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日本プロ麻雀協会、関西所属協会員による西日本最強決定戦。
「ウェスタン・チャンピオンシップ2010」開催。

最終ポイント成績

順位
名前
TOTAL
1回戦
2回戦
3回戦
4回戦
5回戦
1
一北 寛人
123.5
58.2
13.5
-14.8
58.4
8.2
2
芦高 ショーゴ
22.7
-18.8
74.2
9.8
-10.6
-12.3
3
浅田 忠芳
48.5
-46.1
-21.5
54.6
11.0
-46.5
4
西園寺 あにめ
-117.3
6.7
-66.2
-49.6
-58.8
50.6

決勝観戦記

今回で2回目の開催となる関西協会員のタイトル戦。
シード権のないこの大会、前回の決勝進出者は1人も残っていない。
今回の4名はどのような戦いを繰り広げるのであろうか。

決勝進出者紹介

芦高 ショーゴ
「天下御免のむこうハゲ」

決勝戦の日は散髪し髭もきっちり揃えてやってきた。
本人に曰く「身を清めないとね」とのこと。
ちなみに浅田も散髪して来た。
2人とも写真写りでも気にしているのだろう。
ちょっとかわいいところのある2人である。
打ち筋は捌きアリ、変な技もたまにアリのしぶといタイプ。
押せるところでしっかり押せるのが持ち味。

 

一北 寛人
「神戸のイーペー」
関西本部長

別にイーペーコは好きじゃなく普通とのこと。
この男より七対子が好きな人がいるのだろうか。
打ち筋は牌効率を重視し、若干守備的でメンゼンの多いタイプか。
いつもは運営など裏方に徹する男は、今回が初の晴れ舞台。
メンタルが弱いので、緊張に負けないよう押せる局面は押したいとのこと。
ちょっとした美食家であり、食へのこだわりは協会随一か。

 

浅田 忠芳
「ナニワの捌き屋」

あさちゅうとみんなから呼ばれる冷静沈着な男。
プロアマ混合のリーグ戦で優勝したこともある打ち手。
淡々と冷静に打牌をし、オーソドックスな打ち方をする。
一北も浅田も10年以上前から筆者と京都で麻雀を打った仲である。
あの頃の打ち方とどのように変わっているのか見ものである。
仕事柄、パソコンにはとても詳しい。
この観戦記を書くにあたってもちょっとサポートしてくれた。

 

西園寺 あにめ
「まじかるあにめ」

あにめの愛称で呼ばれる人気者。
胸元を大胆に開けた服装で関西協会員を魅了する女。
それが作戦かどうかは謎である。
会場へ行く道で彼女と出会ったが、緊張で3回も目が覚めたとのこと。
そんなに緊張するようには見えないので少し驚きである。
決勝戦唯一の女性がいったいどのような戦いを見せてくれるのか。

 

★1回戦★
起親から浅田・一北・芦高・西園寺

東1局
一北が最初にテンパイ、役なしである。
ダマで手変わりを待ち、高め三色の三面張にしてリーチを打つ。
芦高も浅田もダマでテンパイをしている。
ここは勝負と2人ともツモ切りで追っかけリーチをする。
結果は一北が高めを一発でツモって3000・6000。
一北が大きなリードを得た。
一北(南家)
 ツモ ドラ 裏ドラ

東3局
場は重たい。
終盤にテンパイした芦高が西園寺から3900点をアガる。
芦高(東家)
 ロン ドラ

1本場は西園寺が一通ドラ1を浅田からロン。
西園寺(南家)
 ロン ドラ

東4局
さらに西園寺が親番で浅田のリーチ宣言牌をとらえて3900点をアガる。
西園寺(東家)
 ロン ドラ
四暗刻への手変わり&現状のテンパイはダマのほうが出やすいというのはあるが、
リーチをかけてどちらが出ても7700以上、ツモなら4000オール以上にするべきだと筆者は思うが
皆さんはどう思うだろか。

南1局
南入して浅田4400点・一北41000点・芦高23900点・西園寺29500点となっている。
流れ2本場で親の浅田がリーチ。
テンパイが入った芦高が勝負して7700点を放銃する。
芦高(南家)
 ツモ 打
浅田(東家)
 リーチロン ドラ 裏ドラ

3本場は芦高がダマで西園寺から3900点。
芦高(南家)
 ロン ドラ

南3局
1本場で西園寺のリーチに一北が追っかけリーチ。
を鳴いている親の芦高は、一北の切ったもポン。
結果は芦高が7700点を一北からロンアガり。
一北は山に1枚しかない(自身2枚使い)ドラのを掴んでしまう。
一北の表情からは「負けるか〜…」と声が聞こえてきそうであった。
芦高(東家)
 ポン ポン ポン ロン ドラ

3本場で一北が2巡目リーチ。
芦高は安全牌がないなら勝負だと前に出る。
結果、芦高がドラを鳴き、切った牌で8000点の放銃。
筆者なら鳴かないで、安全牌を引かなければ比較的安全なを切る。
しかしオリ打ちがあり得るので、これは意見の分かれるところだろう。
芦高(東家)
 チー 打 ドラ
一北(北家)
 リーチロン ドラ 裏ドラ

