【第7期雀王決定戦ポイント結果】
順位
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名前 |
TOTAL
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1日目
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2日目
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3日目
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最終日
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1
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小倉 孝 |
188.5
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209.2
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45.5
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50.6
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-116.8
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2
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鈴木 達也 |
155.3
|
-39.5
|
116.9
|
-99.6
|
177.5
|
3
|
鈴木 たろう |
62.4
|
8.0
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-46.7
|
118.4
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-17.3
|
4
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赤坂 げんき |
-409.2
|
-177.7
|
-115.7
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-71.4
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-44.4
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【1日目観戦記】
|1日目観戦記|2日目観戦記|3日目観戦記| 最終日観戦記|
<選手紹介>
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鈴木 達也(現雀王)
雀王決定戦は第5期まで、連覇はおろか、二度雀王を獲ったものはいなかった。
そのジンクスを覆し、昨期五十嵐毅がほぼ手中に収めていた優勝をオーラスの倍マンツモで引っくり返して再度の戴冠となったのが、現雀王の鈴木達也である。
しかし、未だ雀王決定戦で連覇したものはいない。今回さらにそのジンクスを打ち砕くことができるだろうか。
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小倉 孝
所属1年目にトントン拍子に雀竜位を獲得した、若手の出世頭小倉孝。
雀王戦リーグも最初の1期こそ足踏みしたものの、あとは全て昇級。
今期初のAリーグにして、前半から他を引き離し、3枚の決定戦の切符を真っ先に得た。
先の日本オープンでは、あと一歩で優勝というところから、藤崎智(連盟)に大逆転されたのが記憶に新しい。
その屈辱をここで晴らせるか。
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鈴木 たろう
第15期最強位など、数々のタイトルを引っさげて3年前に協会に移籍した鈴木たろう。
B2スタートからB1、Aと連続昇級。
小倉同様、初のAリーグにして決定戦進出。優勝候補筆頭の呼び声も高い。
決勝戦の進出回数・タイトル獲得数は協会ダントツで、その経験値は他の追随を許さない。
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赤坂 げんき
一般出場した最強戦でその才能を認められ、協会1期生としてスカウトされたのが赤坂げんき。
協会員は200名を超えたが、スカウトされて入った人間は少数だろう。
決定戦進出は、第1期新人王戦と先の第3回オータムチャレンジカップの2回と他の3名に比べると実績では見劣るが、第7期雀王戦後半で見せた追い込みは一発を期待させる。
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協会の頂点に立つのは果たして誰か?
1回戦 鈴木達也(以下達也)−小倉孝(以下小倉)−赤坂げんき(以下赤坂)−鈴木たろう(以下たろう)
開局早々、誰が先手を取るのか?
決勝戦を見る上で、トータルポイントを見ながら打つ終盤戦も面白いものだが、比較的自由に打てる初日に各自の持ち味が出せるか?
