≪大会レポート≫
今年で4年目を迎えるチャンピオンロード
その集大成であるグランドチャンピオン大会(以下、GC大会)が3月21日神楽坂「ばかんす」にて開催されました。
今回観戦レポートを担当するのは、チャンローの申し子こと12期前期入会の柳田です。
チャンピオンロード初参戦となった雀竜位シリーズで優勝!
そして、日本オープンシリーズでも優勝!
今年のチャンピオンロードで前人未到の年間2勝を挙げて、チャンピオンロードシリーズ最多勝選手になりました。
このチャンピオンロードは麻雀プロにも一般の方にも自分を知ってもらう大会となったので、とても思い入れのある大会です。
それでは、チャンローに精通している柳田が簡単にチャンピオンロードのシステムを説明します。
各シリーズは予選を4回行います。その後はポイントを持ち越して、28人で5回戦、12人で6回戦と行い、最後に4人で決勝(7回戦)を行います。
その各シリーズの結果(順位)に応じてグランドチャンピオンロードポイント(以下、GCポイント)が与えらます。
全シリーズ終了後にポイントが集計され、上位24人にGC大会の出場権が与えられます。
そして、年度末に行われるGC大会に招待選手として出場することができます。
GC大会は予選を5回戦行い、その後ポイント持ち越しで、準決勝(8人)、決勝(4人)の全7回戦で行われます。
今年度のGC大会は誰が優勝するのでしょうか。
GC大会とあってどの卓でも各シリーズの優勝者、決勝進出者がいます。
参加者のほとんどの方とは対局したことがあるのですが、皆さん強い打ち手ばかりです。
そんな中、GCポイント1位で通過した優勝候補の柳田は、当然の予選通過といきたいところでしたが…
1回戦僅差で競り勝ちトップをとるもその後は結果が振るわず、予選敗退となってしまいました。
準決勝の6回戦に進出したのは、以下の8名です。
5回戦終了時スコア
1位 西村 仁朗さん +201.0
2位 瀬本 裕志さん +152.5
3位 山田 亮さん +139.7
4位 小野 遼介さん +136.9
5位 白石 雅晴さん +101.4
6位 小柳出 健二さん +87.0
7位 菅野 光さん +85.9
8位 山下 健治さん +82.9
(以下敬称略、姓だけで表記)
準決勝は以下の卓組で行われました。
1卓 西村、小野、白石、山下
2卓 瀬本、山田、小柳出、菅野
それでは、準決勝1卓から見ていきましょう。
現在、トータルトップの西村さんは1回戦から3連勝をして一気にポイントを伸ばしました。
優勝を見据え、ポイントを伸ばしたいところですが、連対でも十分といったところでしょうか。
守備型のスタイルで無駄な放銃はしない小野さんは本日もラスを回避し着々とポイントを積み重ねてきました。
トップをとれば決勝進出が確定、連対でもほぼ決勝進出ができる位置につけています。
紅孔雀出身の白石さんはトップをとれば決勝進出ほぼ確定、それ以外では厳しいので、何としてもトップが欲しいところです。
日本オープン優勝経験もあるRMU所属の山下さんは普通のトップでは、他の人の動向次第となります。
できればそれは避けたいので、大きなトップがほしいところです。
そして、この準決勝はトップ条件の白石さんと山下さんの2人のアガリ競争になりました。
オーラスに山下さんのリーチが入るも自力で勝負を決めにいった白石さんのトップとなりました。
準決勝1卓
白石 +68.0
山下 +12.9
西村 ▲26.8
小野 ▲54.1
もう一方の準決勝2卓は以下の模様となっています。
トータル2番手につける瀬本さんは、連対すれば確実に決勝進出、3着で周りの状況次第といったところです。
トータルトップとは50ポイント近く離れているので、ここでポイントを稼いで差をつめておければ理想的です。
チャンピオンロード常連の山田さんはチャンピオンロードが始まってから1回欠場した以外はすべての大会に参加しています。
今回は連対が条件となりますが、決勝戦を見据えトップがほしいところです。
トップが最低条件の小柳出さんと菅野さんは、上位陣を沈めてトップをとりたいところ、
もしくは大きなトップで決勝進出を確定させたいところです。
結果は接戦を制した山田さんのトップで終了となりました。
瀬本さんは3着ですが、ポイントをあまり減らさずに済んだので、ギリギリのラインに踏みとどまりました。
準決勝2卓
山田 +54.7
小柳出 +3.8
瀬本 ▲16.6
菅野 ▲41.9
最終的に、準決勝1卓でトップをとった白石さんと、2卓でトップをとった山田さんが決勝進出となりました。
トータル1位の西村さんと2位の瀬本さんがそれぞれの卓で3着となったもののそれまでの貯金もあって決勝進出を決めました。
決勝戦前の各者のポイントです。
山田 +194.4
西村 +174.2
白石 +169.4
瀬本 +135.9
トップをとった人がほぼ優勝です。
瀬本さんだけ山田さんとの差がありますので、多少の条件はありますが、現実的な条件といっていいでしょう。
それでは、決勝戦の模様です。
瀬本→白石→山田→西村の並びでスタート。