南4局
浅田13900点・一北36900点・芦高22500点・西園寺26700点となっている。
早々とが暗刻の一北がをポンしてイーシャンテン。
浅田もチャンタのイーシャンテンだったが、一北がをチーしたのち芦高から1300点のアガり。
一北(西家)
 チー ポン ロン ドラ
1回戦は一北が逃げ切り、トップとなった。

一北 +58.2
西園寺+6.7
芦高 △18.8
浅田 △46.1

 

★2回戦★
起親から一北・西園寺・芦高・浅田

東1局
4巡目に芦高がチートイツでリーチ。5巡目に一北もチートイツをテンパイし、長考後にを横に曲げて追っかける。
これに対し西園寺が一発でを放銃して9600点を献上してしまう。
一北(東家)
 リーチ一発ロン ドラ 裏ドラ

東2局から東4局は、さほど点棒移動せずに南入へ。
南1局
点棒状況は一北39000点・西園寺11000点・芦高25500点・浅田24500点となっている。
芦高がオタ風のをポン。そこへ親の一北からリーチが入る。
芦高はをポンして小四喜のイーシャンテンまでいくも、一北がをツモって4000オール。
一北(東家)
 リーチツモ ドラ 裏ドラ
これで勝負あったかに見えたが、芦高が驚異の粘りをみせる。

南3局1本場
13巡目に親の芦高がリーチをかける。
早い巡目でのテンパイを高めタンピンリャンペーコにまで仕上げてリーチである。
浅田も同巡に追っ掛けリーチをする。
西園寺の鳴きにより芦高の一発ツモ牌が浅田に流れる。
流れた牌はで、芦高が浅田から12000点のアガり。
西園寺の上家である一北は、芦高のリーチ一発目に現物のを切らずに、
あえて下家の鳴けるを切ることにより6000オールを防ぐファインプレー。
対局後に芦高は一発ツモの自信が結構あったので、あの巡目にツモ切りリーチをしたと語っていた。
芦高(東家)
 リーチロン ドラ 裏ドラ

2本場、西園寺のリーチに芦高が押す。
西園寺の現物でテンパイして一北から1500は2100点を直撃。
これであと4000点差となった芦高は3本場で一北のリーチを受ける。
芦高はまたもや押すことを選択。
結果は、一北から2000は2900点のデバサイでトップに立つ。

一北の5巡目、
 ツモ ドラ
が2枚切れのためピンを1枚外してピンフテンパイを目指すが、
次巡裏目の引き。これを空切りし将来的にペンリーチを打ちやすいように備える。
普段はあまり先手の愚形リーチを打たないだけに珍しく思い聞いてみると、
やはり連荘で精神的に追い詰められていたそうだ。

4本場は一北・芦高・浅田の3人テンパイの状況で、またもや勝ったのは芦高。
一北から5800は7000点の連続デバサイ。
芦高(東家)
 ポン ロン ドラ

南4局
一北33500点・西園寺△2300点・芦高50300点・浅田18500点でのオーラス。
オーラスは芦高があっさり2000点をアガり、大きなトップで終了した。

一北+13.5 西園寺△66.2 芦高+74.2 浅田△21.5

2回戦終了時トータル
一北 +71.7
芦高 +55.4
西園寺△59.5
浅田 △67.6

 

★3回戦★
起親から浅田・一北・西園寺・芦高

東1局
一北のリーチに親の浅田が追いつきリーチ。
結果は浅田のツモアガりで2000オール。
浅田(東家)
 ツモ ドラ 裏ドラ

東3局
芦高が西園寺から5200点。
芦高(南家)
 ロン ドラ

南入の時点での点棒状況は、
浅田33300点・一北25600点・西園寺15200点・芦高25900点。

南3局
芦高の1人ノーテンで流局して1本場。
親の西園寺がをポンしてテンパイ。
そこに芦高からリーチが入る。
西園寺は一発で芦高の当たり牌を掴んでしまい放銃。
芦高(南家)
 リーチ一発ロン ドラ 裏ドラ

南4局
浅田33300点・一北26500点・西園寺10400点・芦高29800点。
芦高がドラのオタ客風をポンしてピンズのホンイツに向かうも、すでにテンパイの入っていた浅田が一北からアガり、トップで終局。
浅田(北家)
 ロン ドラ

浅田+54.6 一北△14.8 西園寺△49.6 芦高+9.8

3回戦終了時トータル
芦高 +65.2
一北 +56.9
浅田 △13.0
西園寺△109.1

 

★4回戦★
起親から芦高・浅田・一北・西園寺

東1局
親の芦高が2900・3900・1500と3連続のアガり。

東3局
1本場でまたもや芦高が西園寺から5200点をアガる。
芦高(西家)
 ロン ドラ

南入して芦高36100点・浅田21600点・一北24200点・西園寺18000点。
南1局
芦高・浅田の2人テンパイで流局。
1本場で西園寺がリーチし、浅田もリーチし追っ掛ける。
芦高もテンパイしており2件リーチに果敢に攻める。結果は西園寺の1000・2000ツモ。
西園寺(北家)
 リーチツモ ドラ 裏ドラ