ここも見所の一つである。
東1局 与えられた配牌は以下の通り。 ドラ
東家 達也
南家 小倉
西家 赤坂
北家 たろう
小倉、赤坂がタンピン形でまとまっていて良さそうだが、北家のたろうは自風がトイツで入っており、スピード的には十分。
親の達也もホンイツが本線だが、ドラ入りのメンツを作っても打点が見込める。
いきなり手牌がぶつかりそうな予感がある。
と入れた小倉が6巡目にカンを入れて、気持ちよくメンタンピンの先制リーチ。
南家小倉6巡目
ドラ
本人には意識がないかも知れないが、小倉にはリーチ棒を出す際に足を小刻みに動かす癖がある。
貧乏ゆすりと言うよりは、子供が嬉しい時にする動作に似ている。
予想と反して他家の手が進まないまま、2巡後簡単にをツモ。裏が乗ってマンガン。リーグ戦での勢いそのままに先手を取る。
小倉と言えば、先手を取ってのリーチが信条。たとえから入ってもカンでリーチと行くだろう。
美しくない最終形でのリーチも多いが、首尾一貫しているのが、小倉の強さかも知れない。
続いて東2局、西家のたろうが3巡目に、5巡目にと仕掛けテンパイ。
西家 たろう5巡目
ポン ポン ドラ
小倉がリーチで場を制圧するとすれば、たろうは一つの仕掛けで制圧するタイプである。
たろうはアガリに遠いところからの鳴きも多いので、本手と見るかブラフ的なものと見るか他家の判断も難しい。
今回はドラがなだけに、からのポンは、最悪混老頭まで見えて、相手からすれば気持ちが悪い。
ロン牌のは小倉が一旦止めたが、14巡目に赤坂からリーチが入り、現物がない小倉がスジを追って、たろうに2600の放銃となる。
南家赤坂14巡目
ドラ
赤坂としては、小倉に親カブリをさせたいとの目論みだったと思うが、たろうが8巡ツモ切りしてテンパイ気配であることからも、危なっかしいリーチに感じた。決定戦で少し入れ込み気味か。
東4局。今まで出番のなかった南家達也であるが、以下の配牌から、
ドラ
と引き込み4巡目にポン、5巡目ツモでマンガンのイーシャンテンになる。
南家達也5巡目
ポン
この時点でキー牌のが西家小倉に4枚持たれており、アガリは厳しそう。
東家たろう11巡目
ツモ ドラ
たろうはここから打で単騎のテンパイ。
直後、南家達也が一見他家に安全そうなをツモり、一旦手に置く。 ポンテンの利かない打先打ちとする。
南家達也11巡目
ポン ドラ
そして東家たろうが何かを引いて、切りリーチ。 北家赤坂のポンが入り一発は消えるが、南家達也がを手の中から切ると御用。
裏が乗って7700の放銃。
たろうが引いた牌はであった。
東家たろう13巡目
ロン ドラ 裏
確かにと、嫌ったところに見えなくもないが、振るために取って置いた牌になり、達也としては最悪の結果に。
たろうとしても達也が染めているのでいい待ちに見えたと思うが、まさか達也だけが持っているとは夢にも思わなかっただろう。
流局後の東4局2本場。南家達也が3つ仕掛け8巡目に高めマンガンのテンパイ。
南家達也8巡目
ポン ポン ポン ドラ
ここまで音無しの北家赤坂は6巡目にテンパイしており、慎重にいい待ちを探していた。
北家赤坂6巡目
ドラ
この後、ツモで打、ツモで打、そして11巡目にを引き、打で高め三色のテンパイとなる。
北家赤坂11巡目
ドラ
が達也に打ちづらかったのか、この形でダマ。
これが功を奏して、イーシャンテンの東家たろうから高めを討ち取り、8000は8600のアガリ。
この局について1回戦終了後に赤坂に聞いてみたところ、
「危ない牌を引いてきたら単騎に受けるつもりだった」との回答。
確かに納得で、うまい打ち方ではあるのだが、東2局にかぶせてリーチに行った赤坂とは対称的で、私には違和感があった。
メンタンピンドラで曲げた方が、赤坂らしい。