東1局、さっそく3者がリーチでぶつかります。
白石(南家) 8巡目リーチ
ドラ
山田(西家) 11巡目リーチ
瀬本(東家) 14巡目リーチ
結果は白石さんがをつかみ山田さんの頭ハネで2600のアガリとなりました。
3軒リーチを制した山田さんは大きなアガリとなりました。
そして山田さん以外の3人テンパイで迎えた東2局1本場は山田さんが再びリーチと攻めます。
東2局1本場、山田(南家)
ドラ 裏ドラ
ここに満貫が見える親の白石さん、リーチの1巡目にイーシャンテンになり、かのトイツ落としの選択になりました。
ここはドラがなので、を押します。
それが一発となり、8000の放銃となってしまいました。
続く、東3局は白石さんの反撃です。
5巡目に満貫確定のリーチと打ってでます。
東3局、白石(北家)
ドラ
13巡目にきて、親の山田さんもリーチ、同巡に西村さんもリーチとまたしてもリーチ合戦になります。
ここは、白石さんが制し、西村さんから8000のアガリとなりました。
放銃で一歩出遅れた西村さん、親番を迎え反撃といきたいところです。
7巡目に高め三色のリーチを入れます。
東4局、西村(東家)
ドラ
一方、親のリーチに対して満貫テンパイで押すのは瀬本さんです。
瀬本(南家)
チー チー ポン
瀬本さんが、最終ツモ番でを引き寄せ満貫のツモアガリとなりました。
乱打戦で局が進み、早くも南入となりました。
南場になり、各者の点数状況は以下の通りです。
瀬本(東家) 34000
白石(南家) 22100
山田(西家) 31900
西村(北家) 12000
まずは親番の瀬本さん、条件的にもここで加点したいところです。
その思惑を打ち砕いたのが西村さんと山田さんです。
12巡目に2人からリーチが入ります。
行くしかない瀬本さんの手牌はピンフドラ3のイーシャンテンです。
結果は瀬本さんが西村さんにつかまってしまいました。打点が1300点だったのが不幸中の幸いといったところでしょうか。
そして、白石さんが親を迎え、ここで一気に加点します。
まずは、ドラアンコの手牌で、6000オールのアガリでトップ目に立ちました。
続く1本場では西村さんから10巡目にリーチが入るも白石さんは16巡目に高め三色で追っかけます。
安牌に窮した山田さんを一発で捉え18000は18300のアガリとなりました。
南2局1本場、西村(西家)
ドラ
白石(東家)
ロン ドラ 裏ドラ
山田さんは大きな放銃となってしまいましたが、まだ親番が残っています。
早く白石さんの親番を落としたいところなので、果敢に攻めます。
結果、山田さんが1000・2000は1200・2200をアガリ自力で親を引き寄せます。
その山田さんの親番ですが、まだ親が残っている西村さんが8巡目にリーチときます。
引けない山田さんは西村さんに8000を放銃してしまい、望みが断たれてしまいます。
そして、オーラスを迎え、各者の点数は以下のようになりました。
西村(東家) 14100
瀬本(南家) 25500
白石(西家) 57200
山田(北家) 3200
瀬本さんは白石さんから倍満直撃条件、山田さんは白石さんからの役満直撃条件となってしまいました。
親の西村さんは白石さんを上回るまでアガリ続けなければなりません。
現実的には西村さんと白石さんの一騎打ちというところでしょう。
その親番の西村さん、8巡目にドラ暗刻のリーチを放ちます。
南4局、西村(東家)
ドラ
白石さんは必死にオリますが、西村さんをツモり6000オールとし、点差を19100とします。
満貫直撃や6000オールで白石さんをかわすところまできました。
これで条件がだいぶ現実的となってきました。白石さんも余裕ではなくなってきました。
同1本場でその白石さんがイッツーのしかけでペンのテンパイをいれます。
白石さんとしては、ここで決めたいところです。
南4局1本場、白石(西家)
チー ドラ
西村さんもイーシャンテンまで漕ぎ付けますが、白石さんがをツモり、優勝を決めました。
決勝戦スコア
白石+72.6 西村+11.5 瀬本▲21.9 山田▲63.2
最終トータルスコア
白石+242.0
西村+185.7
山田+131.2
瀬本+115.0
第4回GC大会、優勝は白石さんとなりました。おめでとうございます。
白石さんは表彰式で、
「今日はツイていました。今日はダメなところもたくさんあったので、もっと勉強してまた来年連覇できるようにがんばります」と謙虚にコメントしていました。
優勝者のシードがないシステムですが、白石さんにはぜひともまた来年がんばってほしいものです。
白石さんのコメントを聞いて、柳田もまた来年このステージに戻ってきたいと思いました。
これで今年度のチャンピオンロードはすべてのシリーズが終了しました。
また4月から熱い戦いが繰り広げられることでしょう。
皆さまのご参加、心よりお待ちしております。
そして、最後に改めて、白石さん、優勝おめでとうございます。
来年は決勝で戦いましょう!
(文:柳田憲昭)
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