南2局
一北が8巡目にリーチをかける。
それに対して親番を死守したい浅田もリーチをかける。
芦高もテンパイして勝負にいくも一北に痛恨の放銃。
一北(南家)
 リーチロン ドラ 裏ドラ

南3局1本場
浅田のリーチに対して、親の一北がを強打。
筆者は西園寺と芦高の後ろで見ていた。一北はおそらくテンパイもしくは高い手のイーシャンテンだと思った。
一北の手牌が見えない観戦者はおそらく全員そう思ったであろう。
そんな状況で西園寺が浅田の現物を打つ。
これが一北に咎められて12000点の放銃。
西園寺はやってしまったという表情をするも、すでに遅し。
この点棒の移動により一北がトップに躍り出る。
一北(東家)
 ロン ドラ

南4局
芦高33700点・浅田13100点・一北42700点・西園寺9500点でのオーラス。
芦高は満貫のツモアガりで一北をまくる。
浅田は2着を狙いたいが、厳しいので大きな手で素点を稼ぐべきか。
一北はこのまま逃げ切りたいところ。
西園寺は連荘をして点棒を稼ぎたい。
そんな思惑が交差する中、浅田の手牌が大物手に変わっていき4000・8000のツモアガり。
浅田(西家)
 ツモ ドラ

後で、浅田に聞いたところ2着以上にならないアガりは全部スルーしていたとのこと。
点棒状況の確認のためにボタンをカチャカチャすることは一度もなく、きちんと最終戦に向けてのポイント差を認識している。
倍満のアガりが出たが、4回戦は一北がトップで終了した。

芦高△10.6 浅田+11.0 一北+58.4 西園寺△58.8

4回戦終了時トータル
一北 +115.3
芦高 +54.6
浅田 △2.0
西園寺△167.9

 

★5回戦★
起親から西園寺・一北・浅田・芦高

ついに最終戦が始まった。
一北は芦高より着順が上なら優勝である。
芦高1位で一北2位なら20700差以上で芦高が優勝。
芦高1位で一北3位なら700差以上で芦高が優勝。
浅田は一北をラスにしてトップを取らないと厳しい状況である。

東1局
トータルトップ目の一北がダマで1300・2600ツモスタート。
一北(南家)
 ツモ ドラ

東2局
西園寺のリーチに対して、芦高が長考している。
そしてを切って追っかけリーチ。
西園寺のカンによって一発は消えたが、芦高がをおもいっきり叩きつけてツモ。
まさかのフリテン追っかけリーチ。この男カッコ良過ぎである。
しかし、ドラは乗らずの1300・2600ツモであった。
芦高(西家)
 リーチツモ ドラ 裏ドラ


ちなみにこの時、裏ドラは
つまり「一北」。
この瞬間に採譜者は採譜用紙に「一北」と記入したわけで、一北の優勝を確信したとかしなかったとか(笑)

東3局
西園寺の先行リーチに親番を死守したい浅田が12000点の放銃。
西園寺(西家)
 リーチロン ドラ 裏ドラ

西園寺33100点・一北25100点・浅田14600点・芦高27100点の状況で南入した。
南1局
西園寺の親リーチに芦高が押して値千金の2600点の直撃。
芦高(北家)
 ロン ドラ

南2局
親の一北が5800点のアガりで一度は2着に浮上するが、1本場で浅田がチートイツツモの1600・3200。
これによって一北が再び3着に転落。
現状、芦高→西園寺→一北→浅田の並びで、トータルトップは芦高。

南3局
一北が浅田から1300点。これで一北がトータルスコアで芦高を逆転した。
 リーチロン ドラ 裏ドラ

最終局
東2局の裏ドラ「一北」の流れがあったのか、最終局も一北が逃げ切って終局。

西園寺+50.6 一北+8.2 浅田△46.5 芦高△12.3

最終スコア
一北 +123.5
芦高 +22.7
浅田 △48.5
西園寺△117.3

 

一北の優勝コメント
「プロ10年目で初めて決勝戦に残ることができました。
今年はリーグ戦も降級し、麻雀に関してはあまり良いことがなかったですが、最後に良いところが魅せれたらいいなと思っていました。
なので、優勝できて本当に良かったし、嬉しいです。
去年と今年は働いている麻雀店で大会の優勝者が良く出ていたので、もしかしたら優勝できるのではないかと思っていました。
まぁオカルトですけどね。
来年はリーグ戦でも良い結果を残せるように頑張ります。
どうもありがとうございました。」

一北は5回半荘を戦う中で、一度も弱気な姿勢を見せることなく、押すべきところでキッチリ押せていた。
これは決勝前に宣言していた通りであり、流石である。
一北寛人、本当に優勝おめでとう!

そして2年越しの自演乙!!!

(文:堀 良三)

→準決勝以下の成績はコチラ

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