またこの局について、たろうの採譜を担当した二見大輔は、
「たろう行き過ぎだよ」
と語っていた。
たろうと二見は他団体からの移籍組。私よりも何倍も、二見の方がたろうを知っている。たろうを評して二見は、
「たろうだから許される部分があるけど、あれを若手が打ったら何を言われるかわからないよ」
確かに攻めっ気が強い私が見ていても、ヒヤヒヤする打牌が多い。
本人もこのことについては自覚をしているが、多少リスクを犯してでも攻めるのがたろうの持ち味でもある。
東場が終わっての点棒状況だが、達也が13300点で、残り3人が29000点前後と競っているので、達也としては親番で近付きたいところ。
南1局、その達也に絶好のリーチが入る
東家達也9巡目。
ドラ
これを高目でツモれば一気に並ぶ。裏次第で一気にトップまでと思ったに違いない。
しかし10巡目に北家のたろうがペンを仕掛けてテンパイ。
北家たろう10巡目
チー
達也がたろうに振り込むことはなく、両面の分達也は有利である。しかし、麻雀は何が起こるかわからない。
ピンフのテンパイを取った赤坂がを離し、頭ハネでたろうの2000のアガリ。
赤坂としては、達也の現物はもちろんのこと、スジですら持っていなかったので、での放銃は仕方ないといったところか。
それにしても、達也はアガリも親番も持って行かれたのが痛い。
南2局に入り、小倉の親で状況が一変する。
これまでおとなしく我慢していた小倉だったが、やっと13巡目にリーチを入れる。
東家小倉13巡目
ドラ
終局間際の17巡目にドラのをツモり、まずは2000オール。
続く1本場。
東家小倉の配牌は翻牌が2トイツある以外は平凡だったのだが、
東家小倉1巡目
ドラ
2巡目にをポン、6巡目にをポンしてイーシャンテンに。
東家小倉6巡目
ポン ポン ドラ
9巡目に点差を詰めたい西家たろうからリーチ。
西家たろう9巡目
ドラ
それを受けて一発目となる小倉のツモは。たろうの捨て牌には、手出しで7巡目、9巡目でリーチとあり、無論無筋。
しかし、小倉は何事もなかったようにツモ切り。次巡ツモでテンパイ。やっと現物の打と出る。
困ったのが南家赤坂。上家の小倉と同じソウズのホンイツを見ていたので、完全な手詰まり。
1回戦南2局1本場南家赤坂13巡目
ツモ ドラ
ドラとドラそばはリーチに切れない。ソウズは小倉に危ない。赤坂の選択は。
ここはセーフ。
15巡目小倉がを暗刻にして打で待ち変え。
東家小倉15巡目
ポン ポン ドラ
これなら危険牌を引いても最悪切りでテンパイが組める。そこに飛び込んだのが赤坂。
先ほど通ったのツモ切りで、12300の放銃。
ここはたろうがツモ切ったを頼りに中スジのを切ったほうがまだ良かったのではないか?
2着目のリーチにをツモ切ってきた小倉だ。
手出しのはオリた可能性も否定は出来ないが、待ち変えのケースも十分あっただろう。
1回戦が終わって、見学しに来ていた須田良規の感想だが、
「赤坂の残し方が危ない」
確かにこの局を取っても、上家の小倉と同じ色を残して手詰まっている。
3巡目にドラの引きで孤立牌のを切らなければ、ピンズ切りで回ることも出来たし、
結果として12巡目にたろうから一発で安めのをアガッている。
ロン ドラ
この大きな大きな放銃からさらに小倉の連荘は続く。
2本場はドラ色のマンズで染めた小倉の一人テンパイ。
同3本場は小倉が500は800オールのツモアガリ。
迎えた南2局4本場。
東家小倉は配牌で三元牌2種とドラのがトイツ、マンズのリャンメンターツが2つと好配牌。
3巡目、4巡目でと仕掛け、5巡目でが暗刻になり以下の超大物手十分形。
東家小倉5巡目
ポン ポン ドラ
