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関西所属女流による短期決戦「関西女流スプリント」が開催。

最終ポイント成績

順位
名前
TOTAL
1回戦
2回戦
3回戦
4回戦
5回戦
1
天野 すずめ
113.4
-39.5
49.0
75.3
-54.7
83.3
2
西園寺 あにめ
85.3
51.1
-13.8
-27.2
77.5
-2.3
3
里見 寧々
-21.2
-17.3
7.8
13.2
3.3
-28.2
4
涼宮 麻由
-178.5
5.7
-43.0
-61.3
-27.1
-52.8

≪決勝観戦記≫

初めまして、11期後期入会の水谷葵です。
今回初めて観戦記を担当させていただくことになりました。
普段はOL、週末はゲストという生活を送っています。最後までこの観戦記を見ていただけると嬉しいです。

まずは選手の紹介から。(敬称略)

★天野 すずめ

麻雀は完全なる攻撃型、さらに手役派でもあるので一回一回アガる手が大きい。
トップラス麻雀と言えば天野。予選もトップラス麻雀で勝ち上がり、決勝でも見事なトップラス麻雀を披露した。
四国在住の現役大学生で、大会に出向く時は往復に時間をとられる上に、交通費の工面が大変だが、
いつもそんなことを感じさせないほど、大会の時は元気溌剌としている。麻雀への愛情からだろうか。

 

 

 

 

★西園寺 あにめ

第1回女流スプリントで決勝進出するも、惜しくも敗れる。
この面子の中ではプロ歴が一番長く、やはりその分、この中の誰よりも安定感があるように思える。
私の中では彼女は「Going my way」なイメージだが、
後輩にも積極的に関わってくれてとても優しくしてくれるので、私達から慕われており、お姉さんのような存在。

 

 

 

 

★里見 寧々

前回の女流スプリント決勝まで行ったものの、惜しくも敗退。
麻雀は攻守がしっかりしていて、バランスの良い麻雀を打つ。
中身はマイペースで、一緒に居る者を里見ワールドへ誘い癒してくれるが、
一方で非常に繊細な面も持ち合わせている。
この決勝前日も、布団に入ってから寝付くまでに9時間かかったようだ。
一見ふわっとした女の子の雰囲気であるが、なかなか芯が太い麻雀を打つ。

 

 

 

★涼宮 麻由

涼宮とは、ゲストで一緒になったり、夕刊フジ杯でもペア同士なので、よく麻雀を後ろから見る機会がある。
世間では彼女の麻雀は、せこい麻雀(?)と言われているようだが、アガリにまっすぐな麻雀を打つように感じる。
相手が親であっても、物怖じせず果敢に攻めていくので、他家リーチに対するカウンターが怖いイメージ。
私は彼女の麻雀はいつもと変わらずしっかりしているものと思っているのだが、
最近は不調からか少し自信がないように見える。

 

 

 

★1回戦★ (里見→西園寺→涼宮→天野)

この大会、初めにリーチを打ったのは起家の里見。
東1局 親・里見
 ドラ
を切ってのもろ引っかけリーチに、西園寺が放銃。
裏ドラもが乗って里見が7700のアガリ。

続く1本場で涼宮が、
 ドラ
という、高めツモ倍の手を中盤でテンパイしダマ。
しかし、待ち牌のは脇に流れ、更に捨て牌もかなり派手だったため、他家からソーズが出ることはなかった。
山に残った数少ない待ち牌をツモれず、引いてきたのは
を切っていたためこれをツモ切りると、西園寺のタンヤオのみの-のシャンポンに放銃。

続く東2局、涼宮の勝負手をかわした西園寺。自分の親番で東1局の失点を取り戻す。
東2局1本場 親・西園寺
早い巡目でテンパイ。
 ドラ
ドラがマンズということとマンズが高いと見てか、西園寺はこの高め親跳の手をダマテンとした。

結果、ツモで4100オールをアガリすぐに失点を挽回する。

東4局 親・天野
中盤に、親の天野がテンパイ。
 ドラ
リャンメン待ちやノベタン三面張など、良い待ちに変化しそうだが、天野はこの手をリーチ。
河にがあったためと、 南家の里見がソーズ・マンズの123を仕掛けており、
明かに123の三色だったため、オリ打ちすることを期待してだろうか。
しかし里見はペンのテンパイを崩さず、北家の涼宮もが浮いていた状態だったがをくっつけ、ペンで追っかけリーチ。
天野のアガリが薄いかと思われたが、自分でラスをツモり、2000オールとなる。

