≪大会レポート≫
12月23日(祝)、第4回チャンピオンロードの第5戦であり、
本年最後の協会行事となったオータムチャレンジカップシリーズが開催されました。
今回のゲストプロは、先日行われた第8回オータムチャレンジカップ(以下オータムCC)優勝・菊地俊介
第4回優勝・大浜岳、5回優勝・伊達直樹の3名。
【開始前の各ゲストの挨拶】
菊地「オータムCCの決勝では雀王を連覇した鈴木たろうを倒して優勝しました。
ここで僕に勝てれば間接的にたろうさんを倒した事になるのでみなさん頑張ってください(笑)」
この挨拶がまさか壮大な前フリになっていたとは、この時点では誰も想像していなかったのでした・・・
伊達「この菊地というやつは、最近の若手の中では抜群に麻雀が強いんですよ。なのでみなさんこいつの鼻っ柱をへし折ってやってください」
そんな伊達さんは1トップ3ラスという成績で終わり、誰よりも早く会場を後にしたのでした・・・
大浜「とある飲み会で協会に入ったばかりの新人が、『誰々が変な麻雀打つから酷い目にあったよー』などと愚痴を言っていました。
そんな中、本日運営にもいる橘Aリーガーが、『負けた事を誰かのせいにする人に強い人はいないよ』とその新人に促していました。
皆さんも負けてしまうこともあるでしょうが、楽しむ気持ちを大事にして今日も麻雀をしましょう!」
さすが橘プロ、良い事を言いますね!
【予選】
予選の4回が終了し、ベスト28にはゲストの菊地・大浜をはじめ、命・名波・山中、そして今年のチャンピオンロード2勝の柳田も残りました。
しかし、菊地と山中以外の選手がこぞって逆連対を引きここで敗退。
特に柳田は大きいラスを引かなければベスト12に残れただけに非常に悔しい結果となりました。
ベスト12では予選から3連勝と常に上位を維持していた山中が連続の3着でトータル5位となりまさかの敗退。
しかし今回のメインゲストでもある菊地が終始安定した成績でまとめ面目躍如の決勝進出。
【決勝進出者】
1位 梁瀬 健太郎さん +212.3P
2位 渋谷 渚さん +183.7P
3位 菊地 俊介 +169.0P
4位 西村 仁郎さん +167.5P
暫定1位の梁瀬さんと4位の西村さんのポイント差が約45Pなので、ほぼトップをとった人が優勝となりそう。
梁瀬さんと渋谷さんはRMUのアスリートコースに所属しており、梁瀬さんは雀竜位シリーズでも決勝進出、
渋谷さんは第3回グランドチャンピオン大会の優勝者とその実力は本物。
西村さんも前回の日本OPシリーズ・前々回の新人王シリーズで連続してベスト24に進出しており、
とても見応えのある面子での決勝戦となりました。
【決勝】
並びは起家から西村さん→菊地→梁瀬さん→渋谷さん。
最初の勝負どころは東2局、西村さんから中盤にリーチが入ります。
そこに向かったのは親の菊地。
ツモ ドラ
ここからドラのを勝負、すぐにを引き入れリーチに行くとこれをツモアガリ4000オール、早くも頭一つ抜け出します。
ツモ ドラ 裏ドラ
東2局1本場、菊地を捲るべく渋谷さんが本手で対抗します。
チー ドラ
ここにツモと来たところで少考。
を切っての--待ちか、を切っての--か・・・
渋谷さんは--待ちを選択、しかしこれが裏目に。
他家にを打たれ、自分でもをツモり明確なアガリ逃しとなってしまった。
この局は親の菊地も危険牌を1つも押さずにテンパイを入れ連荘。
次局で親は流れるものの、この後もネット麻雀と東風戦で培った得意の仕掛けを中心に終始リードを保つ。
その菊地の仕掛けに丁寧に対応する三者、しかし丁寧に対応するがゆえに大きな失点こそないがジリジリ点棒を減らされていきます。
南1局の西村さんの親番。
トップの菊地と30000点近く離されてしまっているので、是が非でも連荘して差を縮めたいところ。
今までまったく手の入らなかった西村さんですが、大事なところで大物手を作りリーチ。
ドラ
しかし、山に4枚残っていた待ちは他家に吸収され成就ならず。
次局に7700確定のリーチを打つも渋谷さんにうまくかわされ万事休す。
これで西村さんが優勝争いから脱落。
迎えた菊地の2回目の親番、ポンテンの隠れドラ3に捕まったのは梁瀬さん。
ロン ポン ドラ
手牌的にも止めようがなく、致し方ないとはいえ打った打点と相手が悪いか・・・
まだ親番があるものの、梁瀬さんも一歩後退。
しかし、残された対抗馬渋谷さんが大物手を炸裂させる。
ツモ ポン ポン ドラ
このツモで親の菊地にハネ満の親っかぶりに成功、一気に差を縮めます。
梁瀬さんの最後の親も流され、ついにオーラス。
渋谷さんの親を残すのみとなりました。
西村さん 6900点
菊地 47100点
梁瀬さん 7700点
渋谷さん 38300点
菊地はアガれば優勝、渋谷さんはラス親なので捲るまでアガるのみだがアガリ止めがないのが難しいところ。
そんな渋谷さんにいきなりタンヤオドラ3のチャンス手が舞い降りる。
ドラ
良形への変化を待ってダマテンに構えるかと思ったが、菊地を自由に打たせないためにもここは思い切ってリーチ。
これが功を奏し、リーチ後に通ったのスジを頼りに西村さんがをトイツ落としにかかったところを見事捉えます。
裏こそ乗らなかったものの、この一撃で渋谷さんが菊地を捲りトータル1位へ。
しかし3200点差なのでまだ簡単にオリるわけにはいきません。
オーラス一本場、梁瀬さんが自身の3位を確定させるべくリーチ。
ドラ
順位によって与えられるCRポイントが違うので、グランドチャンピオン大会を見越すならば当然のリーチ。
このリーチによって菊地と梁瀬さんの2人テンパイでも捲られなくなった渋谷さんは冷静にオリへ回ります。
しかしこのリーチによって優勝条件が変わったのは菊地も同じ。
ツモ ドラ
2000点の出アガリで良くなった菊地は悩むことなくテンパイ取り。
渋谷さんと菊地、どちらが優勝かと固唾を飲んで見守っていると、すぐに勝者の手が開かれました。
ツモ ドラ
この結果、菊地選手がゲストにしてシリーズの優勝者になるという偉業を達成しました!
終了後のコメントで、
「大会のゲストがチャンピオンロードで優勝したことありました?」
と聞いてきました。
ゲストがそのシリーズで優勝する奇跡なんてそうあるもんじゃありません。
おそらく菊地も「お前が初だよ!」と言われると思っていたことでしょう。
しかし、なんと今から3年前の第1回オータムCCシリーズで本日のゲストの1人でもあった大浜という男がすでに達成していたのです。
思わず苦笑いする菊地、本当に空気の読めない先輩ですね大浜さんは・・・
それでも終始その強さを見せつけた菊地がオータムCCでの優勝がフロックではないことを見せつけた大会でした。
今回ご参加いただいた皆様、本当にお疲れ様でした&ありがとうございました!
次回のチャンピオンロードは年明け1/13(祝)の「女流雀王シリーズ」となっております。
先日3度目の戴冠を成し遂げた大崎女流雀王の参戦も決まっておりますので、是非ともご参加ください!
「第4回チャンピオンロード〜女流雀王シリーズ〜」
(文責:橘 哲也)
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