第23期雀王決定戦観戦記 3日目（12回戦）

【担当記者：坪川義昭】

初戦、現雀王の仲林が一撃で負債を返上して最下位を脱出した。
しかし、未だにポイントは団子状態である。
誰が抜け出すのか。

東2局1本場

北家の仲林にドラ1のテンパイが入るが、これをヤミテンとする。
場にマンズは安く、を引いてリーチといきたいところだ。

僅か1巡の間にが枯れたことによって変化がなくなりツモ切りリーチと出る。
愚形待ちとはいえ、今にもアガれそうな待ちだ。

終盤に堀が形式テンパイを入れた。
役は無いが、このままテンパイ料を貰えれば儲けもんである。

堀が手を止める。
はヤミテンの間にが通っていることで、リャンメンには当たらない。
カンチャン待ちならば即リーチとなるであろう。
通っていない牌とはいえ、考えれば考えるほど当たりにくい牌に見えてくる。

開かれた手牌を見れば納得のリーチだが、これを通っていない牌だからと止めてしまうのは少し勿体無い気もする。

あまり当たらないと思った牌で放銃となったものの、支払いは2600点とさほどダメージはなかった。
堀らしい玄人好みのワンシーンである。

南2局

仲林にテンパイが入ったが嬉しい入れ目ではなく、即リーチといけない待ちになってしまった。

嬉しいノベタン変化や亜リャンメンが少ないならば、テンパイを外してツモりやすい待ちを作りにいく。まだ時間は十分にある。

前巡にが打たれ、絶好となったでツモりにいく。
想定通りのリーチが打てた。

一発目のツモ牌が裏目のだったが、枚数的に選ぶのは不可能である。

山にはいるものの引けずにいると、堀が追っかけリーチを放ってきた。

しかし、ここは仲林が引き勝ち貴重な1000-2000のツモアガリとなった。

仲林は次局も田幸のリーチを掻い潜り満貫をツモアガリし、トップ目でオーラスを迎える。

南4局

微差のラス目である親の橘が役牌を仕掛けて2副露を入れた。

トップ目の仲林も役なしテンパイを入れると、勝負掛けのリーチを放つ。
安全運転だけではトップは掴み取れない。

放銃すると着順が落ちる可能性が高い堀の切り番だが、手牌は完全に詰んでしまっている。

唯一の筋を頼りに拝んで放ったが一発放銃となり8000点。
これで堀は2着からラスまで転落してしまった。

意図せず決まったトップラスによって現雀王の仲林が首位の座を奪った。
休憩中に流れの悪さを感じ取った堀は、購入した馬券を確認する。
この日、一日通して苦しめられることを予言しているかのように馬券は全て外れていた。