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≪大会自戦記≫

今年で第3回を迎えた「NPMウェスタンカップ」。
日本プロ麻雀協会関西本部所属選手と一般選手の強豪が集まる、年に1度の真剣勝負の舞台である。
途中敗退ありのポイント持ち越しシステムを採用。
決勝大会では3回戦終了時に40名中17位以下が敗退となり、以降1半荘ごとに人数が半分に絞られていく。
つまり4回戦は16名、5回戦は8名で行い、6回戦が上位4名での決勝戦となる。
終盤になる程に次のステージに進むためのポイント調整が必要になってくるシステムである。

1回戦トップ・2回戦ラス・3回戦トップとなり、3位で4回戦へ進出。
この成績で3位ということは、上位はかなりの混戦模様。
1回のミスが命取りになる展開だ。

4回戦オーラス、トップとは7500点差、3着とは1700点差の子番2着目でこのテンパイ。
 ドラ
3着目の親が3フーロしているがおそらく1500点、トップ目からはテンパイ気配を感じていない。
2着以上なら準決勝進出が決まるが、3着では微妙になる。
さぁどうしよう、リーチをかけるか否か。
2着を目指すならリーチをかける方が良さそうだが、
優勝を狙うならシャンポンになってからリーチをかけてツモアガリのトップを目指すのだろうか。
何よりこの点差で無防備になるのはかなり怖い。

結局、トップ目は攻めてこないという読みで、3着目からの出アガリを取りこぼすのを嫌ってリーチをかけた。

しかし、結果は直後にトップ目が七対子をツモアガり2着終了。
完全に読み違い、放銃していたら大変なことになっていたが助かった。

準決勝を迎え、ここまでのトータルポイントは以下の通り。
1位 田川さん +154.6
2位 梅田さん +143.0
3位 軽部さん +137.5
4位 池田さん +130.9
5位 土井さん +113.9
6位 堀プロ  +100.0
7位 田村   +92.9
8位 加藤さん +65.4

準決勝での同卓は、梅田さん、軽部さん、堀プロ。
2着でもトータルポイントで卓内2位になれば決勝に残れるパターンはあるが、ほとんどトップ条件と考えていいだろう。

そして開始されたベスト8。
私とほぼ同じ条件の堀がアガり続ける。
私は親番で4000オールのアガリを拾って喰らいつくが、オーラスを迎えて親番の堀と13100点差の2着目。
このままではトータルポイントで卓内3位なので、決勝に行くためには満貫直撃かハネ満をツモるしかない。

配られた配牌からは、ドラを絡められそうにはないが手役は見えていた。
そして9巡目に待望のテンパイ。
 ツモ

のどちらを切ろうか少しだけ考えたが、裏ドラに託すよりもトップが確定する方がいいに決まっている。
を横に曲げ、声高らかにリーチ宣言。
直撃はあまり考えていなかったが、よくよく見たら河が強い。
すぐにが場に3枚切れ、安全牌に窮している素振りが見える堀からが出てきた。
これはもしや・・・。
2巡後に堀が悩み抜いて切った牌はテンパイ取りとなる
逆転で私の決勝進出が決まった。

他団体の大会を含め、4度目の決勝進出。
過去3回は、最終半荘の東場で早々に優勝戦線から脱落してしまっている。
もうあんな悔しさは味わいたくない。

決勝進出者は以下の4名。
1位 田川さん +207.6
2位 田村   +152.8
3位 土井さん +118.9
4位 軽部さん +118.7

田川さんは近年競技会の常連であり、何度も同卓経験がある。
仕掛けが多く、どこからでもアガリを拾いにいくイメージだ。

土井さんは数年前に何度か同卓しているが、麻雀については記憶が少なく、彼が当時吸っていたタバコの種類くらいしか覚えていない。

軽部さんとは予選と準決勝で同卓、予選の時は私の軽率な一打でトップを軽部さんに明け渡してしまっている。

私の優勝条件は自分がトップで田川さんが3着以下、田川さんが2着なら15100点差以上が必要。
これくらいの条件であれば、田川さんを沈めようとするよりも自分のトップを意識した方が良さそうか。
土井さんと軽部さんは、田川さんを3着以下に沈めながら大きなトップを目指す必要がある。

