順位
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名前 |
TOTAL
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1日目
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2日目
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3日目
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最終日
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1
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鈴木 達也 |
245.5
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63.4
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151.8
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30.7
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-0.4
|
2
|
小倉 孝 |
179.9
|
-45.4
|
-59.9
|
91.9
|
193.3
|
3
|
崎見 百合 |
-181.0
|
-16.8
|
-27.3
|
-10.8
|
-126.1
|
4
|
須田 良規 |
-250.4
|
-2.2
|
-65.6
|
-113.8
|
-68.8
|
【1日目観戦記】 2日目観戦記 | 3日目観戦記|最終日観戦記
決定戦で行われる麻雀とそれ以外の麻雀、根本的に異なる点がある。
それは「決められたスパンの中で1位を取る」ことが唯一の達成目標なこと。
巷で行われる麻雀ならば、同じ順位のままにしても、素点であるとか祝儀であるとか、順位以外の達成目標が存在し、
またその回の結果が一定のスパン内の他の回の内容に影響を与えることはないことが多い。
が、決定戦では、決められたスパンの中での成績が+200だろうが+300だろうが、最終的に2位では目標達成とはならないのである。
本来、麻雀とは「その日の決め(ルールや方式)」に応じて自分が思う最善手を選択していくゲームであるが、
この「決定戦の決め(頭取りゲームとでもいうか)」は、決定戦というものが衆目の中で行われることもあり、
経験を積まないとなかなか思うように自分の意思決定に反映できないものである。
私は、各種の決定戦を観戦するにあたり、そのメンバーを見渡しいろんなことを思い浮かべる。
「各選手のキャラ」
「各選手の決定戦の経験の有無」
「(経験がある選手に関しては)その時の出来事」
そして
「優勝経験の有無」
「1度の決定戦進出で1度の優勝」それだけで必ずしも「優勝はないが何度も決定戦に出ている」ことに勝るとは断言できないが、
優勝経験というものはそのぐらい大事なものであると考える。
今回の本決定戦のメンバーを見渡す。
小倉孝(現雀王、第3・4期雀竜位)
須田良規(第5期雀王)
崎見百合(第3・6期女流雀王、第4期プロクィーン)
鈴木達也(第2・6期雀王)
当会史上初の「優勝経験者4名による決定戦」である。
それぞれが、この「頭取りゲーム」の戦い方をキャラに反映させることに慣れている4名。
今年の決定戦は例年以上に純粋に、「頭取りゲーム」の戦いを楽しむことができそうである。
それでは全20回戦(4日間)の初日の模様を振り返ってみることにする。
★第1回戦★(小倉→鈴木→崎見→須田)
東1局にリーチ棒つきで8000を和了した鈴木。迎えた東2局の親番で次の手牌。
鈴木(荘家、6巡目)
ツモ ドラ
「ファンタジスタ」と呼ばれる鈴木。
出和了でも最低限の打点を確保することを前提に手牌を進行させていることが多く、伸ばせる手を最大限に伸ばしてくる打ち手。
とはいえがむしゃらに手を伸ばすのではなく、相手の気配・動向に敏感に反応し、 手牌を妥協するポイント、引き際の見極めもかなり優れた打ち手である。
さて上記の手牌、私の鈴木の打牌予想は。
一応ここからの進行の候補は3通りだと思われるが
A)打でテンパイ取る
B)打でテンパイ取らず
C)打でテンパイ取らず
親番で役アリのテンパイ取らずをするのは、とても抵抗のあることだと思われる。
