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順位
名前
TOTAL
1回戦
2回戦
3回戦
4回戦
5回戦
1
鍛冶田 良一
42.3
50.7
-50.8
79.3
-51.9
15.0
2
鈴木 達也
28.3
-38.8
62.9
-31.0
-25.3
60.5
3
鈴木 たろう
-29.3
5.9
-26.7
-56.9
74.0
-25.6
4
伊達 直樹
-41.3
-17.8
14.6
8.6
3.2
-49.9

【1日目観戦記】 | 2日目観戦記 | 3日目観戦記 | 最終日観戦記 | 

21世紀が幕開けしたばかりのころ、日本プロ麻雀協会はできた。
団体は若く、彼らも若かった。みんな20代だった。
しかしいま、2人は40歳を超え、残る2人も30代後半。
中年太りに悩まされ、チクワや魚肉ソーセージを主食とする炭水化物抜きダイエットを試みる者もいる。
そのチクワが対局前に語った。

「これ(決定戦)あると痩せるんですよ。1日で2キロぐらい痩せる」

私「じゃあ連日開催ならもっとやせるだろう」

「いや、もう痩せてますから」

私「まだ始まってないのに?」

「これ近づくと1週間くらい前から食べられなくなるんですよ」

雀王決定戦出場最多でもっとも場慣れしていると思えるこの男でさえ、緊張から食が細くなるらしい。
しかし、今年のチクワ、いや鈴木達也(以下、達也)の気迫は凄かった。
Aリーグほぼ全節において気合いをみなぎらせていた。
その結果が475pの1位通過である。実際に打ってみて、昨年とはまったくちがった。

なぜそうなったか?いくつか推測してみる。
@ 決定戦連続進出が7回で途絶えた
A 雀王4回はいまだトップだが、鈴木たろう(以下、たろう)に3回と迫られている
B しかも、そのたろうに先に連覇された

どれもありそう、というよりもすべてが今期のモチベーションになっているだろう。
こいつは負けず嫌いなのだ。
優勝が目標なのは間違いないが、イコール「打倒たろう」でもあるはずだ。

伊達は2年連続決定戦。
ここも昨年なす術なくたろうにやられた鬱憤と雪辱を晴らしたい気持ちがあるだろう。
一般も参加する日本オープンを別にすれば、協会内タイトル制覇の密かな野望の前に唯一残されたのが雀王でもある。

鍛冶田も久しぶりの決定戦、闘争心を燃やしているにちがいない。

 

〔初日・1回戦・伊達−達也−たろう−鍛冶田〕

この顔ぶれなら、やはりというべきだろう。
東1局(ドラ)からたろうが動く。4巡目にをポン。
速攻?いやちがう。ちっとも早くない。
仕掛けて相手の動向を見ながら遠くて高い手をめざす例のたろうスペシャルだ。
一般的には「図々しい仕掛け」という。
ただし、そこらの図々しい仕掛けとちょっとちがうのはこの局以降の展開も考えているところ。
そして、このスペシャルのピントが合いだすとますますパワーアップしていって厄介になる。

終盤までにもポンと見せつけ、でテンパイするも、
「ドラのは俺が持っている」と言わんばかりの達也の押し返し(ヤミテン)の前に、最後に掴んだが打ち切れずを打ってノーテン。

達也の手は、

この1局が象徴的で、みんな煮え切らないまま配給原点前後で南入。

南2局、
 ツモ
このリーチ・ツモ・イーペーコーの1000・2000をツモッた鍛冶田が28700点でトップ目。

ラス前の次局も鍛冶田は4巡目にリーチ。
 ドラ

親のたろうが追いかけるも、

リーチ打牌ので放銃。裏ドラはで2000点ながらも、鍛冶田はノーテン罰符OKのラス親となる。

オーラス、鍛冶田は、

から、の出にポンテンを掛けずは予定通りの終戦策だった。

たろう24600、伊達23500、達也21200と2着争いも熾烈なだけに、
 チー ドラ
のテンパイを入れた伊達が、たろうのリーチ、

の1300に放銃して着順変わらぬまま1回戦終了。

鍛冶田+50.7 たろう+5.9 伊達△17.8 達也△38.8

 

〔2回戦・鍛冶田−たろう−伊達−達也〕

この半荘は達也が凄かった。
東1局6巡目、

に、ドラ表のをツモるとを叩き切ってリーチ。1300・2600をツモ。

東2局は、

場を見るとマンズの受けがよい。そこで、ピンフの1翻を犠牲にして切りリーチとすると、まるでご褒美のようにを一発ツモ。

東3局は、たろうがタンヤオ七対子をテンパイ。
捨て牌で中スジになっているタンキでリーチすると、
 ドラ
即座に達也が追っかけリーチ。

たろうがドラのを掴んで3900の放銃―――と、東場は達也の独壇場だった。

南1局、ラス目の南家たろうがポン、加カンと暴れる。(ドラ カンドラ
しかし、手の中は、と、ホンイツのみ。しかもを捨てていてフリテンのオマケ付き。
それでもラスより下の順位はないとばかりにツモ切り続け、1人テンパイで3000点。

