第13回チャンピオンロード ~オータムCS~

【担当記者:今田孝志】
【優勝】武田 定彦さん 【2位】星乃 あす 【3位】神埜 美冬 【4位】長谷 勇輝さん
決勝に進出した4名のうち、星乃あす(協会)・神埜美冬(協会)・長谷勇輝さんの3名には、まず謝罪を申し上げたい。1位で決勝に進出した武田定彦さんは2位の星乃に46.2ポイント差をつけてかなり有利な位置だが、これを許したのは本レポートの筆者(今田孝志)のボーンヘッドが一因であった。
5回戦を終えた時点で武田さんは全連対の+296.0ポイントで総合1位。2位まで72.9ポイント差、星乃までは101.7ポイントの差をつけていた。
準決勝で筆者は武田さんと同卓したが、自身の決勝進出のためにはトップ必須。優勝のためには武田さんを下位に沈めておきたいところだ。
狙いどおりに筆者がトップ、武田さんがラスで迎えたオーラス。筆者の手は中盤にこうなっていた。
ここに出たをスルーしてしまった。
序盤は形が悪かったために1枚目は鳴けないと考えていたことに意識が引きずられたこと、3つのリャンメンの場況に差がなく、どれを嫌うか迷っていたこと、はなぜか自分で1枚捨てていたのでシャンポンが残るとフリテンになってしまう、チャンタもあるけど・・・などと考えていたためだが、完全なミスだ。
筆者のミスを武田さんは十分に活かした。
4着から2着に上がるマンガンをツモり、ひとアガリで48ポイントを稼いだ。
決勝開始時点での武田さんと星乃の差が46.2ポイントであるから、これがなければほぼ横一線だったことになる。
こういったわけで、筆者は決勝開始前から武田さんの優勝をひそかに確信していた。自分がやらかしておいて偉そうに言うのは何だが、優勝するときというのはこういうことがあるものなのだ。人のミスや降って湧いたようなチャンスを掴み取った人が優勝するものだ。
なお筆者は4位の長谷さんに1.3ポイント足らずに決勝進出を逃した。完全に自業自得だが、オーラスの武田さんのマンガンツモで支払った2000点・・・
前置きが長くなった。
決勝開始時点のポイント状況は以下のとおり。
武田さん +299.0
星乃 +252.8
神埜 +248.0
長谷さん +224.4
武田さんは2着でも優勝の可能性がある。
他3人は自身がトップを取り、武田さんを3着以下にしたいところだ。武田さんが2着の場合は素点差が必要になる。
決勝戦はリラックスした雰囲気で始まった。
この写真を見てもらえると雰囲気が伝わるものと思う。

座順(神埜-長谷-星乃-武田)
東1局。星乃がいきなり一発ツモで3000-6000。

武田さんが2着と考えても、早くもこの時点でトータルで星乃が武田さんを捲って優勝ポジションになっている。
星乃は東2局にも長谷さんから高めのドラで3900を加点。

続く東3局の親番で絶好のをチーして12000をテンパイしたときには、星乃の優勝を確信した。待ちはどこから出てもおかしくない
単騎だ。
ところが、

武田さんのリーチに星乃が放銃。一発に裏が2枚乗って12000だ。
星乃のリードは消滅し、武田さんがトップ目に立つ。
東4局。武田さんが攻める。
ドラ
と
をポンして、ここから打
。ドラ受けリャンメンターツを落として決定打を求めてホンイツへ。
神埜からリーチが入った一発目のツモが裏目のドラ
いったんを捨てるが、もう安全牌がない。
、
と無筋を切ると、
が重なりフリテンのカン
待ちでテンパイ。
も通して、

自分で1枚捨てているドラ表示牌のツモで2600オールのアガリ。
この瞬間、筆者は武田さんの優勝を確信した。
だが星乃も東4局1本場には5200は5500。南1局には2000をアガって追いすがる。
南2局には神埜が2000-4000。

南3局には長谷さんが3000-6000。

両者も最後まで意地を見せる。
南4局。他家にハネマン以上の条件を突きつけ、伏せれば優勝の武田さんの配牌。
第一打。
そのあとをポン。
他家に条件を満たす手が入った場合の緊急避難に備えて前進しつつ、はポンせず、
の暗槓はせず。
をチーしてペン
のテンパイ。2副露しているが手の中はほぼすべて安全牌だ。
絶妙なバランスの進行から、捨て牌3段目に入ったところから降りに回り、最後は伏せて優勝を決めた。
試合後の表彰式で武田さんは「矢島亨プロをリスペクトしている」と語った。
本大会は「チャンピオンロード・オータムチャンピオンシップ」
オータムチャンピオンシップといえば現在矢島が3連勝中である。本日も矢島のゲスト参戦が予定されていたが、別の大会を勝ち上がったために欠場となっていた。
武田さんは「矢島さんに会えなくて残念」と語ったが、まるでリスペクト相手の代理で優勝した格好だ。
改めまして武田定彦さん、優勝おめでとうございます。
そしてご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
今期のチャンピオンロードも残るところあと2回。
グランドチャンピオン大会出場枠を巡る戦いも大詰めだ。
