第23期女流雀王決定戦観戦記2日目(6回戦)

【担当記者:今田孝志】
1日目1回戦は現女流雀王・逢川の箱ラスでスタートし、3回戦では夏目が親番で猛連荘して奥村が箱下30000点の大きなマイナスを喫するなど、出入りの激しい展開となった。だが終わってみれば首位の逢川が+16.7、最下位の奥村でも-33.5と、わずか50.2ポイント内に全員がひしめいている。着順の数字を合計すると、全員等しく10だった。
よーいドンで仕切り直しのような2日目のスタートだが、1日目と大きく異なるのは、2日目を終えて最下位だと、その時点で3日目に進めず敗退となること。あくまで頂点を見据えての戦いだが、回が進むにつれて敗退ラインも意識せざるを得なくなる。
座順(りんの-澄川-奥村-逢川) 抜番 夏目
東2局1本場。
奥村が先制リーチ。待ちはカン。
りんのがそのを一発キャッチ。

はリーチ宣言牌のスジの牌で、ドラが
のためかなり切りづらい。
イーシャンテンを維持するはリーチの現物だが、りんのは同じく現物の
トイツ落としを選択。
、
と引いて
単騎でテンパイするが、今度は無筋の
を引く。

無理せず通っているを切ってイーシャンテンに戻す。そこから
をポンして形式テンパイを取るが、最終手番で再び
をキャッチ。

か
を切ればテンパイだが、ここは未練を残さず降りた。
南1局2本場。
マンズのイッツーと123の三色が見える手。

を引いてイッツーの形は整ったが、りんのは打
として三色との両天秤を続行。
、
と引いて123の三色が色濃く見えるイーシャンテンに。

ドラのない手ということもあり、丁寧に手役を追う。
南3局。
場風の南が暗刻の整った牌姿にを引いてカン
待ちでテンパイ。

入り目は不満だが、ここは果敢に即リーチに踏み切る。
第20期新人王であり、日本プロ麻雀連盟主催のプロクイーンを三度制すなど、タイトルを多数獲得し決勝戦の経験も豊富なりんの。
念願の女流雀王獲得に向け、メリハリの利いた麻雀を見せる。
試合は東3局2本場に、逢川がツモり四暗刻のリーチ。

決定打となるかとも思われたが、ここは奥村から8000の出アガリ。
このアガリで逢川はトップ目に立つ。
東4局は4巡目のカンチーから発進。

しぶとく1500をアガって連荘すると、続く1本場に決定打が飛び出す。
ここから三色のタネのを残してリャンシャンテン戻しの打
。

を引いてイーシャンテンになり、続いて
引き。

を切ればリャンメン2つのイーシャンテンになるが、三色もタンヤオも消えてしまう。
逢川は初志貫徹のツモ切りとし、狙いどおり
を引いてリーチといくと、

高めをツモって裏ドラが2枚。8000オールは8100オール。
逢川が大きくリードを奪う。
南4局。
マンガンツモで逆転トップとなるりんのがドラのカンチャン待ちでリーチ。

ツモって裏が乗れば逆転だが、アガリとはならなかった。
1着逢川、2着りんの、3着澄川、4着奥村。
終わってみれば開始前の順位と同じ並びの着順となった。
元々が僅差だったとはいえ、上位が加点し下位がポイントを失えば、その差は大きくなる。
逢川以外の4人としては逢川にこれ以上走られたくないところだ。そして5位の奥村は本日残り3戦、敗退ラインも意識せざるを得なくなるだろう。
とはいえ上下の差はまだ160ポイントほど。女流雀王も2日目敗退者も、まだ誰がなっても不思議ではない。
