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≪大会レポート≫

9月22日(木)、今年も第7回チャンピオンロード〜新人王シリーズ〜が開催されました。
今回のレポートは、第15期新人王の高津圭佑が担当させて頂きます。

9月の東京は雨が降らない日が僅か2日間。
台風の本島上陸数も例年に比べて多く、洗濯物も思うままに干せない日々が続きました。
電車内や外出先の店舗に頻繁に傘を忘れてきてしまう私にとっては、常に気の抜けない日々の連続でした。
私は入会3年目にして初のチャンピオンロード参加、ましてやゲストということで、通常のリーグ戦以上に気合を入れました。
朝食はゲンを担いでカツ丼を食べ、睡眠も充分という万全のコンディションでいざ有楽町へと向かいます。
会場に着いた瞬間、自らの右手にしっかりと握られた傘を見つめ、まずは気持ちの上で一次予選通過といったところでしょうか。

当日は総勢88名、2会場に分かれての開催という盛況ぶり。
歴代新人王も、私の他に朝倉ゆかりプロ(第7期)、黄河のんプロ(第12期)が参加。
残念ながら歴代新人王は決勝に残ることができなかったが、その気持ちが乗り移ったかのように協会からは澤橋将人プロが6戦5トップに2着1回という抜群の成績で堂々1位の決勝進出を決めた。

決勝進出者は、
澤橋 将人プロ +369.6p
櫻井 邦俊さん +306.0p
高橋 清志さん +274.3p
今中 正宗さん +260.8p
(以降敬称略とさせて頂きます)

決勝までのポイントが全て持ち越しとなる為、やはり決勝は澤橋が有利。
半荘1回の決勝戦となるため、澤橋以外の優勝条件は、自らのトップ+条件付。
現実的な優勝争いは、櫻井が澤橋と(1)トップラス(2)3600点差以上のトップ3着(3)23600点差以上のトップ2着を決めることか。
高橋と今中は澤橋と大きなトップラスを決めなければならない。
4者それぞれにこれまで以上の緊張が感じられる中、決勝が開始された。
並びは、澤橋→櫻井→高橋→今中

東1局(親・澤橋)
この親にだけは和がられたくない。3者共通の念が伝わってくる。
しかしこの日の澤橋の勢いの前に、そんな3者の思いは直ぐに打ち砕かれた。
東家・澤橋 13巡目
 ツモ ポン ポン ドラ
開局早々、あまりにも大きい澤橋の4000オールの声が響き渡る。ああ、やはり澤橋か。
対局を見守る全員の心の声が聞こえた様な気がした。
私自身、これは3者にとっては相当苦しい展開になった、と感じた。

しかしそんな思いは即座に裏切られることになる。

東2局(親・櫻井)
15巡目に以下の手牌からをツモると、迷うことなくを横に置いた。
東家・櫻井
 ドラ
なんとこのリーチ、まるで先程の澤橋の単騎のツモアガリのお返しと言わんばかりに一発でをツモ。
櫻井渾身の6000オール。

更に流局を挟んで連荘した櫻井は、
 ドラ
この七対子テンパイをダマテンで、澤橋から2400は3600点を直撃。

このアガリで櫻井が48200点のトップ、澤橋が24200点の2着となり、24000点差のトップ2着。
トータル首位が僅か0.4p差で櫻井となった。

こうなると苦しいのは高橋と今中。
次局、今中は萬子のホンイツ仕掛けで積極的に前に出る。だがここは高橋が文句なしの最終形で7巡目にリーチ。
 ドラ 裏ドラ
このリーチに宣言牌のスジを頼った親の櫻井が一発で飛び込み満貫の放銃。
この横移動で澤橋が再びトータル首位に立つ。

東3局(親・高橋)
前局に満貫をアガって迎えた親番。何とか更に波に乗りたいところ。そんな思いが通じたかのように高橋にまたも手が入る。
東家・高橋 10巡目
 ツモ ドラ
待ってましたと言わんばかりにリーチ。
だが無情にもその宣言牌のに、既に仕掛けていた櫻井から「ロン」の声。
打点こそ1000点の放銃だったが、この勝負手を蹴られたダメージは大きい。

続く東4局(親・今中)でも、高橋が櫻井の仕掛けに飛び込む。
西家・櫻井 15巡目
 ロン ポン ドラ
今度は打点もあり、高橋はまたも苦しい立場に。
親の今中も仕掛けてテンパイを入れていただけに、苦しい展開。

このアガリで点棒を取り返した櫻井。澤橋と櫻井の優勝争いは緊迫する。
南入時の首位は澤橋。だがその差は僅か0.1p差である。
ここからの澤橋、櫻井の一打一打にはこれまで以上の重みを感じた。

しかしここまで一番苦しんでいた今中も意地を見せる。
南2局2本場(親・櫻井)
10巡目にかけたリーチを力強くツモアガる。
 ツモ ドラ 裏ドラ
このアガリにより、今中が澤橋を捲ってこの半荘の2着目に浮上。
澤橋が、優勝するためには今中を上回って2着になる必要がある。
そうは言っても澤橋と今中の点差は近い。全員の条件が確認されて、いよいよ運命のオーラスが始まった。

全員の持ち点は、
櫻井 43100点
(親)今中 25300点
澤橋 21900点
高橋 8700点
供託1000点、3本場。

櫻井はアガれば優勝。
澤橋は今中を上回れば優勝。供託と本場がある為、澤橋は300・500以上のツモアガリ。
今中からは1000点以上の出アガリ、高橋、櫻井からは1600点以上の出アガリで優勝となる。
時間規定により1局勝負になる為、今中と高橋が優勝を狙うには条件が厳しく、現実的には澤橋と櫻井の和がった方が優勝という形となった。

二人の配牌を取る様子は今までで最も慎重に、そして何か祈りをこめている様に感じられた。

南4局、 両者以下の配牌。

澤橋(南家)
 ドラ

櫻井(西家)
 
先に櫻井がをポン、そして加カンもして前に出る。
大きく場が動いたのは10巡目。

澤橋が、
 ドラ
から、上家の今中から切られたをチーして一通を確定させ2000点のテンパイ。どこからアガっても優勝だ。

そして澤橋のテンパイ打牌のを櫻井も仕掛けてテンパイ。
櫻井
 チー 加カン ドラ
すぐに高橋が先ほど今中が切ったばかりのを切ると、これを櫻井がロン。
この接戦を制したのは櫻井邦俊さん!

最後の最後までどちらが勝つか分からない展開で、途中からレポートを書くためのペンを動かすのを忘れる程でした。

優勝した櫻井さん、おめでとうございます。
終始攻めの姿勢が伺え、優勝を狙うという強い志が一打一打から感じ取れました。
これからの更なる活躍に期待致します!

最後に条件を満たすテンパイを入れるも実らず悔しそうな表情を浮かべた澤橋プロ。
そして苦しい展開が続きながらも最後まで粘り強い麻雀を打っていた今中さんと高橋さんも、いつかまたこの決勝の舞台で活躍することを期待しています。

私自身も引き続き日々の活動に尽力し、決勝の舞台で戦いたいという思いが一層強くなりました。
この白熱した一日を終えて自宅に帰った私の右手には、やはり数時間前まで握りしめていた傘が見当たりませんでした。
あぁ湘南新宿ライン・・・。まだまだ未熟者です。案の定今大会の結果もベスト32止まりでした。

最後に、この大会に参加された全ての方々、並びに当協会の運営に御礼を申し上げ、今大会のレポートと致します。ありがとうございました。

(文・高津 圭佑)

 

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