標準的なテンパイ取らずは打で次の形。
でピンフのテンパイが取れ、その内3種が高目三色。を引けばタンヤオに伸びる。
しかし、私は鈴木のキャラから考えてもっと大胆なテンパイ取らずである打を予想していた。
こちらだとイーペイコウを壊さず、尚且つ高目三色でタンヤオまでつけることができる。
相当に強欲な選択。
しかし予想に反して鈴木の選択は打。
東1局に8000を和了し親番。まだそんなに大きなリードでもない。
イーペイコウが確保されているので、ノベタンリーチでもそこそこの打点になる。
速さも重視し、リードを広げるためにはこの選択が無難にも見える。
結局、次巡にツモで待ちかえリーチ。
見ていて「微妙な感じだなぁ」というのが本音。
打のテンパイ取らずなら
のリーチとなっていたわけで
それが
となってしまったのであるから。
結局一人旅となったこのリーチ。13巡目にをツモ和了。
しかしその直前の12巡目のツモ牌は。大魚を逃した感は否めない。
東2局1本場に和了したのは崎見。
まだ何もあわてることのないこの局面。普段通りの手牌進行で序盤が進む。
私が考える彼女の手牌進行の性格?は
「牌理にはある程度従い、見える手役には可能性を残す」
「色に寄せる手順が多い」
こんな感じか?よって、色寄せがない局についてはいわゆる「6ブロック」の進行を好むように見える。
麻雀の和了形とは特殊役をのぞき「4メンツ1雀頭」であるため「メンツ候補と雀頭候補」で計5ブロック必要である。
しかし、メンツ候補の中には「ペンチャン」などの不十分な形もあるため、 早い時点で「5ブロック」の候補を固定せずに「6ブロック」で進行させることもある。
この局の進行はまさにそんな感じ。
崎見(南家、4巡目)
ドラ
ここから打とした。
「5ブロック」あればよい、という考えに基づけばここは当然の落としである。
だが789の三色も見えており、の受け逃しは非常に痛い。
よってここはこのを残し、をほぐすことにより「6ブロック」での進行としたと思われる。
さて、打と打の現状の比較についてだが、
打だと、の2度受け固定となってしまうので打の方が河もおとなしくなりベターな気もする。
結局この手はこんな最終形でおさまった。
崎見(南家)
リーチ ロン ドラ 裏
鈴木、崎見がリードして南場に入ると、ようやく須田にも出番が出てきた。
南1局、須田(北家、7巡目)
ドラ
ここから打。場にはソウズが高く、特に変則手の様相も伺えない状況で、場にはが2枚落ちており、
には自信を持ってよさそうである。
メンツ手だけで進めてもは受け入れられるのだが、打ならば七対子のイーシャンテンでもあり、
場に高いソウズを拒否してマンズの重なりを期待する方が早いと踏んだか?
結局12巡目にを引いてリーチとしたが、崎見にさばかれて成就ならず。
本来須田は仕掛けを多用するタイプと見ている。
もっともここまでの須田はまったくといっていいほど、仕掛けることができる手牌・状況になっていないのだが、
そのような状況下において、この日の須田は上記のような「縦」を意識した手牌進行を多く見せた。
「横」の手牌進行に比べ「縦」の手牌進行は受け入れ枚数が少なく、和了につながりにくい印象があると思われる。
しかし「縦」の進行はリーチをかけて和了できた場合、複数枚の裏ドラが乗る可能性があり、その際の破壊力はとても大きい。
南1局は成就しなかったものの、南2局に先行リーチの鈴木から3900を和了して迎えた南3局、
須田はまたしても「縦」を意識した進行で大物手を成就させる。
須田(南家)
ツモ ドラ 裏
序盤は123の三色を意識した進行であったが、を暗刻にしたところで、方向転換。
をはずして10巡目にリーチとすると、12巡目に上記の和了。裏ドラの方をツモって4000・8000。
トップ目鈴木に肉薄するところまできて親番を迎えた須田であったが、オーラスは崎見があっさり和了してそのまま終了となった。
(1回戦終了時)
鈴木+60.1 須田+18.9 崎見▲19.6 小倉▲59.4
★第2回戦★(須田→崎見→鈴木→小倉)
1回戦は序盤からマンガン2つを放銃するなど、いいところなくラスであった小倉。
だが私の印象では、小倉は放銃の少ない打ち手というイメージだ。
さらには自分の手牌と放銃リスクとの兼ね合いが良く、また和了に結びつけるための手牌進行も優れている。
2回戦は打点こそ今ひとつであるが、手数でリードして迎えた東4局の親番、須田から下記の和了。
小倉(荘家)
ロン ポン ドラ
これで持ち点は45000越え。
一息つけそうな状況かと思いきや、今放銃したばかりの須田がまたしても「縦」の進行で逆襲にかかる。