軽部-田村-土井-田川の並びで始まった決勝戦。
東1局にいきなり私にチャンス手が入った。
5巡目にこのイーシャンテン。
 ドラ
3000・6000という申告を頭の中で練習していたが、これがなかなかテンパイしない。
14巡目にようやくを引きを横に曲げるが、時すでに遅かった。

土井(西家)
 ポン ロン ドラ

その後も手は入るがテンパイまでいかない展開が続き、迎えた東3局1本場。

軽部さんからリーチが入った巡目にこの形。
田村(北家)6巡目
 ツモ ドラ
安全牌はのみ、どうしたものか。
どうせオリきれないのでツモ切り、これは通った。
2巡後に引いてきたのは無スジの
安全牌は増えていないが、が3枚見えた。
自分がを引く確率が下がったこともあり、ワンチャンスの誘惑でを切りたくなってくる。
その誘惑に負けてしまい、放ったが御用となった。
手を開けられた時は「一発で振らなくてよかったな」などと考えていたが、裏ドラが乗ってしまったので結局一緒である。
それにしても、押すでもなくオリでもない牌で放銃するというのは精神的に参る。

これで大きなビハインドを負うことにはなったが、同時に並びを作ったとも言える。
あとは軽部さんをマクってトップを取ってしまえば優勝なのだから。
放銃のショックを払拭しようと前向きに考えていたが、さすがに次の一撃で心を折られてしまった。
東4局1本場 軽部(南家)13巡目
 リーチツモ ドラ 裏ドラ
フリテンをツモりあげ、裏を乗せての3000・6000。
なんだ、結局いつもの展開じゃないか。
4万点差ってどうやってマクればいいんだったかな・・・。

東場を終えて、以下の点棒状況。
軽部 46600
田村 8600
土井 23400
田川 21400

軽部さんは田川さんにあと3800点差でトータルポイントが追いつくところまできている。
追い込まれてきた田川さんだが、2着に上がってしまえば2万点分突き放すことができるのでまだ有利には違いない。

南1局に軽部さんが1300オールをアガり、ついにトータルトップに立つ。
そして次局の1本場に土井さんがこのアガリ。
土井(西家)9巡目
 リーチ一発ツモ ドラ 裏ドラ
この2000・4000により田川さんの2着が遠ざかったため、この時点で軽部さんと田川さんの立場はほぼ互角。
土井さんもこのアガリで追撃態勢に入った。
そして、1人だけ取り残されているのが私である。

南2局、私の親番。
最後のチャンスであることには違いないが、2人が競り合う展開になると簡単に連荘させてもらえなくなってしまう。
とにかく早くリーチをかけたいものだが、配牌は平凡なもの。
それでも諦めるわけにはいかず、手を進めていく。
そしてイーシャンテンはこの形。
田村(東家)9巡目
 ツモ ドラ
-待ちに自信がないのと、自分の点数の少なさから打
次巡ツモは、これはかなり嬉しい。
ここで打とし、そして13巡目に待望の引き。
当然を切ってリーチ。
次巡に軽部さんから追っかけリーチが入りヒヤヒヤしたが、最終ツモに訪れたのはだった。
リーチ・ツモ・タンヤオ・ピンフ・三色の6000オール。
これでようやく片目が開いた。

ここからこの親番で大連荘、そうできれば良かったのだが現実はそう甘くない。
次局は土井さんと田川さんのリーチに挟まれ、イーシャンテンからオリを選択。
軽部さんとの点差は15200点差ほどであり、親がなくてもあと2局あれば逆転は不可能じゃない。
この局は流局で土井さんと田川さんの2人テンパイ。
土井(南家)
 ドラ
田川(西家)
 ドラ
押したらエライ目にあっていたかもしれないな・・・。

リーチ棒が残って迎えた南3局。
この局で一気に詰められるといいが、そんな手が入らなくとも現実的な目標を残してオーラスを迎えなければいけない。
リーチ棒を回収し、満貫ツモ条件くらいにしておくのがこの局の最低目標。
私だけでなく、全員にとって勝負どころの局面である。

私の思いとは裏腹に、この局を制したのは軽部さんだった。
優勝に近づく大きなアガリ。
軽部(西家)16巡目
 ポン ポン ツモ ドラ
リーチ棒3本を回収されて局が進む、私にとって最悪のパターン。
微かに見え始めていた優勝カップが、また大きく遠ざかってしまった。

