第23期雀王決定戦観戦記 4日目(17回戦)

【担当記者:坪川義昭】

17回戦は田幸が序盤から走る展開でスタート。
裏々の12000点を堀から直撃すると、更に満貫ツモアガリと大物手を炸裂させる。

南1局1本場

またもや先制テンパイを入れた田幸が手を止める。
南場に入ったが、局消化よりも自身のポイント上乗せに振り切った選択を魅せてくれた。

この手の最高形だけは逃さない。
だからこそ田幸はこの舞台に立っているのだ。

しかし、相手は右腕に龍を宿す雀王である。
すぐに追い付き6000オール一撃で田幸を飛び越えていった。

南2局

完全に勢い付いた仲林が田幸を引き離しにかかる。
3メンチャンのリーチを放ち、当然のように一発ツモの3000-6000。
独走状態に突入した。

南3局

このままトップを取られると仲林のポイントは200pを超えてしまう。まだ一日残っているとはいえ、これ以上のリードを許すわけにはいかない。
オヤの田幸が僅か3巡目にして12000点のテンパイを入れた。

3者共から飛び出しそうな待ちだが、こういう時は苦しい立場の者が餌食となる。
麻雀というものは、そういうゲームなのだ。

しかし、橘から放たれた麻雀牌:四索に田幸は微動だにせず。

今通った危険牌を処理する仲林にかかる『ロン』の声。

華麗なる見逃し一撃で、田幸は仲林の背中を捉えた。
まさかの放銃に雀王も驚きを隠せない。

南4局

互いにアガリトップで迎えたオーラス。
仲林は麻雀牌:三萬を叩いて必死にアガリのルートを探る。

合わせるように田幸も麻雀牌:八索に飛びついた。
役はなくとも、孤立している役牌を重ねればなんとかなる。

やっとの思いで麻雀牌:白を重ねてイーシャンテンに辿り着いた。

仲林も同様にイーシャンテンとなり、アガリのルートは見えている。

先にテンパイを入れたのは田幸だった。
トイトイも付いて、どちらが出ても逆転トップである。

仲林は放たれたドラの麻雀牌:八筒を仕掛け、既に当たり牌となってしまった麻雀牌:白単騎のテンパイを取りにいく。
切れなくなったとはいえ、ノーテンでトップを逃すわけにはいかない。

絶対にオリることができない橘にテンパイが入る。
溢れ出した麻雀牌:九筒を田幸が仕留めてゲームセット。
たった二度のアガリで仲林を振り切り、逆転トップをもぎ取った。

仲林は群の中から抜け出すことを許されず、三つ巴状態が出来上がった。
堀が大きなラスを引いたものの、橘もマイナスを叩いてしまいポイント差はなかなか縮まらない。
次の18回戦が堀と橘の直接対決最終戦となる。