須田(南家、9巡目)
ドラ
ここから打としている。状況はというと北家小倉がポンでピンズのホンイツ傾向。
場にはとが2枚ずつ見えていては初牌。
基本的な手順なら打とするところだが、が頼りないというよりは「縦」の手役(この場合は三暗刻)を意識した進行ということもあるだろう。
2巡後にを引き入れてリーチとした須田。
メンチンのイーシャンテンとなった崎見からを出和了すると裏ドラはで8000。
さらに須田の攻撃は続く。南1局の親番。4巡目に下記の牌姿とすると、
須田(荘家、4巡目)
ドラ
あっさり2巡後にを引き入れてテンパイ。慎重にヤミテンに構えロン和了。
いかにも簡単そうに書いてしまったが、私は意外とそうでもないだろうと思う。
なぜかというとこの手牌、5巡目にをツモってきていて、須田はそれをツモ切っている。
現状、トップとは24000点ぐらい離れていて3着目。2着とは3000点差ぐらい。
一撃でトップに並ぶのを狙うより、いったん「そこそこの打点でよし」としてもよさそうで、 最低限のタンヤオもしくはピンフ(両方も可能)を確保して、受け入れの広い完全イーシャンテンに受けたくなる打ち手は少なくないはずだ。
続く1本場。2局連続の大物手を決めトップが見えてきた須田。
10巡目の小倉の先制リーチ、さらに2巡後の鈴木のリーチにもひるむことなく応戦。
13巡目にテンパイすると、両者の現物待ちにもかかわらずリーチ。
須田(荘家、13巡目)
ドラ
しかしここを制したのは鈴木。このゲームはここまで他家の猛攻に防戦一方。
我慢の甲斐があったとばかりの気合いのこもった「ツモ」発声、2000・4000。
鈴木(西家)
ツモ ドラ 裏
これで3者の持ち点状況は
小倉 42800 鈴木 34800 須田 28700
行方がわからなくなってきた。
南2局はさらに鈴木の攻撃。
4巡目イーシャンテンから手牌が伸び打点が高くなって10巡目にリーチ。
鈴木(南家)
ドラ
当会のルールは25000持ちの30000返し。いわゆるオカのあるシステムである。
これはフリー雀荘でよくあるシステム。
2着と3着、3着と4着に比べ、1着と2着の差はオカの分が加算されるので着順でいえば2つ分の差がある。
ゆえにトップ争いはとても重要であり、現状トップ目の時に、
他家の攻めに対してどの程度押すか引くかがトータルの成績に大きく影響してくると思われる。
個人的には
A)マンガンツモで捲くられる点差なら押す
B)マンガンツモでは捲くられないがマンガン直撃では捲くられる点差なら引く
C)マンガン直撃でも捲くられないなら押す
を一つの基準にしてよいかと思う。
最も昨今のフリー雀荘は赤牌等の懸賞牌が多いので高い手ができやすいことはきちんと考慮して頂き、
また上記は一つの基準であって、自分の手牌との相談の方が重要であることもお忘れなく。
話は脱線したが、この時点で小倉と鈴木の差はちょうど8000。
二人とも親を残しているので、そこまで慎重に考えるケースではないが、
小倉からしてみれば「できることなら放銃は避けたい」と考えていたはず。
しかし結果は小倉の放銃(5200)。鈴木の河は情報が少なくいわゆる「強い」河。
比較的安全そうな部分に手をかけたのだが…。
そんな放銃の後に冷静に手牌を進行できる打ち手は少ないと思われる。
しかしついに鈴木にトップ目を譲ってしまった南3局、小倉が冷静な進行で再逆転に成功する。
今さら言うまでもなく小倉は強い打ち手である。
私が小倉の麻雀を見ていて心から「すごい」と思うのは、「和了につなげるためのより良い形への変化を常に模索している」ことだ。
小倉(南家、3巡目)
ツモ ドラ ここから小倉は打。愚形のマンズから「より強いターツ」を作る種としてを残す。次巡ツモ。
マンズがリャンカンとなったが、まだ上記の理由で打とする(引きで好形になるので打より打の方が良い)。
次巡ツモで打。
次巡ツモで打。
場況的にはソウズが高くなりそうな気配もあって打として、の受けを残したくもなるところだが、
イーペイコウが見えていること、とが振り変わった際の仕掛けられる牌種が多いことを考えると、打の方が標準的な選択といえる。
A)打の牌姿
B)打の牌姿
そしてしばらく後ツモで打のリーチ。
最終形は次の形。
小倉(南家)
ロン ドラ 裏
途中須田のリーチを受けていることもあり、小倉と同じようにこの局を制することができる打ち手は少ないと思われる。
この和了で再度トップ目に立った小倉がこのゲームを制し、先ほどのラスを帳消しとした。
(2回戦終了時)
鈴木+76.2 小倉+3.1 須田+1.1 崎見▲80.4
★第3回戦★(崎見→須田→小倉→鈴木)