オーラスを迎えて点棒状況がこちら。
田川 11500
軽部 45500
田村 18700
土井 24300

軽部さんはアガれば優勝。
田川さんは2000オールで一旦ひっくり返すことができる。
土井さんは軽部さんからハネ満直撃か、三倍満ツモ条件。
私は軽部さんから倍満直撃か、三倍満ツモ条件。

いつもこんな条件を叩きつけられている気がするなと、過去の決勝でのオーラス条件を思い出してみる。
1回目はダブル役満ツモ条件、手が入るわけがなかった。
2回目は役満ツモ条件、四暗刻のイーシャンテンで終わった。
3回目は三倍満以上の直撃条件、国士無双テンパイするもアガれなかった。

なんだ、今回の条件が今までで1番簡単じゃないか。
この条件なら何とかなるかもしれない。

三倍満以上を目指すとなると、ドラ色チンイツと四暗刻と国士のどれかを追うことが多い。
この局は配牌でドラのが2枚見えたために、マンズチンイツに向かうとあれよあれよとドラが4枚に。
リーチすらいらないな、カンするとチンイツすらいらないのだろうかと考えているうちに、親の田川さんからリーチがかかる。
この手なら徹底抗戦といこうではないかと意気込んでいたが、あっさり一発でツモアガリ。
田川(東家)10巡目
 リーチ一発ツモ ドラ 裏ドラ
裏ドラは乗らなかったが、トータルトップへ返り咲く2000オール。

1本場の条件は、軽部さんは田川さんから1000以上のアガリ、500・1000以上のツモアガリ、
他の2人から3200以上の出アガリ条件。(土井さんからは3900以下もしくは24000以上でないといけない)
テンパイノーテンでも変わるため、田川さんは伏せることができない。
この局私は全く手にならず、田川さんの連荘待ち。
そして終盤に軽部さんがリーチ。
軽部(南家)16巡目
 ドラ
田川さんは途中から形式テンパイに切り替えるが、なかなかテンパイが入らない。
このまま流れると私と土井さんもノーテンなので軽部さんの優勝となるが、田川さんが最終手番にテンパイを果たして流局。
田川さんは命拾いをしたという感じだろうが、本当に命拾いをしていたのは私だったとは・・・。

2本場、軽部さんの条件は、田川さんから1000以上のアガリ、400・700以上のツモアガリ、
私からは2600以上、土井さんからは24000以上となっている。
私の配牌はこの通り。
 ドラ
1巡目ツモのにより、リーチ・中・ホンイツ・イッツー・ドラの倍満くらいなら狙えるだろうかというところ。
次巡ツモ、目標とは違うが一応使えそうだ。
ツモ切りを挟み、ツモ
ドラを引くなら三倍満が見えてくる、あと5枚マンズを引くだけだ。
次巡ツモ、ホンイツチートイツの裏条件も視野に入ってくる。
次巡ツモ、チートイツにこれはいらないなぁ。
次巡ツモ、いつの間にかイーシャンテンじゃないか。

ここで軽部さんからリーチが入り、田川さんはいつの間にか3フーロ。
軽部さんのリーチということは、直撃しやすくなったというわけだ。
これでドラのポンテンも視野に入る。
1巡ツモ切りを挟んだが、次巡にを引きあっさりとテンパイが入った。
よかった、この牌が来るならリーチが出来る。
 ドラ
高目のならツモアガリ可能、軽部さんからの出アガリならどちらでも構わない。

「リーチ」

会場内の空気が変わったのを感じた。
当たり前だ、この条件の人間がリーチをかけたら誰でも驚く。

さぁあとはくじ引きだ。
をツモればいいだけだし、軽部さんがを掴んでくれればいいだけだ。
一発でを引くでもいいし、をツモって裏ドラの表示牌がマンズであればいいだけだ。
一発目のツモは、全然違うな。
田川さんが打、そこからは出て欲しくないんだよな。
軽部さんが打、惜しい、お隣さんだ。

おや、軽部さんがツモった牌を見て少しのけぞったぞ。
もしかして・・。

 

今まで多くの大会に出てきた。
その中でいつも非現実的な条件を突きつけられ、何度も何度も挑戦しては何度も何度も跳ね返され続けてきた。
今回もまた挑戦し、初めて成就したのがたまたま決勝戦の最終局であった。
ただそれだけのことである。

(文・田村 洸)

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