第23期雀王決定戦観戦記 3日目(15回戦)

【担当記者:五十嵐毅】

座順・田幸―橘―仲林―吉田

本日、ここまでの4回戦で堀と橘が2回ずつラスを引き受けている。
堀は最終戦抜け番なので、△39.5でポイントが確定。4日目で最下位が退場となる今期からのシステムを考えると、橘はここに少しでも近づけておきたいところだ。

東1局、この日絶好調の仲林がソウズのホンイツで仕掛ける。
橘はソウズの待ちが残っては不利と、カン麻雀牌:三索をチーして234三色含みのタンヤオへ。
麻雀牌:東麻雀牌:白が鳴けた仲林は麻雀牌:五索麻雀牌:八索でテンパイ。

橘はこの形。これでテンパイならば無論麻雀牌:三筒はカンしない。1枚はずして3メンチャンに。

橘は麻雀牌:五索をアンコ。どう見ても橘有利だが、麻雀牌:八索を持ってきてしまう。

東2局の親番、早々と789三色が狙えるイーシャンテン。
しかし、麻雀牌:九萬はすべて持たれており、カン麻雀牌:八筒も引けず、テンパイすら取れずに親番が維持できない。

流れ1本場、絶好調男はピンフドラ1のリーチで、残り1枚となっていたイーペーコーの高目を引きアガり4000オール。どうしてこうもちがうのか。

次局(東3局2本場)は5巡目にドラ1の手を張るもヤミテン。麻雀牌:五萬を引いてリャンメンにし、ピンフを付けてリーチとする丁寧さを見せたが実らず流局。一人テンパイだったのがまだマシか。

3本場は吉田がリーチ。橘、終盤に形テン。
4本場は仲林の早いリーチに、喰いテンを入れて立ち向かうも、吉田が仲林に放銃。

南場の親では、いち早くテンパイするも、4巡目に麻雀牌:二索を切っていてフリテン。麻雀牌:中とのシャンポン、あるいは麻雀牌:七索を引いてドラ麻雀牌:八索まで伸びる手変わりを待つが、手が動かない。

麻雀牌:一筒を引いたタイミングで空切りリーチを打つが流局。

1本場も田幸のリーチに対し、終盤チーしてテンパイ連荘
2本場、ドラの麻雀牌:西アンコ。リャンシャンテンだがリャンメン待ちばかりの好形で、今度こそと思われたが……

無情にも田幸が出アガリのきかない手をツモ。

そしてこの後、橘にはテンパイが入らなかった。
オーラス、仲林は雲の上。
田幸21100 吉田20700 橘15700
と、1300・2600で2着にはなる点差だったが、親の吉田はともかく、田幸は2着死守に必死になる。789三色の早いイーシャンテンで、メンゼンで頑張ることなど当然せず、吉田の切った麻雀牌:八萬に喰いつき、789出来上がりの麻雀牌:三索麻雀牌:六索待ち。

すぐに橘から出アガった。

橘は結局、この半荘ノーホーラ。そして3度目のラスを引いてしまった。
終了後のインタビューで、
「優勝を目指す場なので、生き残りのために首位とのポイント差より4位との差を意識して打つようなことはしたくないし、そういうポジションにはなりたくなかった」
と語っていたが、ではどうすればいいのだろうか? この日の麻雀、けっして内容は悪くなかったのである。
できることといえば、初詣の願掛けで、お賽銭を精一杯はずむことぐらいだろう。