第23期雀王決定戦観戦記 3日目（11回戦）

【担当記者：武中進】

全選手敬称略

3日目初戦の11回戦、起親から橘→堀→吉田→仲林。

まず先制したのは橘。東1局の自身の親番はノーテンで流されたものの、直後の東2局1本場はソツのない手順で8000は8300を吉田からアガリ。

印象的だったのは放銃した吉田の牌姿。

１２３三色のキー牌であるがトイツ落としされている点、雀頭のがスジである点、これら考慮すると切りはかなりアグレッシブな選択だ。
決勝ゆえのバランス調整という点も含めて今日・そして最終日への吉田の意気込みが見えた立ち上がりである。

橘は続く東3局も仲林の先行リーチに追いついてのハイテイツモで2000-4000。
他3人を引き離して南場を迎える。

が、ここから彼を待っていたのはこの3日目を象徴するかのような試練の展開だったと言える。
南1局親番では終盤になんと親の国士無双をテンパイ。

しかし堀のリーチのアガリ牌を一発でつかみ8000を放銃。ただでさえ48000のテンパイ、しかもつかんだは止められるような牌ではなく、これはむしろ場に見えている枚数から両面を嫌っていた堀の進行をほめるべき局面。
これにより橘・堀の点差が約6000点差と完全射程圏内に。

橘は続く南2局は絶好のカンチャンを引いて先制リーチ、高めツモなら跳満の好手。

これに仲林がアグレッシブに応戦、終盤にドラのも切って追っ掛けリーチ。

しかしアガったのはラス目の吉田。仲林が切ったドラをポンし、仲林からホンイツ・役牌・ドラ3で起死回生の12000、これによりラスを脱出して一気に2着目に。

迎えた南3局の親番は完全に吉田のターンに。
0本場、1本場、2本場と加点を続け42000点のトップ目に立つ。

そして南3局でも更なる追加点を狙い、役牌アンコでの先制リーチ。待ちのは誰も持っておらず十分。

これに堀がホンイツ・役牌・チャンタのマンガンで真っ向勝負。しかし待ちのは上述の吉田の手に3枚。

がこの2人の先制を掻い潜り、ラス目の仲林が3000-6000は3300-6300で一矢を報いる。

仲林のラス脱出も見えてきた直後のオーラス南4局0本場、ここでこの半荘の真の決着となるアガリが出た。
先ほどダンラスからの反撃を見せた仲林、続く2の矢はラス脱出どころかトップの吉田までも捲る6000オールだった。

1本場はまだ吉田のトップ再奪還もあり得る点差だったが堀がラス脱出となるアガリで決着、11回戦は仲林、吉田、堀、橘の着順となった。
吉田にとっても厳しい展開の南4局だったが、それ以上に厳しかったのは東場はダントツかつ南3局までは接戦ながらもトップ目、しかしそこから放銃もなくラスまで転落した橘だっただろう。

現雀王の仲林がこのトップでほぼポイントを±0まで戻した。だがまだどの選手も途中敗退の可能性がある接戦の状況となっている。