第23期雀王決定戦観戦記 2日目(8回戦)

【担当記者:五十嵐毅】

座順・仲林―吉田―橘―堀

東1局、吉田が受けが麻雀牌:三筒麻雀牌:九筒麻雀牌:二索麻雀牌:五索でかつリャンメン以上のテンパイが入るという超広いイーシャンテン。入り目も絶好でドラ麻雀牌:六筒での麻雀牌:三筒麻雀牌:六筒麻雀牌:九筒3メンチャンが残ってリーチ。

ここにピンズの伸びを見て4連形を残していた仲林がカン麻雀牌:八索をスポッと入れたため麻雀牌:三筒がリーチ打牌となって一発放銃となった。

東2局は仲林が8巡目にドラの麻雀牌:白を切って、この時点で5枚残りの麻雀牌:五索麻雀牌:八索マチリーチ。このドラをポンした堀はイーシャンテン。

14巡目、ドラポンとリーチを警戒しながらやや回り気味だった親の吉田が追いつき、麻雀牌:四筒麻雀牌:五筒麻雀牌:七筒マチでリーチ。

直後に、メンゼン役無しのヤミテンだった下家の橘がカン麻雀牌:八索をツモって300・500。何というか、誰にも決めさせないアガリだ。

東3局、親の橘がドラ麻雀牌:東を配牌からトイツ。もちろんそう簡単に鳴けるはずもなく、雀頭のままカン麻雀牌:七索で8巡目リーチ。
このリーチにピンフ麻雀牌:二筒麻雀牌:五筒のテンパイを入れた吉田がドラ麻雀牌:東を勝負し、ヤミテン。

すぐに橘が麻雀牌:五筒を掴んで放銃。吉田も決めさせない。

しかし、この麻雀牌:東切りは凄いと思う。ダブ東なので当たれば18000点は覚悟しなければならない。しかも吉田は満貫をアガっていてトップ目なのだ。こんな表現が適切かどうかわからないが、腹をくくった躱し手である。

南1局、仲林の親番は、「ラスはお前に決まりだ」と言わんばかりに、堀が3フーロ仕掛けであっという間に終わらせた。
東1局の吉田のアガリ以降、満貫以上が出ず、「決めさせない」アガリが続いていたが、南2局に大物手が出る。
東ラスの親番で7700をアガって吉田に肉迫していた堀が決め手となるテンパイを入れる。

めったに見られぬ三色同刻、それもメンゼンで出来上がりとは役満より難しいのではなかろうか。しかもツモれば本当に役満だ。
これに放銃したのが橘。仲林がピンズのホンイツで仕掛けていたためピンズを押さえて安全そうなマンズが打ち出された。麻雀牌:八萬で当たるとは思っていなかっただろうが、それで12000もあるとは驚愕だっただろう。

オーラス、ハネ満をツモればトップになる吉田がドラ麻雀牌:三索を1枚使い、さらに麻雀牌:三索麻雀牌:六索マチとなるピンフリーチ。

麻雀牌:三索をツモって裏を乗せれば逆転トップだが、この時点で麻雀牌:三索はすでになかった。


トップ目でラス親の堀はすでに仕掛けて手を短くしていたが、手の中には字牌が5枚あり、放銃だけは絶対にない手組である。
結局、吉田は麻雀牌:六索ツモ。裏を1枚乗せたが満貫止まり。
堀が満貫親被りしながらも、逃げ切った。