≪大会レポート≫
今期、8年目となるチャンピオンロード。一発目は「ClubNPM感謝祭」として、多数の女流ゲスト参加で4月29日(祝・昭和の日)に行われました。
「柳」の銀座本店、勝どき店、2会場がすべて埋まる定員オーバーの状態で、お申し込みは数日前からキャンセル待ちの状態でした。
この場を借りて盛況の御礼と、心苦しくも当日お断りとなった方へのお詫びを申し上げます。
さて、私(五十嵐)は、この日のレポート担当でした。
4回戦で敗退となると、決勝までの時間が空くので、少しでも長く打ちたいと思っていました。
ところが1回戦、赤牌は毎回来るし、手役は入るし、絶好調で+89.2の大トップ。
2会場で合わせてもトップに立ちました。これ、もしかしたら、レポートは自戦記になるかも。打ちながらメモ取れないよなぁ?
その後、3回戦にもトップを取りましたが、あとは2着、3着ばかりで得点は伸び悩み、順位はズルズル下がるばかり。
かろうじて残った6回戦、決勝に進む条件は同卓の羽田ともよ共々、ポイント上位の嶋田学さん、高津圭祐どちらかをラスにしてトップを取ること。
そして、高津が大きくマイナスしてラス目!(これはホンイツトイトイ役役のハネ満を直った羽田の功績)
オーラス、このままなら羽田が決勝進出。私は3着でしたがハネ満ツモッて羽田をまくればOK。
ここでラス親の嶋田さんが親満ツモ。……私、倍ツモ条件になりましたが(泣)。
1本場は、私はもちろん、羽田も嶋田さんを捲り返す手が入らず流局終了。決勝はやっぱりレポート用のメモ取り。あくまでも予定通りです!
なお、公式戦初参加のミク・ドール・シャルロットをはじめ14人いた女流は、羽田ともよ、庄司麗子が6回戦まで進んだのが最高でした。
ということで、過去最大の参加者120人の中から決勝7回戦に勝ち進んだ4人とそれぞれの持ち越しポイントは、
秋山 裕邦+368.7
水嶋 俊 +325.3
嶋田 学 +251.9
高津 圭佑+209.9
一般の嶋田さん以外は協会員です。もっとも、グランドチャンピオン大会で2度優勝の実績がある嶋田さんは、この場ではむしろ格上でしょうか。
優勝条件は、秋山は逃げ切るだけ。
水嶋も普通にトップを取るだけ。秋山2着でもわずか3500点上回ればOKです。秋山ラスならば2着でも条件がでます。
嶋田さんは大きめのトップを取って秋山ラス、水嶋3着にするという条件付き。
高津は難しいなぁ……。6回戦で羽田にハネ満を打ってハコ寸前のラスになったのが悔やまれます。
座順は高津→水嶋→嶋田→秋山の並び。
他の決勝とちがって、チャンローは普通に場決め、起家決めをしますが、ラス親を引き当てたことで秋山がますます有利になりました。
東1局、水嶋リーチ。嶋田さんがまっすぐ行って放銃、1300点。
莫大なトップを取らなければならない高津の親はあっさり流されました。
東2局、水嶋が連荘狙いで ポン。すぐに嶋田さんがリーチ。マチはカンチャンでしたが、三色確定の大物手でした。
            ドラ
これをツモッて3000・6000(裏ドラ )。
東3局、親となった嶋田さんはピンフをヤミテン。
            ドラ
ドラが なので、リーチで2600オールを狙いに行く手もありますが、大きいトップがほしいので 引きの手替わり待ちだったのでしょう。
このまま秋山が ツモ切りで1500放銃。
1本場、嶋田さんがタンヤオのカン リーチ。
            ドラ 裏ドラ
リーチの3巡後に を持ってきたために後ひっかけとなって秋山が放銃。3者が喜ぶ秋山ラスの展開になりました。
2本場、嶋田さんは3巡目に ポン、7巡目に高津の切ったドラ をポン!
その瞬間の嶋田さんの手は、
      ポン  ポン  ドラ
赤も2枚あるのでアガれば親ハネ以上でしょうが、役も最終形も見えません。
バック?トイトイ?私のメモには「気合の仕掛け」と書いてあります。
まあ、このまま脅してテンパイ連荘ぐらいはできるか、と見ていたら、水嶋が反撃のリーチ。
3メンチャンであっさりツモッて1300・2600+2本場。
            ツモ ドラ 裏ドラ
東4局は高津が終盤にリーチ。
            ドラ
親の秋山はイーシャンテンまで。流局。
南1局1本場、親の高津がリーチ。
            ドラ
すでに2フーロしてテンパイを入れていた水嶋が無スジをバンバン切り飛ばす。
「そんなに高い手なのか?」と思って見ると、実は ノミ。 をツモッて、やっと500・1000。
      ツモ ポン  ポン  ドラ
しかし供託2本と積み棒で4300の収入。持ち点29400となってトップの嶋田さんに7600と迫ります。
親番を迎えた水嶋、すぐにでもアガれそうな好配牌。
             ドラ
第1打は当然の 。すぐに を持ってきてかぶり捨てます。 も鳴けずリャンシャンテンのままの6巡目、秋山から「ツモ!」の発声。
            ツモ
前述したようにこの巡目で水嶋がすでに2枚切っている悪形のカン でしたが、テンパイ即でツモッてハネ満。
水嶋に親かぶりさせて、ラスから一気に2着に浮上。嶋田さん、水嶋、ともに重苦しい雰囲気に。
ラス前、親の嶋田さんはとにかくアガリ続け、できれば秋山を直ってせめて3着に落としたいところ。
嶋田さん、まずは ポンで1500(放銃・高津)。
1本場、配牌イーシャンテン。2巡目に絶好のカン を入れて打 でリーチ。一発でツモッて2600オール。
            ツモ ドラ 裏ドラ
トップが遠のいた水嶋はますます辛くなった。
2本場、嶋田さん今度は喰い仕掛け、9巡目にテンパイ。
      ポン  ポン  ドラ
これを秋山から取れればあるいは……しかし、このときすでに秋山はヤミテンを入れていた。
            ドラ
嶋田さんが を持ってきて放銃。これで残すは秋山親番の1局のみ。
それぞれの持ち点は、
嶋田さん40400 秋山25700 水嶋20700 高津13200
高津はトータル3位に浮上するだけでも役満が必要。ダブル役満ツモなら優勝。
嶋田さんは秋山をラスにしなければなので、倍満直撃。または素点を稼ぐ役満ツモ。
水嶋はトップになればいいので、嶋田さんからハネ満直撃、倍満ツモ。
3人のなかでは水嶋が一番条件が緩いですが、それでも相当な難易度。
そして、残り1局でそんな手がテンパイするはずもなく、流局。
秋山の逃げ切りで終わりました。おめでとう。
今期からチャンピオンロードで年2回、またはグランドチャンピオン大会優勝が雀王戦の特別昇級(B2リーグまでが上限)となったこともあって、
秋山の優勝コメントは「今期、もう一度優勝したい」。
これを聞いて、「そう簡単にさせてたまるか」と思った大人げない奴がここに一人いることだけは伝えておこう。
チャンピオンロード、次回は7月17日(月・祝)です。前述したように特昇対象となったこともあって協会員の参加も増え、今回のように定員オーバーとなることも予想されますので、早めの参加申し込みをお薦め致します。
(文・五十嵐 毅)
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