崎見から鈴木に8000。須田から崎見に5200の移動で迎えた東3局。
須田が三色を決める。
5巡目にイーシャンテンとした後の8巡目にツモときて次の牌姿。
須田(北家、8巡目)
ツモ ドラ
場には2枚。ここで打。2巡後ツモときてリーチでを出和了した。
これだけ見るとやはり簡単なことのように思われてしまうであろうが、
肝要なことはイーシャンテンの際に「手牌が伸びる種であるを残している」ことである。
よくリャンメンターツ二つでのイーシャンテンでこのようなを切ってしまい、
安全そうな牌に持ち替えてしまうのを見かけるが、それではこういった和了はとれまい。
実際須田は途中で場に2枚切れのをツモってきているがツモ切っている。
フーロ率が高く、なかなか門前のこういった進行を拝見する機会がなかったが、さすがにきっちりしている。
思うとおりの進行に気を良くしたか、次局須田が今日初めての仕掛けを繰り出す。
東4局 須田(西家、6巡目)
ポン ドラ
ここから打。次巡すぐにをチーしてテンパイするのだが、打点はまずまずだが待ちは良いとはいえず、好形への変化もしない。
あんまりいい気はしていなかったとは思うが、ここに小倉がリーチで須田が3900放銃。
今一つ波に乗れないといった感じ。
さてゲームは鈴木のリードで南入。
さきほどもそうなのだが、鈴木が和了した点棒がなかなか削られていかない。
これだけ流局が少ないのも珍しいが、鈴木以外の和了がほとんどロン和了なのも珍しい。
鈴木が手のまとまっていない時はきっちりおさえているからというのもあるのだが。
東1局に和了した8000を丸々持ったまま南1局にチャンス手が入る。
鈴木(北家、1巡目)
ツモ ドラ
なんですか?これは。タンヤオ確定、イーペイコウ完成、七対子にもなるイーシャンテン
しかもドラドラときた。
ここから打として、4巡目にを暗刻にしてあっという間にテンパイする。
、はヤマに5枚生き。
しばらく鈴木のツモ切りが続き不穏そうではあるものの、他家はとりあえず自己都合で手牌を進めていく。
そして10巡目にテンパイの入った崎見が即リーチ。
崎見(荘家、10巡目、ドラ)
待ちの、はなんとヤマにはすでに1枚しか生きておらず、しかも出ていかない形で鈴木と小倉にがっちりと組み込まれている。
そして先にテンパイしている鈴木の、はヤマに相変わらず5枚生き。
文脈からしてこの局に和了したのが鈴木ではないことは容易に推測できると思われるが、崎見が14巡目にツモ和了。
裏が乗って2600オール。
ここまでトータルラス、このゲームもラス目であった崎見の和了、本人もほっとしたにちがいない。
それとは対照的にチャンス手をものにできなかった鈴木の苦々しい表情が印象に残った局であった。
一息ついたとはいえ、まだ3着目の崎見。この親番での加点のために必死の連荘を目指す。
700は800オール。2人テンパイ。
大きな得点の連荘ではないものの、確実にトップ目鈴木との点差を詰め、ほぼ並びのところまでもってきた。
少し重苦しい連荘ムードを断ち切ったのはこのゲームラス目にされている須田。
須田(南家、10巡目)
ドラ
ここに上家からが切られ仕掛け始める。
は場に1枚切れ、が2枚切れ、も2枚目。
危なくなったらいつでもオリに回ることができそうであり、うまくいったらラッキー程度。
結局、さらにをチーして(さすがにこの2フーロをしてしまっては和了は期待していなかったであろうが)をツモ和了。
こんな和了でも、供託とあわせて3900の収入。
まだラス目とはいえ23100点持ちまできた。
上から下まで4200差の大接戦。この混戦を抜け出したのは鈴木。
好配牌からスムーズに進行し、7巡目にテンパイ即リーチとして10巡目にツモ和了。
鈴木(西家)
ツモ ドラ 裏
結果的にこれが決勝点となってこのゲームは鈴木のトップで終了。
(3回戦終了時)
鈴木+132.3 小倉▲13.5 須田▲44.6 崎見▲75.2
供託+1.0
★第4回戦★(鈴木→崎見→須田→小倉)
冒頭でも述べた通り、決定戦の戦いとは「頭取りゲーム」である。
選手によって、どの程度から「独走阻止」を考えるかは様々なのだが、
どうやら今回のメンバーでは須田が最も早い時点で、この思考があったと思われる。
3回終わって鈴木の一人浮きで3桁プラス。
「トップを取らせたくない」だけではなく、親番をゆっくりやらせるのも阻止しに行っていたようにも見えた。
東1局の鈴木の親リーチをチーテンでさばき、さらに続く東2局の鈴木のリーチにも果敢に追っかけリーチして、2600を討ち取った。
この時の鈴木のリーチは両方ともそこそこの打点をともなっていて(片方は高目三色)不発は結構痛いもの。
