
≪大会レポート≫
今年もついに始まりました、第7回チャンピオンロード。どうも、13期前期の中月裕子です!
今回は人生初めての観戦記を書かせていただきます!というのも私は、先日行われた『第7回チャンピオンロード〜ClubNPM感謝祭』の丁度一年前の同シリーズで優勝したディフェンディングチャンピオンでございます。えっへん。
今回もゲストで呼ばれ、何かと縁のある大会なのですが5回戦であっさり敗退してしまったので泣く泣く筆をとらせていただきます。
さて先日のチャンピオンロードも沢山の出場者で賑わいました。
特に他のシリーズに比べて今シリーズは女流プロが多く参加しており、今回も12名ととても華やかな大会になったと思います。
そして勝ち進んだ者だけが残れる決勝も女流プロが2名残るなど、華やかなものとなりました。
では決勝進出者を紹介したいと思います。
木原孝文 +287.5
庄司麗子 +228.4
三添りん +202.3
中田智暁 +199.6
横に記載の数字は準決勝までのポイント。
決勝戦はこのままポイントを持ち越しで行い、最後に1番ポイントが多い者が優勝となる。
他の3人とポイントを50以上離し一位通過を果たしたのはチャンピオンロード常連の木原さん。
木原さんは3年前のチャンピオンロードでも一度優勝しており、今回が3年ぶりの決勝との事。恐らく4人の中で1番この大会を戦い慣れているであろう。
2位は協会の庄司麗子プロ。言わずと知れた肉食系雀ママ。
実は彼女はこの日、決勝に来るまでの道中で役満を放銃したらしい。
それでも決勝に残れるほど、彼女の攻撃はとても強力なものである。
3位もまた協会の三添りんプロ。
私は準決勝で彼女の後ろで見てたのだが、彼女がリーチをしている最中に時間打ち切りとなってしまい、決勝に行くには裏裏ツモ条件。
これを見事にツモって裏裏を乗せて通過した強者。正直1番キテると思った。
4位は一般の中田さん。決勝の舞台は初めてらしく、とても緊張している様子だった。
ポイント的に木原さんがかなり有利で、三添プロと中田さんはトップ条件かつ木原さんとトップラス程の点差を離さなければならない。
庄司プロは木原さんが2着だと19200点差つけなければならない。
こうして決勝戦は始まった。
起家から三添-木原-中田-庄司の順番。
東1局。開始早々、庄司が一打目から仕掛ける。
         ポン  ドラ
ソーズのホンイツと小三元を見た仕掛け。
その後 の仕掛けも入れ
、
      ポン  ポン  ドラ
いきなり満貫のテンパイで期待したのだが、終盤で木原も平和のテンパイを入れ2人テンパイで流局した。
東2局1本場、親の木原は5巡目に果敢に仕掛け始める。
         チー  ドラ
その後も12巡目でタンヤオのチーテンを入れた三添から をチーし、3人に圧力をかける。
中でも圧力を受けたのは中田。同巡に平和のテンパイを入れるが、
             ドラ
親の木原のチンイツ仕掛けに対しドラの が切れず、 で様子を見た。
その後、 を引き入れてドラを使える形となり、 待ちのリーチをいれる。
その後木原も3副露目を入れリーチに対して攻め込む。
そして中田の当たり牌のドラは、3人にとって1番望まないところに渡ってしまった。
木原
   ツモ ポン  チー  チー  ドラ
力強い6000オール。
3人にとって1番点差をつけなきゃいけない木原のアガリとなった。
東2局2本場。
木原の好きにさせまいと、庄司と中田がリーチでぶつかる。
結果は庄司がタンヤオ・ドラドラをツモり2200、4200のアガリ。
東3局、親の中田は木原から を鳴き、タンヤオの仕掛けを入れるが、その後 を2枚引くと、
          チー  ドラ
ここから一枚切れの を選択し、より打点のあるダブ バックに決めた。
見事ダブ も鳴く事が出来、2巡後に ツモ。
タンヤオドラ1から始まった仕掛けが4000オールに化けた。
その後の1本場もドラ1のダマテンをツモり1100オール。木原と8000点差まで詰め寄る。