しかし、5巡目にしてが残り2枚しかないので、傍目にここがネックかと思っていると、上家の達也がテンパイ取らずの切り。
小倉がチーして切りテンパイ。
北家達也8巡目
ツモ ドラ
達也としても迷うところであっただろうが、小倉がまとまる前にを処理しておきたかったのかもしれない。
また、当面の3着争いをしている南家赤坂が5巡目に切りの後、ダブをポン。
その後、小倉には手出しがないので通る牌ではある。赤坂にだけはアガられたくないので、最悪小倉には鳴かれてもいいと思ったのか。
しかしこの目論見がやすやす小倉にテンパイを与えて、最後のツモで小倉が6000は6400オールのアガリ。
これで小倉は70000点オーバー。
同5本場は達也が3900は5400をアガり、3着へ浮上。このままの順位で1回戦目が終わる。
1回戦終了時ポイント
小倉 +92.0
たろう△ 0.7
達也 △32.7
赤坂 △58.6
2回戦 小倉−達也−たろう−赤坂
1回戦に続き、2回戦も小倉のツモアガリからスタートする。
東家小倉12巡目
ツモ ポン ドラ
小倉はリーチのイメージが強いが、ホンイツの仕掛けが多い。
配牌でこそピンズが5枚しかなかったものの、牌が自然と寄ってくるようにアガリをとらえた。
順調な滑り出しに見えた小倉に落とし穴が待っていた。
東2局北家小倉7巡目
ドラ
先行、好形で打点も十分なリーチだが、これに追いついたのが東家達也。
東家達也9巡目
ドラ
この勝負は、小倉がを掴み12000の放銃。達也としては価値のある直撃となった。
これで気を良くしたのか、同1本場、達也がと仕掛け、天と地ほど違うをツモり4000は4100オール。
東家達也14巡目
ポン ポン ツモ ドラ
赤坂とたろうには中々門前での本手が入らない。
東3局南家赤坂7巡目
ドラ
7巡目にして上のチャンス手が入るのだが、10巡目に引いてくるのは。
ダマで小倉から2600をアガるのがやっと。
東4局にはたろうに本手のリーチが入る。
北家たろう10巡目
ドラ
リーチの時点で山に2枚ずつ残っているのだが、12巡目にツモったのは、ど安めの。
この手で500/1000では寂しい。
対して、南2局の時点で持ち点が8800点しかなかった北家小倉だが、残り1枚しか残っていない‐を簡単に掘り当てた。
北家小倉12巡目
カン ドラ 裏
ドラは乗らなかったものの2000/4000のツモアガリ。
南3局では東家たろうが、トップ目の達也を追って連荘するが、1500、2000は2300と大して上乗せ出来ず。
逆に同2本場で期を伺っていた北家達也にチャンスが来る。
北家達也5巡目
ツモ ドラ
5巡目にして三色が見えるイーシャンテンに。仕掛けてもドラがなだけに打点的には十分である。
関連牌は、東家たろうにが1枚と南家赤坂にが1枚捨てられている。
とは文句なく仕掛けるが、ドラはどうか?
ツモはドラ切りでダマなら取れる。ツモは切りリーチ。ツモは切りダマ。ツモは切りリーチ。
こんなことを後ろで予想していたのだが、8巡目にをチーして切りテンパイ。
北家達也8巡目
チー ドラ
すると11巡目にをツモって、トップを決める2200/4200のアガリ。
オーラスは、3着目の東家赤坂と2300点差の南家小倉が、6巡目にタンヤオのみの手を曲げて一発ツモでラス抜け。
南家小倉7巡目
ツモ(一発) ドラ 裏
トップから、達也−たろう−小倉−赤坂の並びとなった。赤坂は痛恨の2ラス。
2回戦終了時ポイント
小倉 +73.1
達也 +31.2
たろう +2.9
赤坂 △107.2
3回戦 達也−小倉−赤坂−たろう
2回戦目にトータルトップ目の小倉をラスに出来なかったことが他の3者からすれば不満だろうが、
ポイントを伸ばさせなかったことは大きいだろう。
東1局、ここまで不調の赤坂が4巡目に切りで先制リーチ。