南1局、北家の天野が
 ドラ
という愚形テンパイを、迷うことなく即リーチ。さすが攻撃型である。
だが、その後涼宮が

という形でテンパイし、追っかけリーチ。
一発でをツモり、1000・2000をアガる。

このアガリにより、点数状況は西園寺が少し優勢ではあるが、かなり平たい状態となる。ここまでの点数状況は以下の通り。
西園寺 31600
涼宮  25000
里見  21900
天野  21500

南2局 親・西園寺
西家天野の牌姿が、
 ドラ
ここにツモ。がまだ場に1枚も見えてないことから、ソーズを残してしまいそうな形であるが、
マンズのくっつき、イーペーコーを見て、打でリャンシャンテン戻し。

そこから裏目ることなく

という形で、満貫確定のリーチとする。
しかし、南家の涼宮の-待ちの追っかけリーチにつかまり2000点の放銃。
天野は-を4枚使っていた上に、上手い手順でテンパイしただけに、悔しかったであろう。

南4局オーラス、点数状況は以下の通り。
西園寺 31600
涼宮  27000
里見  21400
天野  20500

誰もがトップを狙えそうな点数状況だったが、里見がまわりの仕掛けの早さとラス落ちを恐れ、
3着確定の1300を涼宮からアガリ、西園寺がトップのまま1回戦が終わる。

★2回戦★(里見→涼宮→西園寺→天野)

この半荘は、満貫以上の移動がなく、放銃の多かった涼宮が劣勢でオーラスを迎えることとなった。
オーラスでの点数状況は以下の通り。
天野  29600
西園寺 26600
里見  25400
涼宮  17400
(供託 1000)

またしても誰もがトップを狙える状況。

オーラス1本場、満貫ツモでトップの涼宮が、ポン・チー・チーと早々に仕掛けていた。
これに対し里見が、1回戦同様、少し焦ったのだろうか、またしても
 ポン ドラ
という形でをツモり、300・500は400・600の2着確定のアガリを決めて、天野が逃げ切りトップとなった。

 

★3回戦★(里見→天野→涼宮→西園寺)

天野がいきなり派手なアガリを決める。

東1局 親・里見
何度かテンパイ逃ししたものの、天野の最終形が
 ドラ
となり、リーチ。
一発ツモで裏ドラにがのり、4000・8000となった。

東1局からこのアガリをされ、まわりは何ともやる気を削がれただろう。

しかし、倍満を親っかぶりさせられた里見がここから巻き返す。
東3局 親・涼宮
西家の里見が、
 ドラ
でリーチ。ここにを持ってきて暗カンし、カンドラにが乗る。
その後、親であった涼宮がを切って里見に裏ドラも乗って6400点の放銃。

続く東4局も涼宮が里見に1000点を放銃。

南1局 親・里見
またしても里見の早いリーチ。
 ドラ
すぐにをツモって2000オールをアガる。

ここまでの連続アガリで、点棒を30000点近くまで戻す。
天野  42500
里見  29500
西園寺18200
涼宮  9800

南1局1本場、さらに里見がリーチしていた天野から5800は6100。
 ロン ポン チー チー ドラ

続く2本場も、里見から早いリーチが入り、またしても天野が里見へ2400は3000を放銃。

ここまでの点数状況は以下の通り。
里見  39600
天野  33400
西園寺 18200
涼宮   9800

通常であれば、立て続けに放銃したショックで弱気になりそうであるが、天野は違った。

次局、涼宮から
 ドラ
という形でリーチが入る。

続いて天野にもテンパイが入る。
-のリャンメン待ちにもすることができたが、ドラを切りたくなかったため、切りの

というシャンポン待ちで追いかけた。

結果、涼宮がをつかみ、5200は6100を出アガる。

その後も天野が一人テンパイなどで点数を稼ぎ、迎えたオーラス。
点数状況は以下の通り。
天野  46300
里見  36200
西園寺 16800
涼宮    700

2着目南家の里見が
 ドラ
という、天野から直撃すれば逆転となるリーチをかけるも、涼宮が
 ツモ
をツモり満貫。
2回戦に引き続き、天野が逃げ切りトップとなり、2連勝となった。

 

★4回戦★(天野→涼宮→里見→西園寺)