こうして迎えた親番でリーチを掛けるが、ポンの伊達にあっけなく蹴られる。400・700。

南3局は鍛冶田が4巡目リーチ。10巡目に伊達が放銃。
 ロン ドラ 裏ドラ

達也42900、伊達22600、鍛冶田21200、たろう13300で迎えたオーラス、普通は僅差の伊達、鍛冶田の2着争いが焦点になるところだ。
ラス親の達也は楽勝ムード。ハネ満をツモられても大丈夫。
打点の見込める手が入ればアガるだろうが、そうでなければ手牌を伏せて終わらすことができる。

しかし、そうは簡単にいかなかった。密かにトップの可能性まで見ていたのが伊達だった。
 ツモ
11巡目にドラを重ねた伊達、を切って、たったいま鍛冶田が切ったばかりの1枚切れ待ちでリーチ。
鍛冶田はトイツ落としというわけではなかったのだが、タンヤオ手で目一杯。再び掴んだを止めることはできなかった。
めくられた裏ドラ表示牌は。ツモか達也直撃ならトップだった。
鍛冶田のハネマン放銃でたろうはラス抜け。着順は1回戦と完全に裏返った。

達也+62.9
伊達+14.6
たろう△26.7
鍛冶田△50.8

トータル 達也+24.1 鍛冶田△0.1 伊達△3.2 たろう△20.8

 

〔3回戦・鍛冶田−達也−伊達−たろう〕

東1局(ドラ)から手がぶつかりあった。
親の鍛冶田が12巡目にを暗刻にしてリーチ。

このとき達也は、ホンイツ、またはホンイツ七対子どちらにしろリャンシャンテン。
 ツモ→打
いずれは通っている字牌のトイツを切って回っていくだろうと思われた。
伊達は同巡に、
 ツモ
と、追いつく。もちろん切りでリーチ。

たろうも同じくテンパイするが、
 ツモ
マンズは打てずと見て、を抜いた。さすがである。このあたりがただの攻め屋とちがう。
シャンポンを選べば放銃、カンチャンならば純カラ。しかし七対子での復活なら勝ち目はある。

すると、いつの間にか達也が追いついた。
 ツモ
が二人に通っているのでを切るかと思われたが、だからこそを狙いに行った。が3枚見えでワンチャンスだったこともあるだろう。
だが、このが鍛冶田に御用。裏ドラがで7700。

1本場、再び鍛冶田が10巡目にリーチ。捨て牌は、

(ドラ
と、マンズ以外の情報をまったく与えていない。その点では強い捨て牌だ。
待ちは-のピンフ。
これに伊達が、

カンのまま、同巡リーチといった。どうせソーズに情報がない以上、待ち替えを待たずにこのままで喧嘩を売った。
ドラのが出ていなければヤミだっただろう。マンズの中に落とせる牌があるのだから。
2軒リーチに、達也はタンヤオ・イーペーコーでヤミ押し。

結果は15巡目に鍛冶田がを掴んだ。

東2局、ここまで押され気味のたろうが先制リーチ。しかし、
 ドラ
リーチのみ、ドラ待ちペンチャンとさえない。しかもリーチ時点でヤマには残っていなかった。

13巡目、ドラの仮テンだった伊達がを引いてピンフに受け変え。
 ツモ→打
しかし、たろうに通ったをすでに切っていてフリテン。
こうなると、第3のテンパイ者にアガリが巡ってくる。

14巡目、親の達也、
 
ここにロン牌が出ていかない引きでテンパイし、即リーチ。たろうが一発でを掴んで親マン。(裏ドラ

配信画面には「達也キターッ」の文字が踊ったが、この後がさえない。
南1局、ダンラスのたろうがリーチ。
 ドラ カンドラ

ポン、暗カンとしていた親の鍛冶田はこのときまだテンパイしていなかったが、数巡後に追いついた。
 ポン 暗カン

達也ものチーテンを取っていた。
 チー
を勝負した達也、次に掴んだも止まらず、親マン(3翻60符)放銃。

達也本人はこの局を勝負所としたのだろうが、見ていた限りでは、この半荘ドタバタの印象である。
そんな達也を横目に伊達は冷静。ラス前の親番で2000オール。
 リーチツモ ドラ 裏ドラ
三色は望みすぎとしても、タンピン一歩手前の手。もっったいないが、局面と照らし合わせればリーチが正解。
しかし、これがタンピンで間に合うようになれば伊達が爆発するだろう。まあ、そう簡単にいかないのが決定戦でもあるのだが。