西家赤坂4巡目
ドラ
のみ手の愚形だが仕方がないか。
これを受けて、北家たろうが9巡目にイーシャンテンとなり、無スジのを押す。
北家たろう9巡目
ドラ
10巡目にたろうがを入れてリーチと来るが、宣言牌で1300の放銃。
リーチ棒と変わらない失点なら痛くも痒くもないだろう。
そのたろうだが、東2局3巡目にしてを暗カン。5巡目にドラのを引いたところでカンチャンを払う選択が出る。
西家たろう5巡目
カン ツモ ドラ
ここはカンドラがなので、仕掛けてもマンガンになるマンズを払う。当然の選択だろう。
6巡目にを引きピンズがリャンカンに。そして7巡目にドラのを引いたところ。
西家たろう7巡目
カン ツモ ドラ
ここで当然のようにを切るが、ここからが長い。
8巡目に東家小倉からリーチ。
東家小倉8巡目
ドラ
と無スジを連打するが、現物のは鳴けず、ようやくを引いてテンパッたのは終局寸前。
しかし、即座に東家小倉がをツモり裏が1枚乗って4000オール。
半荘終了後たろうは、ポンテンの利くを切っておけば良かったと言っていたが、
それなら北家達也のポンでを切ると小倉に放銃していた。
タラレバは禁物だが、もしカンドラにが乗らなければ、リャンメンに変化しやすいマンズを残しただけに、
ツモ、ツモでたろうのアガリであった。
同1本場は、東家小倉が手役で魅せる。
まずは、南家赤坂が好配牌。マンガン手で3巡目にを仕掛ける。
南家赤坂3巡目
ポン ドラ
このときの東家小倉の手牌がこう。
東家小倉3巡目
ドラ
ここから7巡目までに、と引き、10巡目にカンを入れる。
東家小倉10巡目
ツモ ドラ
ここでを切り、ダマを選択。このダマが正解で、北家達也がからと入れ替えて放銃。
リーチのイメージが強い小倉にダマでの放銃は、7700という点数以上に痛く感じただろう。
流局後の東3局3本場は、6巡目リーチのたろうが高めとなるをツモって1300/2600のアガリ。
南家たろう11巡目
ツモ ドラ 裏
ここまで、リャンメンのリーチをかけてもアガれなかったたろうが、高めでのツモアガリである。
東4局に全員の手がぶつかる。
まず仕掛けたのは西家小倉。4巡目までに2つ仕掛けてイーシャンテン。
西家小倉4巡目
チー ポン ドラ
北家赤坂も6巡目にポン、次巡が暗刻になって高め5200のテンパイ。
北家赤坂7巡目
ポン ドラ
しかし8巡目にを引いて、赤坂の手が止まる。
ここでのトイツ落としと出る。安めだと2600しかないので、気持ちはわからなくもないのだが、これが裏目となる。
次巡、を引いてペンでテンパッた西家小倉には間に合うのだが、11巡目東家たろうのリーチ宣言牌は。
東家たろう11巡目
ドラ
12巡目にピンフのテンパイを入れた南家達也がをツモ切ると、西家小倉がポンして待ち変えの打。
西家小倉12巡目
ポン チー ポン ドラ
これでたろうのアガリ牌が達也に流れてしまう。
南家達也14巡目
ツモ ドラ
ここはスジを追って安全に切り。たろうのアガリは厳しくなったと思っていると、次巡ラス牌のをツモ。
たろう2600オールのアガリ。
テンパイを外した赤坂だけがイーシャンテンのままという状況。ちなみに赤坂が欲しがったは、山に3枚眠っていた。
南場に入り、トップ目小倉と2着目たろうとの差は7000点ほど。たろうからすれば、まだまだ逆転可能な数字だろう。
その淡い期待を打ち砕くアガリが小倉に出る。
南2局東家小倉14巡目
ツモ(一発) ドラ 裏
前巡にを暗刻にしてのリーチ。一発ツモで4000オールの収入。その差が23000点と離れる。
オーラスたろうが親番を迎えての点棒状況は以下の通り。
東家たろう 25300点
南家達也 5400点
西家小倉 48100点
