第21期新人王戦決勝観戦記

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第21期新人王戦決勝観戦記
2回戦

【担当記者:中島 由矩】

1回戦では26歳の若武者・新林の会心の半荘が見られた。
しかし麻雀は全5回戦においても1半荘単位においても、リードした者が必ずしも有利というものではない。
なまじリードしたがために1牌押せないケースも、リードされているからこそ我武者羅に攻めることができるケースも多々ある。

1回戦大トップの新林が何に苦しみ、1回戦3着のはじめや4着の夏目がどう戦ったかを見ていこう。

2回戦(姫川-夏目-はじめ-新林)

東3局2本場、最初にテンパイを入れたのは夏目。
リャンメン2つのイーシャンテンからスムーズにを引き入れ即リーチ。

ここで興味深かったのが、親番はじめの選択。
イーシャンテンからドラのを重ねてテンパイを果たすのだが、リャンメン待ちとなるではなく、カンに取った。場にが3枚出ていることや、が自身の目から全部見えていて、ソーズの下の場況が良いことを見越して、7巡目にをツモ切りした時からの構想なのだろう。

そうした場合に出ていく牌は夏目の入り目であるになるのだが、このギリギリの攻防は舞台が新人王戦であることを忘れさせるのに十分な老獪な打ち回しだった。

この対決は夏目のツモ(700/1300は900/1500)で幕を閉じたが、はじめの麻雀に対する日頃からの研究や新人王にかける熱い想いを感じた一打だった。

東4局の夏目の手牌。

ソーズの下の場況がいいと見て直前までを残していたが、前巡1枚切れのと入れ替えるとマンズの連続形が横に伸びるツモ
西家であるため、もしリーチしない場合はイーペーコーがつくでしかアガれない。
夏目はこれを力強い手つきで曲げ、リーチとする。前局もそうだが、ストリートファイトを身上とする夏目らしい麻雀が随所に現れてきた。

ヒントの少ないこのリーチに姫川が一発で打とし8000を献上。
夏目が1回戦のラスを帳消しにするトップに向けて大きく前進し、南入する。

南1局、夏目の前進はまだまだ止まらない。
あまりの速さに映像が追いついていないのだが、

ドラ

上記の配牌から親である姫川の第1打をポン。
南場の南家であるためも利いていないものの、ドラ色であるマンズのホンイツやポンのトイトイなどを見ている「お出かけポン」だ。
当然両方の手役に絡めることができるも重ねたい。

次巡オタ風のを重ねると、これまたすぐに対面の新林から出てポン。
ポン出しを対子のとして、トイトイではなくホンイツに照準を合わせた。

姫川から放たれたはスルーし、以下のテンパイを入れる。

手牌をいたずらに短くすることなく、たった今親の現物となったを雀頭で使う構想にした。
仕掛けは積極的で豪快だが、道中の選択は緻密で繊細だ。

次巡カン材となるもスッとツモ切り、他家の動向をうかがいながらテンパイを維持すると、待望のを引き入れ、の三面張に変化させた。
の順序が逆なら加カンも見られたか。

ここまでジッと手組をしていたはじめにもようやくテンパイが入る。
ドラドラかつ入り目は三色になるツモで打点は十分。マンズ模様の夏目に対して危険牌ではあるものの、ソッとを河に置いた。
またもや夏目vsはじめの構図に。積まれている山はどちらを勝者に選ぶのか。

の数を数えている間に、次巡はじめの手牌に嬉しい変化が訪れた。
カンからリャンメンのに変化するツモだ。
234の三色は消えるものの、ピンフと高めイーペーコーがつき、打点自体は下がらない。さらにはが夏目の現物だし、出ていくは前巡通っているしで……と思っていたら、はじめの選択は打リーチ。
での8000がこぼれるのを待つよりは、自力で3000/6000を引きにいった。
1巡目にのポンが入っていて、かつ夏目の河にがあるにも関わらず、他家がそれを合わせていないということは、は山にゴッソリ残っているのかもしれない。

14000の差をこの局でひっくり返せる。それこそが、はじめが出した答えだ。そしては狙い通り2枚山に眠っていた。

これに対し自身のアガリ牌以外は全部ツモ切りの構えだった夏目だが、海底で持ってきたのが1巡目にポンしたで悶絶。
単騎やシャンポンこそないものの、が見えていない以上が否定できない。
身をよじって考えに考え抜いたものの、結局これを打ち切れずにノーテンで流局となった。

しかし、リーチをかけて3000/6000や4000/8000を引きにいったはじめもアガることはできず、両者痛み分けといったところだろうか。

その後はじめが夏目をまくって、オーラスの点棒状況は以下の通り。

南4局
東家・新林 15500
南家・姫川 10700
西家・夏目 32400
北家・はじめ 41400

はじめと夏目は9000点差のトップ争い。
1回戦大トップだった新林は、まず姫川にまくられないようにしたいが親なので連荘ができる。
姫川は1000/2000をツモれば3着に浮上だ。

まずは親の新林からカンのドラドラリーチが入る。
入り目がなのだがイーシャンテンの時点でが山に4枚、が山に3枚という状態だった。これをツモって4000オール以上とすれば、2着はもとより2連勝まで見えてくる。

しかし、そこにひるまずリーチでぶつけてきたのが2着目の夏目。
1回戦のオーラスには着順アップのための見逃しまでしてみせた夏目は、今回もマンガンツモでトップとなる567の三色をねらって打のリーチを打った。
他の局同様、ギリギリのインファイトを見せる。

最後は新林が夏目の高めとなるをつかんでゲームセット。
新林は3着目から4着へ、夏目は2着目からはじめとの同点トップへとそれぞれ着順が交差した。

1回戦とはトップラスが入れ替わり、上下の幅がグッと詰まった。
3回戦以降もハイレベルな戦いに注目したい。


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