決勝までの道のりは
(1)一次予選
4半荘終了時のポイント上位約40%が勝ち上がり
(2)二次予選
2半荘のトーナメント、卓内上位2名が勝ち上がり
(3)本戦
3半荘のトーナメント、卓内上位2名が勝ち上がり
52名→28名→16名→8名→4名
一次予選からスタートすると、延べ18半荘を勝ち切った者が決勝の切符を手にする。
※二次予選〜ベスト16はシード者を加えての対局
決勝進出を果たした4名を紹介しよう。
■千貫 陽祐(せんがん ようすけ)
麻雀講師業の傍ら、雀王戦・雀竜位戦ともに上位リーグを長年維持している。
今年の雀竜位決定戦4位が記憶に新しい。
(プロ歴11年目・雀王戦A2リーグ所属)
■大浜 岳(おおはま がく)
現雀竜位で第4回オータムチャンピオンシップ優勝。
タイトル獲得後、連続のタイトル決勝進出となる。
(プロ歴17年目・雀王戦無所属)
■江崎 文郎(えざき ふみろう)
第15・16期雀竜位。
オータムでは初の決勝となる。
(プロ歴7年目・雀王戦B1リーグ所属)
■松本吉弘(まつもと よしひろ)
Mリーグ渋谷ABEMAS所属・第25期發王位。
配信対局の経験の多さが他三者より有利に働くか。
(プロ歴8年目・雀王戦A1リーグ所属)
一発・裏ドラなし、オカはなく順位ウマは5-15
我々協会員の主戦場であるルールとは異なり、より競技性の高い麻雀が求められる。
バッチバチの叩き合いのような展開は少なく、我慢や胆力の勝負といったイメージで観ることになるだろう。
それは秋の実りを慌てず騒がす収穫する如く。
一枚のドラの価値が高く、手役・打点効率に寄った手牌進行となる。
順位取りと同じくらい素点が重要であるため、一度の失点が命取りになったり、聴牌料で九死に一生を得ることもある。
ベスト8のスコアを見ても、勝者と敗者の差は10000点ほど。
これが決勝戦であったなら、『タイトル獲得』と『負け』の差はたったの1000点である。
一回戦目は各選手の持ち点の出入りを意識しながら見ていこう。
■一回戦(大浜-千貫-江崎-松本)
東場は松本があがり倒した。
開局早々、メンタンピン高めイーペーコーをリーチするも1人テンパイ。
東2局、東3局は仕掛けてのアガリで加点を続けた。
東3局、大浜の手牌進行。
この直後に千貫から出たをスルー、四暗刻の一向聴まで育てた。
このルールでの役満は通常ルールの比ではないほどの破壊力である。
果たしてからだったら1枚目からポンの声が出ただろうか?
1枚目のだったら?
このような場面でも仕掛けるかスルーか、どこからなら仕掛けるのか?
各選手のバランス感覚にも注目したい。
南1局、千貫が役なしテンパイから仕掛ける。
ポンで打、ポンで打。
ここから仕掛けるということは、この見えざる7枚はシャンテン数を戻してでも仕掛ける価値のある7枚であるということである。
この手牌リフォームが実り、松本から高目のを捉え満貫のアガリとなった。
しかしこの初戦、トップを取ったのは江崎だった。
リーチプラス1翻のために打、を引き入れリーチ。
仕掛けた千貫も追いつくが、一枚もドラが見えていない。
千貫が危険牌で撤退している間に江崎が2600オールをツモアガりトップ目に立つ。
ツモ
オーラス1本場ではタンヤオで仕掛けるも、千貫と大浜からのリーチを受けてこの形。
上家から出るに長考の末ではなくでチーし打。
見事のツモアガリでフィニッシュ、気持ちよく初戦を終えた。
アガリのチャンスがなかった大浜だが、目立つ放銃もなく素点を大きくは減らさずの4着。
アガリ加点が満貫の放銃で帳消しになってしまった松本が3着。
放銃は無かった千貫と江崎だが、親番での大きなツモアガリの差が出て江崎がトップで千貫が浮きの2着。
普段の協会ルールの対局を見慣れている方には、局数も少なく物足りない半荘に思えたかもしれない。
こんな落ち着いた展開こそが秋の風物詩オータムチャンピオンシップである。
いやいや。
役満が飛び出たり、数年前のダブリー倍満なんてドラマのワンシーンのような局が見られるかもしれない。
うん、やっぱり決定戦は何が起こるかわからない。
与えられた牌とツモのどこに実を付け、どのように収穫ができるのか。
全選手の動向に目が離せない。