北家赤坂 21200点
ハネマンをツモってもラスの南家達也がドラのを重ねてリーチ。
南家達也9巡目
ドラ
11巡目に達也がをツモ切ったところで、ドラが場に2枚見えたことになり、ハネマンの可能性は薄くなった。
東家たろうがと油っこいところを通し、15巡目についに追いつく。
東家たろう15巡目
ツモ ドラ
を切ってリーチと行くが、これはロン牌。5200の放銃により3着に落ちる。
採譜者の二見は、「たろう、あそこは赤坂もオリてるし、オリるだろう」と考えていたようだ。
人それぞれの考えがあるが、ラスに落ちる可能性が低いのと、トータルトップ目の小倉にはトップを取らせたくはないので、
私もたろうと同じ選択をしたと思う。
3回戦終了時ポイント
小倉 +141.2
たろう △ 17.0
達也 △ 18.2
赤坂 △106.0
4回戦 達也−赤坂−たろう−小倉
トータルが小倉の一人浮きとなって迎えた4回戦。
東1局、東家達也が7巡目にして四暗刻のイーシャンテンとなる。
東家達也7巡目
ドラ
先制リーチは西家たろう。
西家たろう9巡目
ドラ
のみ手だが、ほどなくをツモって、裏1の1000/2000。
東2局では東家赤坂が2巡目にして以下のような好形だったが、8巡連続ツモ切りで進まず。
東家赤坂2巡目
ドラ
このツモ切りの最中にやなどもツモ切っており、疑問手だった。
特にはタンヤオでの仕掛け、タンピンイーペーコーを見て残す手もあっただろう。
ここはたろうの一人テンパイ。
流れて東3局1本場。まず7巡目に南家小倉がリャンメンチーでテンパイ。
南家小倉7巡目
チー ドラ
そこに10巡目東家たろうがかぶせてリーチ。
東家たろう10巡目
ドラ
この対決は小倉に軍配があがり、1000/2000の1本場のツモアガリとなる。
軽く流れた後の南1局。11巡目に南家赤坂がマンガン確定のリーチ。
南家赤坂11巡目
ドラ
それを受けて東家達也、待ちを変えようと一旦ダマにしていたが、が切れないとみるやツモ切りで追っかけリーチ。
東家達也12巡目
ドラ
2軒リーチに無スジのを押す西家たろうはドラが暗刻で入っており、こちらも14巡目に追っかける。
西家たろう14巡目
ドラ
この3軒リーチの勝負は、たろうがを掴み、赤坂に放銃。赤坂としては久々のマンガン和了となる。
続く南2局、場に気持ちが悪い捨て牌が並ぶ。
東家赤坂
南家たろう
西家小倉
北家達也
場を見渡し、小倉が14巡目に3メンチャンの選択で切りリーチ。
西家小倉14巡目
ドラ
ちなみに他家の手牌はこの通り。全て大物手のイーシャンテン。残念ながら東家赤坂の国士はアガリ目がない。
東家赤坂14巡目
ドラ
南家たろう14巡目
ドラ
北家達也14巡目
ドラ
これだけ偏っていれば、西家小倉の待ちは強い。ほどなくをツモって、1300/2600。
ラス前は小倉が軽く流して、オーラス。点棒状況は以下の通り。
東家小倉 35800点
南家達也 18100点
西家赤坂 28900点
北家たろう 17200点
まずは9巡目に北家たろうがラス抜けのチーテンを入れる。
北家たろう9巡目
チー ドラ
流局トップの東家小倉、12巡目にホンイツのイーシャンテンになるが、13巡目にを引き、切りでホンイツを捨てチャンタに向かう。
東家小倉13巡目
ツモ ドラ
そしてテンパイを取らなければたろうに捲られる達也から、をポン。すぐにツモで2000オール。
同1本場は南家達也が3巡目のリーチ。2着目の赤坂とは10800点差なので、3着キープのリーチと言っていいだろう。
南家達也3巡目
ドラ
11巡目に追いついたのが北家たろう。道中、達也の暗カンが入り、がカンドラに。
北家たろう11巡目
ツモ ドラ
オリればラスが確定だから行くしかない。
でもどうする?
