|1回戦|2回戦|3回戦|4回戦|5回戦| 【担当記者:武中進】
決勝進出者は以下の4名。 ・りんのなお 第16期前期 ・渡邊暁大(わたなべ あきひろ)第19期前期 ・大塚裕喜(おおつか ひろき)第18期後期 ・筥崎弘太郎(はこざき こうたろう)第16期前期
りんの以外の3人は初の決勝。 彼らは昨年度の安斎瞬のようにネット麻雀等で名をはせている存在でも無く、実力についてはほぼ未知数の存在と言える。 その点りんのは昨年度に連盟のビッグタイトル「プロクィーン」を獲得しており、経験と知名度では一枚上手の印象だ。
だがこの決勝こそが今後協会を引っ張るニューフェイスの出発点となる可能性もある。 思えば現雀王の矢島亨がその名を知らしめた最初のきっかけは第7期新人王戦決勝であり、それ以前の彼はほぼ無名の存在だった。 準決勝、決勝の矢島の麻雀はその実力とセンスを十分に感じさせる内容であり、この時の観戦記を担当していた私は準決勝の後に「優勝候補の筆頭は矢島」とメモした事を今でもよく覚えている。
勝負の行く末は勿論、そんな原石の発見を期待する中で始まった一回戦。 座順はりんの-渡邊-筥崎-大塚となった。
ファーストヒットを決めたのは大塚。 恵まれた手牌とツモで終盤に2000/4000をツモ和了で最高のスタート。
ツモ ドラ 裏ドラ
一方で序盤に躓いたのが筥崎。 りんのリーチに勝負した結果8000を献上し、苦しい立ち上がりとなる。
ロン ドラ 裏ドラ
だがこの直後の親番は一転して筥崎の王様タイム。 1000オール、2600は2700オールと連荘してあっさりと失点を挽回。 そして2本場ではタンヤオのリーチ、ツモって裏ものせて4000は4200オール、3本場も速攻で和了を決めて決めて気づけば4万点オーバーでダントツに。
だがこれに待ったをかけたのはりんの。 続く4本場に4巡目リーチ、これをきっちりツモって裏も載せ満貫、筥崎に親っかぶりをさせトップ争いに名乗りを上げる。
この後もりんの・筥崎の攻勢が続き、熾烈なトップ争いを繰り広げる展開。 結果は筥崎がりんのの猛攻を辛くも振り切りトップ、渡邊・大塚の3着争いは大塚が制す形で終了となった。
筥崎は勿論、大塚にとっても悪くない立ち上がりになった1回戦。 一方で2着目のりんのは少々複雑な心境だろう。 かなり手に恵まれた展開でトップでもおかしくなかったが、とにかく筥崎の効果的な和了と裏ドラの前にポイントを稼ぎきれなかった感がある。 そしてかなり厳しい展開でラススタートとなった渡邊。 特に南3局での勝負手からの満貫放銃と、南4局の先制3面待ちが筥崎へのカン放銃となりラスへの転落は、合わせ技で涙が出そうな展開だった。
だが内容は高度であり質が高い打ち手という印象。 一つ例をあげると東4局の進行である。
上記の形から巡目と全体の伸びを考慮して打。 ソーズ・ピンズを上手く伸ばし終盤に2000/4000をツモ。
それ以外の押し引きのバランスも非常にしっかりしており、2回戦以降特に注目したい打ち手である。
いずれにしてもまだ一回戦が終わったばかり、4者のこの後の奮闘に期待したい。
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