この日調子の悪かった涼宮、里見がこの回、サクサクとアガリ、二人が優勢の状態でオーラスを迎えた。
点数状況は以下の通り。
里見  35100
涼宮  28300
西園寺 22500
天野  14200

しかし、西園寺が最後の親番で怒濤の連荘を見せる。

一人テンパイに続く1本場で、西園寺が
  ドラ
をリーチ。

ここに満貫をアガればトップとなる涼宮が

で追っかけリーチ。

しかし、この勝負を制したのは西園寺。
ラス牌となるを力強くツモ。
4100オールをアガった。

続く2本場も、西園寺は早い巡目にテンパイし、即リーチを打つ。
 ドラ
ここにトップを諦めない涼宮が放銃。

3本場、またしても西園寺がアガる。
配牌からドラトイツのを暗刻にして、
 チー
というテンパイ。
すぐにをツモり、4300オールをアガる。

止めなければいけないと分かっているのだが、誰にも西園寺を止めることができなかった。

続く4本場、点数状況は以下の通り。
西園寺 54300
里見  25700
涼宮  15300
天野   4700

ここでも西園寺が1000は1400オールのアガリ。

5本場まできてようやく天野の一人テンパイで流局し、西園寺が大きなトップを勝ち取る。

4回戦終了時のトータルスコアは以下の通り。
西園寺 +87.6
天野 +30.1
里見 +7.0
涼宮 ▲125.7

 

★5回戦★(西園寺→天野→涼宮→里見)

天野が西園寺をまくり優勝する条件は何通りかあったが、本人は難しく考えることが嫌なので、
シンプルに17600点差以上をつけたトップを狙いにいこう。と試合前に公言していた。

これが現実のものとなる。

東2局天野親番、天野は1500は1800をアガった後、2本場で
 ドラ
をリーチ。
なんとを一発でツモり、4200オールをアガった。
その後も連荘を重ね5本場まで積んだが、最後は西園寺が満貫をツモり天野の親を流した。

その後も天野は点棒があるにも関わらず果敢に攻め、
東3局1本場
 ポン ドラ
でテンパイし、をツモりあげ、1300・2600は1400・2700をアガる。

さらに東4局(親・里見)、天野がまたしても、
 ドラ
ここにツモでテンパイし即リーチ。
しかし、ライバルの西園寺から追っ掛けリーチが入る。

西園寺はこれを天野から直撃できれば望みが繋げる。

そう思った矢先、天野がをツモり、2000・4000をアガる。

東場は誰にも天野を止めることができなかった。
天野の怖さと言うか、持ち味が全面に出た5回戦であった。天野の戦法から、攻撃は最大の防御という言葉の意味を思い知らされた気がする。

東場終了時の点数状況は以下の通り。
天野  58700
西園寺 23400
涼宮  11300
里見   6600

南1局 親・西園寺
西園寺は最後の親番となるので、どうしてもここで天野との点差を縮めたい。
しかし、北家の里見が先にテンパイ。
 ドラ
しかも、またしてもを切ってリーチのもろ引っかけ。

このリーチに対し、西園寺が一発でを切り、2600を放銃する。
この決勝で西園寺は里見のモロ引っかけに3回も放銃している。
3回目のこの時は、どうしても連荘したい局面であったため、相当熱くなっただろう。

その後、南3局でまたしても天野が1100・2100をアガり、ついに6万点台へと突入。
西園寺と約35000点差をつけてオーラスを迎えた。

オーラスは慎重かつ重たい空気が流れていた。
終盤、西園寺がを切ると、これを天野が鳴き、
 チー ドラ
カンチャンながら優勝を決めるタンヤオテンパイ。
ここに、親の里見からテンパイ打牌であるが切られ、天野の優勝が決定した。
最後まで天野らしい、攻めの麻雀であった。

最後の優勝者インタビューで、「自分の同期が皆タイトルをとり活躍する中、自分はタイトルを取れず不安だったが、やっと取ることができた」
と心のそこから優勝を喜ぶ姿が印象的であった。
地方在住であることをものともせず、これからもどんどん活躍していって欲しいと思う。

そして今回、私自身、決勝を見て麻雀はもちろん、麻雀以外の面で学ぶことや思うことがたくさんあったので、
今後の大会で活かしていきたいと思う。

(文・水谷 葵)

予選成績はコチラ

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