が場に2枚で空、が3枚切れ、が表示牌に1枚。
ソウズに関しては、が暗刻になったときに自分では切っている。
少考後、「リーチ!」
やっぱりそうくるか・・・。
たろう、打でリーチ。
この男、常にトップを見ている。トップの小倉とは26600点差。
【メンタン一発ツモリャンペーコー表表裏裏】
確かに可能性上では三倍満ツモが有り得る。
一発目のツモは・・・、空振り。
流石に【最強戦で奇跡の四暗刻ツモ】みたいなことはそうそう起きなかった。
しかし、実はこのたろうの出したリーチ棒がミラクルを呼ぶ。
ほぼ3確リーチだった達也がをツモ。
南家達也13巡目
カン ドラ 裏
そのが裏ドラとなり、達也まさかの2着である。
4回戦終了時ポイント
小倉 +198.9
達也 △ 12.7
たろう △ 64.9
赤坂 △121.2
5回戦 小倉−達也−たろう−赤坂
いよいよ初日の最終戦。まだ初日とはいえ、小倉の一人浮き状態。このまま走られると、決まってしまう。
先手を取ったのは、先ほど魅せてくれた西家たろう。
西家たろう12巡目
ドラ
12巡目にリーチ。赤坂から高めのを討ち取る。
たろうの2打目と3打目がと並んでいるので、ある意味仕方のない部分もあるが、巡目と手牌を相談したら無理があるだろう。
ここは現物のか、頑張ってもスジのといったところだろう。
北家赤坂13巡目
ツモ ドラ
さらに東3局に一人テンパイ、得意のバックで2900は3200と、40000点超えの東家たろう。
同2本場にまたテンパイ。
東家たろう4巡目
ツモ ドラ
三色目が消えるを引いたことが不満らしく、ダマに受ける。手変わり待ちはの3種類。
私も変化を見てダマに受けるが、即リーチという人も多いのではないか。
しかし、さらに一歩上を行くのが東家たろう。
4巡目、2着目の西家小倉から出たを見逃し。
6巡目、北家達也から出たを見逃し、西家小倉にポンされる。
さすがに10巡目に北家達也から出たは1500点でアガッたが、達也はチートイツ決め打ちで暗刻から落としたもの。
西家小倉の仕掛けはハネマンまであるイーシャンテンだったので、たろうはホントに見ていてドキドキさせる。
西家小倉10巡目
ポン ポン ドラ
点数が安いとはいえ、小倉からだけはアガるべきだっただろう。
局が飛んで、東家小倉のホンイツ仕掛けで流局が続いた南1局2本場。
小倉の強さの秘密は、中々親が落ちないことにもある。
5巡目南家達也がカンをチーすると、次巡、望外のドラツモ。
南家達也6巡目
チー ツモ ドラ
このチーでテンパイになるを食い取られたのが、北家赤坂。
さらに、達也の当たり牌まで掴まされてしまう。
北家赤坂7巡目
ツモ ドラ
南家達也8000の2本場のアガリ。
それにしても赤坂にはいいように回らない。
南3局に2着目の西家小倉から5800、2900は3200と直撃した東家たろうは、その差30000点とし、トップをほぼ確実なものとする。
こうなったらたろうのやりたい放題だ。
同3本場。ドラのが配牌で入ると、3巡目さらにを引き即暗カン。
他家に隠しもせず、カッパギに行こうとする。
東家たろう3巡目
カン ドラ
1打目に切ったがかぶったのが痛いが、アガれそうといえばアガれそうな形。
ここに6巡目にを暗カンした西家小倉が9巡目にリーチ。
追って点棒がない北家達也もリーチ。
何のことはない、カンVS“ペン”の勝負。
たろうが手バラで暗カンすることを知っていなければ怖いリーチだ。
対局終了後、小倉も「だってたろうさんバラバラでしょ」と語っていた。
西家小倉9巡目
カン ドラ
北家達也9巡目
ドラ
この愚形対決は、小倉が達也から3200の2本場をアガって決着。
オーラスは2着目の小倉が流して終了。
小倉が一人走る展開になった。これからは、他の3人が小倉に走らせないように協力して打つことが出来るか、ここがポイントとなる。
5回戦終了時ポイント
小倉 +209.2
たろう + 8.0
達也 △ 39.5
赤坂 △177.7
文:阿賀 寿直
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