≪大会レポート≫
関西GCに進出した16名は協会プロ8名。麻将連合2名。アマチュア強豪6名というGC大会に相応しい顔ぶれとなった。
4回戦までのスコアは縦長の展開となる。
福永が4連勝し準決勝の結果次第で早くも優勝が決まりそうな勢いであった。
しかし、そこは簡単に勝たせてくれるメンツではなく5回戦目となる準決勝で福永が3着となり優勝の行方は分からなくなる。
決勝戦に勝ち上がったのは起家から以下の4名。
薬王寺(155.5)
柴田(128.7)
大原(124.8)
福永(220.5)
薬王寺は昨年の関西CSを優勝しヴェストワンカップでも決勝まで駒を進めた。
協会関西トップレベルの打ち手である。
柴田さんは関西屈指の強豪である。
各プロ団体が主催するプロアマリーグでも優勝経験があり常に好成績を収めている。
大原さんは経営する飲食店の名前にちなんだ「やすべえリーグ」という私設リーグを開催するほど麻雀熱が熱く前回のNPMウェスタンカップの優勝者である。
福永はプロになってまだ1年。実績こそ三者に劣るがここで優勝すれば協会関西から新たなスター誕生となるだろう。
開局から福永がポン、ポンとソウズ模様で積極的に仕掛けを入れていく。
ドラのも見えておらず大物手の可能性も否定できない。
この動きに対して柴田さんがピンズの一色手で仕掛け返す。
3フーロしドラのをリリース。
この局面での打はテンパイで間違いないだろう。
ポン
の形でテンパイを入れていた福永は無筋のを掴んだところで冷静に打としてテンパイを崩した。
そして柴田さんからツモ切られたをポンして単騎のテンパイ。
次巡にツモの400-700
ツモ ポン
三者からの標的になることも踏まえ、それならと言わんばかりに相手にプレッシャーを与える仕掛け。
そして、冷静な守備判断からの最後はツモアガリ。
福永にとっては点数以上に手応えを感じる一局だったと思う。
大原さんが30000点代で頭ひとつリードするも点数が平たいまま進んでいく。
南2局は福永の一人ノーテン。
続く1本場では親の柴田さんが2700オールをツモアガリ。
この時点で福永が19300点のラス目となり並びが出来てしまう。
そして、迎えた2本場。
福永に最大のピンチが訪れる。
大原さんから
ドラ
5巡目のドラ3先制リーチ。
福永も6巡目にテンパイを果たす。
ドラ
決断は追っかけリーチ!
自身の待ちは厳しいがジリ貧でラスのまま終わることも考えて勝負に出た。
しばらくして大原さんは自身が暗刻にしているツモ。
暗カンすると新ドラがなんと。
福永から見てもリーチドラ4が確定し手の中にあるを合わせるとリーチドラ7の倍満が確定リーチとなる。
福永も大原さんも1巡ごとに力の入る局面となったが結果は流局。
福永の安堵と大原さんのため息が交差した1局となった。
オーラスを迎えて点棒状況は以下の通り。
薬王寺226 柴田319 大原265 福永190
トップラスの並びができておりこのまま終われば柴田さんが優勝となるが全員に現実的な優勝の条件が残っている。
親の福永はドラがトイツでタンヤオ仕掛けも可能なチャンス手。
仕掛けて以下のテンパイ。
チー
ドラ
打点は十分だが待ちは厳しい。
これをアガリ切ることが出来れば次局は伏せて優勝となる。
ツモに力の入る福永に手元にやってきたのは。
三暗刻もついて待望の4000オール!
並びが崩れたため三者の条件は一気に厳しくなるがまだまだ諦めていない男がいた。
倍満ツモ条件となった薬王寺から長考してのリーチが入る。
自身のツモは鳴きがなければ一発目とハイテイの2回。
ドラ
リーチ宣言牌は。
準優勝を確定させるアガリ形から山にいそうな牌を選択して優勝狙いのフリテンリーチ。
薬王寺が悩みに悩んでリーチした直後にバックの仕掛けでテンパイを入れていた柴田さんがツモって準優勝。
優勝した場合に福永はヴェストワンカップ本戦シードを選択する旨を宣言していたため、ある意味狙い通り日本オープン本戦シード獲得となった。
ちなみにソウは薬王寺の読み通り山にまだ残っていた。
劇的な大逆転もあった訳だから麻雀は最後の最後まで本当に分からない。
決勝に残った4名にはそれぞれの持ち味を発揮した誰が優勝してもおかしくない素晴らしい対局を魅せていただいた。
また、優勝した福永には関西協会を代表する打ち手として今後の更なる活躍を期待せずにはいられない。
プロアマリーグに参加してくださった全ての皆様に感謝し、2018年度の協会関西プロアマシリーズの締めくくりとしたい。
しかし、戦いはまたすぐ始まる。
次回の協会関西プロアマシリーズは4月29日に開幕です。
多くの皆様にご参加頂き真剣勝負のワンデー大会とそれらを制した猛者16名によるGC大会をぜひ楽しんで頂ければと思う。
(文・プロアマ運営責任者 小室勇人)
|