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≪大会レポート≫

さて、6月9日(土)に開催されました、今回のチャンピオンロード雀竜位シリーズ。
なんと、チャンピオンロード大会初の歴代タイトルホルダー全員が出場という事になりました。

・第1・2期 鍛冶田良一
・第3・4期 小倉孝
・第5期 石野豊
・第6期 吉田基成
・第7期 福田聡
・第8期 伊達直樹 
・第9期 内海元
・第10期 仲林圭

こうしてみると実力派と呼ばれる協会員が勢ぞろいの豪華な面子である。
「なんか今日は久々に協会員が勝っちゃうのかも」とか思っていた。

実際に4回戦、5回戦終了時に全体の成績を見てみると、最近では珍しく協会員が上位に多い。
ベスト12人の中に協会員が5人!なんと私自身もここまで勝ち残りで、トップだったら決勝卓が見える状況!

ここまで来たら俺がとってやんよ!
と意気込みながら6回戦の卓につく。
同じ協会員の多田ひかり・コウ両名との接戦の中
迎えた南2局親番、決勝進出・優勝に向けての最後の勝負所にて多田の仕掛けに真っ向勝負!!

多田「ロン、12000」

(・0・)(・0・)(・0・)
どうやら私はここまでのようです。
後は宜しく。

※しょんぼりしながら帰ろうとしたところに運営の佐久間さんから急遽依頼されて、このレポートを書く事に。

さて決勝面子とポイントはこんな感じ。
1位 コウ 254.8P
2位 小倉 孝 208.2P
3位 坪川 義昭 207.4P
4位 多田 ひかり 166.2P

・・・なんと全員協会員。
というか俺以外でベスト12の残った4人の協会員が全員残っている(涙)

現状はコウが優位だが、小倉・坪川の両名はトップを取れば十分に逆転可能な範囲である。
私にトドメを刺した多田だけはトップラスといった並びも必要で少々キツい。

さて席順は坪川・コウ・小倉・多田の順で決勝開始。

東1局〜3局と現状首位のコウが安手ながらも場を回していく。
この日の彼の好調を示すがごとくの軽い手牌と、ソツのない手順だった。

東4局を迎えて、コウが3万点弱ながらのトップ目。
小倉・坪川ともにトップを取っても、コウが2着の場合は6000点以上の素点差が必要である為、
コウの 先行はそれなりのプレッシャーだったはず。並びを作る必要がある多田はさらにキツい状況であった。

そんな中迎えたこの多田の親番、ここから場が動き出す。
まず坪川が下記の手牌、
 ドラ
ここから落ち着いて形を作りにいく打
そして数巡後に、コウからのリーチを受けた時に以下の形だった。
 ドラ
少々後手を踏んでいるが、仮に放銃を回避してもコウにツモられるとかなり厳しいことになる。
よって、ここから坪川は真っ向勝負を選択する。
多田からのをチーして、無スジを切り飛ばし、執念のツモで1000・2000。

 チー チー ツモ ドラ

コウの「ここで決める」という意志と坪川の「決めさせない」という意志が明確に伝わった一局だった。

そして迎えた坪川の親番。
それなりの配牌だったが、多田からのリーチを中盤に受けて、こんな形のイーシャンテンとなる。
 ドラ
現物があればオリの選択肢もあるが、残念ながら無し。そうなるともう勝負しかない局面。打牌候補はだろう。
そして多田のリーチがこれだった。
 ドラ
を選ぶと坪川さようなら。

多田の捨て牌や自分の牌姿を見ても優劣はほとんど無い選択、まさに指運だった。
緊張の一瞬。

そして長考の結果選んだのは

次のツモがなんと黄金クラスの

 ドラ
坪川カッコイイ!
もしも後ろで女の子が見ていたら惚れそうな瞬間!!
(残念ながらギャラリーは私だけだったが)

が多田の現物であり、ここはダマ。
するとその直後、なんと今度は対面の小倉がリーチを宣言。

果たして誰が勝つ!?
と思ったら、小倉のリーチ宣言牌にロンの声は、
なんと全く勝負気配の無かったコウから。
 ロン ドラ
勝負どころを制するとてつもなく重い2000点、
「こりゃ決まったかも」という空気が会場に漂った。
これでコウが35400点のトップ目となり他家の条件は更に過酷になる。

そんな次局南2局、親番のコウが一巡目に自風のをポン。
さすがにこのリードした親番でコウの仕掛けが愚形のはずは無い。
高くて早いケースがかなり多いだろう。
つまり勝負を完全に決定付ける手ということである。
場況判断力の高い小倉あたりからは本格的に「ダメかも」という空気が漂ってきていた。

実際の手はこんな感じの6巡目聴牌。
 ポン ドラ
まあ高くは無いが早い。
とりあえずの連荘狙い、他家に動きがあればオリるだろう。

と思っていたのだが、ここから想定外の事態発生。
小倉がを暗カンしてドラが増えた直後に多田がリーチ、そしてこれにコウが一発で放銃。
 ロン ドラ 裏ドラ??
裏ドラを「?」と書いているのは、まさかコウがこのリーチに一発で打つとは思わず、メモする時間がなかった為である(笑)

彼はそれなりにリードをした親番、しかも多田にだけはトップを取られても問題ないポイント状況、彼女の現物も幾つか持っている。
スジ等の危険度Bクラスの牌で打つならとにかく、無スジを河に置くというのは全く想定していなかった。

これが決勝の緊張がなせる業なのか、本人も「気が動転してた」という大きなミス。
そしてこのアガリで色めき立ったのは、あがった多田本人より現実的条件が出てきた小倉・坪川両名である。

実際に次局小倉親番、小倉が決勝初和了となる5800を多田からアガりコウに肉薄する。
坪川も条件を満たそうと積極的に攻める。

が、それでも最後はコウがみずからの和了でなんとか逃げ切って優勝を決めた。
 チー ロン ドラ

で放銃した局以外は、コウは全局通してソツなく打てていた印象がある。

私自身は彼とそれなりの面識があり、競技麻雀というものに勤勉な男である事も知っているので、優勝してくれて素直に嬉しく思う。
これからも勤勉さを忘れずに、努力は必ず報われることを証明してくれるのを期待してます。

改めておめでとう。

追記:
決勝が終わった後、久々に小倉孝と酒を飲み交わす事となった。
ご存知の方もいるかと思いますが、彼は現在ポーカープレイヤーとしても高い知名度を得て、海外にいることが多いのです。
(その為にリーグ戦は不参加)
「最近協会に小倉って苗字が多くて俺の影薄い!このままだと忘れられそうだからかっこよく書いて!」

と、言われたのだが、特にとりあげる局面なかった。
ごめんよ。。。。。
皆さん、たまには彼の事を思い出してやってくださいw

(文・武中 進)

 

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