続く2本場、中田の手牌。
            ドラ
ドラドラの勝負手。しかし は三添ともちもち。
2人とも中々テンパイせず巡目が進む中、木原が のポンを入れ、マンズのホンイツに寄せる。
そして中田がツモ切った に声がかかる。
木原
      ロン チー  ポン  ドラ
木原がさらに8600点の加点となり、45100点持ちとなる。
中田はもちろん、他の2人からしても苦しい展開となった。
続く東4局は庄司の親番。
すると5巡目にして勝負手のテンパイが入る。
            ドラ
庄司の点棒状況は24900点持ちの2着目。
木原を捲りさらに点差をつけたいので を外し出来ればソーズのホンイツに寄せたいところだが、庄司は即リーチを選択した。
河に が切れてる事で の出アガリが期待出来るのと、5巡目テンパイを外していつテンパイするかわからないハネマン以上を狙うより、
5巡目リーチで4000オールツモを取りにいく方が良いという考えであろう。
しかし次巡に現物待ちでテンパイした中田が三添から1300の出アガリで庄司の親は流れた。
東場が終了した時点での点棒状況、
木原 45100
庄司 23900
中田 22200
三添 8800
ここまで手が入らず苦しい展開となった三添。
しかし南1局の親番で5巡目の平和ドラ1のテンパイが入り、リーチ。4巡目後にツモ。
            ツモ ドラ 裏ドラ
裏も乗り、4000オール。
これで木原以外の3人は3000点差以内の平たい状況となった。
続く1本場、三添はタンヤオ良形のイーシャンテンから 暗カンをするが中田からリーチが入る。
果敢に攻め込む三添だが をツモ切り、中田にリーチ平和ドラ1の1本場で4200点の放銃。
南2局は庄司と中田の2軒リーチのめくりあいとなり、庄司が中田に2600の放銃。
ラス前の南3局、中田の親番。
のポンを入れると、ドラの が重なって頭となり、 - 待ちの5800のテンパイとなった。
ピンズの染め手をしていた三添から を出アガる。
中田はまた木原と1万点差まで詰め寄った。
続く2本場、庄司に勝負手が入る。
            ドラ
8巡目でテンパイし、リーチ。15巡目で ツモり3000、6000のアガリ。
そしてついにオーラスとなった。
木原 38000
庄司 28600
中田 25700
三添 7700
オーラス親の庄司はひたすら連荘するのみだが、中田は木原に倍満直撃、三添は三倍満直撃条件。
かなり厳しいものとなった。
そんな中始まったオーラス、木原は王者の余裕を見せるかのように3巡目にオタ風の のポン。
その後も 、 と連続でポンの仕掛けをいれる。
そして三添が放った にロンの声がかかる。
   ロン ポン 
ポン  ポン  ドラ
優勝は木原さんとなった。
最後は - のリャンメン待ちの選択もあったが、3人の条件が厳しい事もあって最後まで王者の強さを見せつけるような選択であった。
今回の決勝、木原さんの最低打点は8000点。
上がり回数が多いわけでもなく、勝負時に高打点の手を作りきっちり上がって、そうでない時は丁寧におりて局を消化させる、といったスタイルが印象的だった。
中田さんと庄司プロも高打点で攻めこんでいたが、東2局の木原さんの6000オールがとても大きい壁だった。
三添プロは終始苦しい展開で、手牌にも恵まれなかったように思う。
木原さん、2度目の優勝おめでとうございます。
決勝が始まる前に彼は言っていた。
「今日は自分の日かのように何もかも上手くいってる
今回決勝戦を観戦していて、私は思った。
彼の今まで3年間チャンピオンロードに出続けた経験の積み重ねこそが今日という日を生み出せたのではないかと。
私も競技プロとして色んな経験を積み重ねて「自分の日」を見つけていきたいと思う。
(文・中月 裕子)
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