さらに須田、東3局の親番。1500、1300オール、1人テンパイで連荘。5局連続の収入で持ち点は38300。
さらに東4局にも2件リーチとのめくりあいに勝利。
須田(北家)
ロン ポン チー ポン ドラ 裏
仕掛けが多くなりそれが和了に結びつくようになってきた。完全な須田ペース。
東場はいいように須田にやられた感のある3者。
東場で唯一の須田以外の和了は東3局3本場、須田の親を落とした鈴木の6400だけ。
これに放銃したのが小倉で、3者の並びは鈴木→崎見→小倉となっている。
まだ南1局ではあるが、今回のトップは須田に譲ったとしても崎見、小倉とすれば「最低でも鈴木よりは上に行きたい」ところだろう。
そしてこの両者の攻撃がようやく炸裂する。
まずは南1局の小倉。2巡目に次の牌姿となり、
小倉(北家)
ドラ
3巡目に出た1枚目のから仕掛け始める。
そして、後に重ねたとポンして次のテンパイ
小倉(北家)
ポン ポン ポン ドラ
そして12巡目にツモったを加カンすると、リンシャン牌が。
望外の3000・6000。
今度は崎見、南3局。2巡目に早くもリーチ。
崎見(北家)
これにで放銃となってしまったのが鈴木。自身の手牌もイーシャンテン。
これを止めていては麻雀にならないわけで、致し方ないのであるが結果はこれでラス落ち。
オーラスを迎えての持ち点は
小倉(親)23800 鈴木 14000 崎見 23300 須田 38900
鈴木のラス抜けには最低でも5200の手作りが必要で、マンガンをテンパイした場合ツモれば2着までいくが、
須田からのロン和了ではなんとラスのままという厳しい状況。
1巡目にダブ南を暗刻にした鈴木、その時の手牌は下記の通り。
鈴木(南家)
「リーチ・ツモ・ダブ南」もしくは「ダブ南・ホンイツ」が本線かなどと考える間もあったかどうか、
同じ1巡目の下家崎見の第1打の(親の小倉も第1打が)から飛びついた。
結果的にこれが大正解。
有効なピンズや字牌をなかなか引けずテンパイまで時間がかかったものの、13巡目に先行リーチの小倉からロン和了。
鈴木(南家)
ロン ポン ポン ドラ
ツモ和了なら2着とはいえ、マンガン和了で3着は御の字。
ちょっと悔しそうではあったものの、ホッとした表情に見えた鈴木であった。
(4回戦終了時)
鈴木+115.3 須田+14.3 小倉▲58.7 崎見▲71.9
供託+1.0
★第5回戦★(小倉→崎見→須田→鈴木)
いくらまだ4日のうちの1日目であったとしても、自分だけトップなしというのはあんまり気持ちのいいものではないと思われる。
3・4回戦とようやく和了が出始め連続2着の崎見。
まずは1300・2600の和了でこの第5回戦はリードから始まった。
元来崎見の「押す」度合いは他の選手に比べ低い方であると見ている。
それでも持ち点が少ない時は多少の無理を強いられることにはなるけれど(これは誰でもそう)、
逆に持ち点にゆとりがあれば多少危険な状況でも無難に回避していく。
東3局1本場、親の須田がこんな仕掛け
須田(荘家)
ポン ポン ポン ドラ
他家から見たら相当に脅威な仕掛けである。
ただ、この須田の仕掛け
A)のポンが1巡目。
B)は4巡目に崎見が1度切っており、その後の須田は手出しが1回で2枚目をポン。
C)3つ目のフーロ後にまだ手出しをしている。
実はテンパイしていない可能性も結構ある状況で、むしろこの牌を鳴かせているのが鈴木であることの方がよっぽど怖いぐらい。
崎見からしてみると、もうちょっとぐらい押したくなる要素もはらむ局だが、
ここは「ゆとり」を持ってメンツから中抜いてきちんとオリ。
(この局の結末は鈴木→須田で12000)
すると次局、7巡目にこんなテンパイをすると、
崎見(北家)
ロン ポン ドラ
すぐに須田から和了できて5200(は5800)。巡りあわせもよい。
南1局にも、
崎見(南家)
ロン ドラ 裏
上記の2600。さらに南3局にも1000点を加点。
このまま逃げ切りうれしい初トップとなった。
逆に巡りが悪かったのが鈴木。
前述の須田への12000放銃後はこれといったチャンスもなく、なすすべなくラスとなってしまった。
第5回戦の結果は第4回戦までのトータル順位とちょうど逆さま。
上下の差も詰まり、初日としては平穏なスタートといえる。
(5回戦終了時)
鈴木+63.4 須田▲2.2 崎見▲16.8 小倉▲45.4
供託+1.0
(文:二見
大輔)
2日目観戦記 | 3日目観戦記|最終日観戦記
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