サイドから狙っていたソーズが切られてしまい、結果的には1000点のアガリとなってしまったが、最初のピンフでアガるのとは全く違う作品となった。

南4局2本場

8000オールで勝負を決めたかと思われた橘がオーラスで追いかける展開となった。
その差は5700点だ。
条件を満たすには厳しい手牌である。

こんなテンパイが吉田に入ってしまえば、勝利は目前だ。

一度切っているを引き戻したところで、橘の最終形が見えてきた。

こうなれば、脇からもアガれるようにリーチを宣言。
見事に最後のをツモアガリで逆転を決めた。

橘が一気にプラス域へ浮上し、堀は2日目もポイントを上乗せして首位をキープしている。
この日、展開に恵まれずポイントを大きく減らしてしまった仲林が右腕の龍と共に最終戦に向かう。