関西所属女流による短期決戦「関西女流スプリント」が開催。
最終ポイント成績
順位
|
名前 |
TOTAL
|
1回戦
|
2回戦
|
3回戦
|
4回戦
|
5回戦 |
1
|
水瀬 千尋 |
159.9 |
53.2 |
74.5 |
-48.9 |
66.6 |
14.5 |
2
|
石井 阿依 |
14.2 |
-40.1 |
28.7 |
59.7 |
-12.9 |
-21.2 |
3
|
西園寺 あにめ |
-46.1 |
-19.1 |
-86.3 |
-21.8 |
17.3 |
63.8 |
4
|
蒼樹 里沙 |
-128.0 |
6.0 |
-16.9 |
11.0 |
-71.0 |
-57.1 |
決勝観戦記
皆さんこんにちは。日本プロ麻雀協会第8期後期入会の米崎奈棋です。
関西女流スプリント決勝のレポートを担当させていただきます。
1年前より、女流リーグのシステムが変更となり、関西での女流リーグ開催が行われなくなりました。
なにか代わりになるようなものはないかと関西本部長の一北プロが考案したのが、この関西女流スプリントです。
全2節を戦い、勝ち上がった4人で決勝戦を行うというシステムです。
女流の短期戦は初めての試みでしたが集まったのは12人。
会場も着飾った女流であふれ、とてもにぎやかで華やかでした。
ところが試合が始まるとさっきまでの雰囲気はどこへやら…
実は女流だけのリーグに出るのは初めての私自身を含め、新人女流の子たちは少し畏縮していたと思います。
そんな沈黙のプレッシャーの中、決勝行きを決めたのは下記の4名です。
◆西園寺
あにめ
安定した手作りをいつも見せていて、
三色同順や一気通貫などきれいで高い手をアガっているのをよく見ます。
◆石井
阿依
もう誰もが知っている決勝常連。
実力は本物ですがシルバーコレクターといううわさが…
◆蒼樹
里沙
三人打の女王。
三人打で鍛えた打撃が持ち味。
最近は少し繊細なところが出て、迷走中?
◆水瀬
千尋
この4人の中で一番キャリアは短いですが、プレッシャーに強く淡々と打ちます。
かなり攻撃型なので手が入ると怖いです。
以上、この4名で闘牌が行われます。
【第1回戦】
1回戦は軽い手で水瀬と蒼樹がサクサクアガり、水瀬がトップ。
オーラスに苦しい振聴リーチをなんとかツモった西園寺が3着。
なかなか手が入らなかった石井がラスになる。
【第2回戦】
東2局 親:水瀬 ドラ
親の水瀬が4巡目にリーチ。
水瀬
追いついた西園寺も同巡追っかけリーチ。
西園寺
「ロン!」
勝負を制したのは水瀬。
僅か6巡。裏ドラをめくると表示牌に。18000点になった。
水瀬の勢いは衰えず、次局もトイトイの7700点を蒼樹からアガる。
南1局3本場 親:蒼樹 ドラ
と払っていきチートイツ一直線。
蒼樹は7巡目に最速のチートイツをテンパイする。
は2枚切れの地獄単騎待ちである。
水瀬がこれを掴むが他の安牌があったため切らなかった。惜しくも流局。
次局、石井が西園寺から8000点の4本場をアガり、水瀬まで5800点差と追い上げる。
水瀬が少し控えめにしている一方で、じわじわとにじり寄ってきたのは石井であった。
南2局 親:水瀬 ドラ
水瀬の親を流しが目的の愚形立直。
ここに水瀬が浮いているを切り2600放銃。ついに着順が入れ替わった。
オーラスは石井が52700持ち。水瀬が46500持ち。
水瀬
ドラ
ここはダマかと思ったが、元気よくリーチ宣言!
全員がオリる局面となり、流局かと思われたが、
最終ツモをでツモりあげ2000・4000。
2連勝となった。
【第3回戦】
3回戦は実力者の石井が貫禄のトップ。
2連勝中の水瀬をなんとか阻止した。
石井か蒼樹は4回戦のトップをとれば十分優勝の目が残る。
【第4回戦】
東1局石井の力強い親リー。
今局は逆らうものはいない一人旅。
最後のツモで決めて4000オール。
東2局 親:西園寺 ドラ
西園寺も連荘して点棒を稼ぎたいところであろう。
西園寺
ポン チー ロン
蒼樹→西園寺12000点。
蒼樹にとってかなり痛い放銃になってしまった。
東3局 親:蒼樹 ドラ
沈みかけたと思った蒼樹が7巡目にリーチ。
蒼樹
しかし水瀬も追っかけてなんと即ツモ!
水瀬
リーチ一発ツモ
3000・6000で親かぶりの蒼樹はまたも失点してしまう。
やはり水瀬の勢いは勝っていた。
さらに南3局でもダメ押しの加点。
そのまま逃げ切った。
【第5回戦】
ラス親をひいたのは石井。この時点でほぼ水瀬の優勝が決まりかけている。
水瀬をラスにしつつ和了り続ければ…という過酷な条件。
西園寺と蒼樹は親が落ちるまではあきらめないが後は邪魔をしないように打っていた。
西園寺は8本場まで積むも最高打点が5800点。なかなか大物手をアガれない。
蒼樹のツモり四暗刻もツモれず…流局。
南4局 親:石井
石井が粘る。
この勢いで連荘が続けば、日付が変わる前に帰れないんじゃないか…なんて考えていた。
4本場まで積んだところでドラドラのイーシャンテンも、鳴ける牌が出ない。
もう流局かと思われたが流局寸前のツモでテンパイを果たし、5本場へ。
なかなか勝負を終わらせない。
そして、5本場…
しびれを切らした水瀬が動く。
リーチ!待ちはカン。
しかし石井もすぐさま追っかける。待ちは--!
これは流石に石井のアガりでは!と思ったが…
「ロン!2600は…4100…」 石井がを掴み、長い長い戦いが終わった。
――最後は2時間30分という長丁場でした。
水瀬プロがアガるとすぐ、観戦者からは温かい拍手が送られました。
水瀬プロはまだまだ未熟なところもありますが、
最後は自分らしいリーチでのアガりで決めてくれました。
これからも精進して、関西代表する女流プロとして活躍してほしいと思います。
石井プロは、今回は残念な結果となりましたが、まったく悔いはないようで終わってからの笑顔が印象的でした。
――応援していただきました皆様へ。
これからも関西で女流リーグや他イベントも多数開催する予定です。
これからもどうぞ宜しくお願い致します!
駄文を最後まで読んでくださって、どうもありがとうございました。
(文・米崎 奈棋)
→予選成績はコチラ
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