この伊達のアガリで着順アップはあきらめたのだろう、1本場、達也はポンと仕掛ける。
すでにラスが怖い点差にもなっている。たろうのリーチが入ったが、難なく400・700ツモ。

オーラス、たろうがリーチ。
 ドラ
3メンチャンだが、ラス目ラス親のリーチには誰も向かわず、ツモれもせずに流局。

次局は鍛冶田が5巡目にピンフのヤミテンをアガッて、体型とは裏腹のスマートなフィニッシュ。

鍛冶田+79.3
伊達+8.6
達也△31.0
たろう△56.9

トータル 鍛冶田+79.2 伊達+5.4 達也△6.9 たろう△77.7 

 

〔4回戦・伊達−たろう−達也−鍛冶田〕

東1局、前回のデカトップで気をよくしている鍛冶田が押せ押せといった感で4巡目にリーチ。
 ドラ

これをたろうが6巡目に追っかけた。

ドラ待ち七対子。勝てる気などしなかっただろう。
たろうのこのリーチは、「こうなったらリーチしなきゃしょうがないだろう」といった類のものだ。

しかし鍛冶田のリーチ、達也がを1枚、伊達がを2枚持っており、たろうの手とドラ表を含めてヤマにはが1枚残っているだけだった。
対して、たろうのドラは誰も持っていなかったのである。
枚数では不利と思われたドラタンキ対リャンメンが実は3対1と有利。そして結果もその通りとなった。

13巡目に鍛冶田がを掴むと、裏ドラ表示牌にはがめくれた。
ここまでの3戦、沈滞ムードが漂っていたたろう、起死回生のハネ満である。

この1局がこの半荘のすべてであった。つまり、たろうの独壇場である。そして鍛冶田はまったくいいところがなかった。

オーラスを迎えてたろうは5万超え、あとの3人は2万点台、1万点台、数千点と満貫ひとつ分の差で色分けされていた。

これでは2着目の伊達はおとなしく2着キープに努めるしかなく、達也のドラポン、鍛冶田のトイトイ仕掛けのなか、
出アガリのきかないカンをヤミのままツモッて終了させた。

たろう+74.0
伊達+3.2
達也△25.3
鍛冶田△41.9

トータル 鍛冶田+27.3 伊達+8.6 たろう△3.7 達也△32.2

 

〔5回戦・たろう−伊達−鍛冶田−達也〕

鍛冶田は1回戦にトップを取ると2回戦ラス、3回戦もトップを取ると4回戦ラスだった。
おかげで4人全員が平たい状態でこの日の最終戦に突入した。
ここで気を吐いたのが達也。4回戦のたろうもそうだったが、ラス目に落ちたあとの反発力が素晴らしい。

ともかく、この半荘は達也のものだった。オーラスを迎えて達也は40500点持ち。
達也がラス親なので2着目の伊達と鍛冶田はハネツモでトップになるが(満貫直撃は不可)、
22100点、22000点とその差100点では2着争いに終始するだろう。

しかし、伊達がリーチ。
 ドラ
この手が前述した条件を満たすのは一発ツモかツモって裏1になったときだけである。

鍛冶田が追いつく。

せっかく伊達がリーチ棒を出して自分の下にいってくれたのだから、流局終了のケースを考え(達也は間違いなく手を伏せる)、
リーチに付き合いたくないはずだ。を切ってピンフのヤミにしたいところだが、は通っている。
鍛冶田はさんざん迷った末に切りリーチを選んだ。

結果は伊達が一発でを掴んで放銃。
伊達がリーチをしていなければ鍛冶田はおそらく打のピンフ受け。この結果にはならなかっただろう。
裏ドラはでハネ満のアガリ。めくられたを見た瞬間、達也はツモられずにホッとしたのではないか。

そして、伊達の放銃でラスをまぬがれたたろう。
4回戦以外は終始くすぶっていた印象だが、他力でのラス抜けが2回もある。その点ではツイていると言っていいだろう。

達也+60.5
鍛冶田+15.0
たろう△25.6
伊達△49.9

初日終了時トータル 鍛冶田+42.3 達也+28.3 たろう△29.3 伊達△41.3

トップを取った者に次戦ラス、または3着が押し付けられ、トータルでラスになった者が奮起してトップを取るという展開に終始している。
濃密な5回を戦いながら、結果は半荘1回に満たない点差しか付いていない。
この展開が続けば最終日まで白熱するだろう。
そして、いち観戦者としてそうなることを期待している。

(文・五十嵐 毅)

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