第18回日本オープン観戦記

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第18回日本オープン決勝観戦記
5回戦

【担当記者:五十嵐毅】

最終戦を迎えて4人のポイントは、

皆川+95.8 柴田+46.1 宍戸+5.7 荒木△147.6

皆川と柴田の差は49.7P。
柴田はトップを取って皆川を3着以下に、皆川が2着でも9.7P差をつけていれば優勝である。これはさほど難しくない。

宍戸は90.1P差。
これはトップラスで10100点差、皆川3着なら30100点差が必要。

荒木は親番で2時間くらいアガり続けることができたなら、ようやく条件が見えてくるといったところだ。

5回戦(宍戸-柴田-荒木-皆川)

東1局、トップを取らなければならない3人がいきなりぶつかり合う。

11巡目、柴田がリーチ。

 ドラ

13巡目、荒木がホンイツ七対子でリーチ。

15巡目には親の宍戸。

、どちらもいいマチとは思えないがこの巡目では決断しなければならない。
マンズの上はしか出ていないが、下は以外にが1枚ずつ出ているので、
「こっちのほうがややマシか?程度でを選びました」(対局後の宍戸の発言)

これを柴田が一発で掴んだ。裏ドラこそ乗らなかったが親満である。
宍戸は嬉しい先制だが、皆川にとっても一番怖い柴田の13000点の失点は悪くない。

皆川は、1本場、東2局と自身のアガリで局を潰して行く。

東3局は宍戸が満貫のツモアガリ。

 ツモ ドラ 裏ドラ

東4局、皆川の親番は、荒木と柴田の2軒リーチ。

荒木
 ドラ

柴田
 ドラ

リーチした2人はもちろん、宍戸も「ツモれ」と願っていただろう。
特に柴田に対しては、ここと皆川の点差が詰まらないと皆川をラスにするのは難しい。
しかしこの局は流局。皆川は1500点の出費でまたゴールに1局近づいた。

南入しての点棒状況は、
宍戸42700 柴田9500 荒木20000 皆川25800

南1局1本場は、宍戸がアガり望みをつなぐも、2本場は皆川が喰いタンのアガリ。
親番のなくなった宍戸は柴田、荒木が連荘して皆川がラスになることを願う立場に。

南2局、柴田が500オールで連荘。
続く1本場、皆川の恐れていたことが起こる。

柴田が4巡目にドラを切ってリーチ。

この早い親リーチに、安全牌が増えないままにピンフのイーシャンテンになった皆川がで放銃してしまう。

裏は乗らずに5800。
まだ2着目ではあるが、皆川20800・荒木19500と点差が詰まり、皆川3着落ちがにわかに現実味を帯びる。

次局も柴田がリーチ。

 ドラ

これをツモればいよいよ皆川の尻に火が付くところだったが、ヤマに2枚あったは脇に流れて流局。

3本場、これがいかにも決定戦の最終戦らしい局。
をポンした柴田が15巡目、をアンコにして生牌のドラを切ってトイトイをテンパイ。

ここに対して、宍戸がこの形からを抜いて放銃する。

柴田には皆川の上に行くまで連荘してもらいたい。
ドラのを切ったからといってテンパイしているとは限らない。ならば喰わせよう。
仮にがロン牌だとしても、役牌アンコの2000点くらいではないか――これが宍戸の思考である。

予想に反して7700の高得点で「やらかした!」と思ったそうだが、「点差確認したらそれほど悪い放銃じゃなかったなと思いました」(対局後の発言)

柴田23800 荒木18500 皆川19800 宍戸37900

とにかく柴田を皆川の上にすることには成功した。
7700の失点で「トップ3着30100点差」コースは難しくなったが、荒木と皆川の差はたった1300。
「トップラス10100点差」条件はもう目の前だ。
プロ1年目、初の決勝の大舞台で条件に合わせて局面をコントロールしようとする宍戸の胆力には驚かされた。

4本場、バックでカンチーから入った柴田だが、は荒木の手に2枚入り柴田は役ナシのままテンパイ。

  ドラ

その後を引いてアンカン、リンシャンからさらに
これをカンするとタンヤオでないことが確定するのでカンしないのではと思われたが、柴田はカンに踏み切った。
「もうは出ないでしょ。それよりリンシャンのに賭けた」(対局後の発言)
リンシャンから引いたのは。ツモれば三暗刻でアガれる形になるが、ヤマに残るは1枚のみ。

そして皆川がタンヤオの付くを引いてヤミテン。

 ドラ

こちらのは3枚残り。
そして柴田が最後に引いたのはだった。ホウテイが付いて満貫である。
柴田は痛いが宍戸も痛い。皆川を3着以下にすることが難しくなったからだ。

南3局、連荘し続けるしかない荒木がをアンカン。
そこに宍戸がリーチ。

 ドラ

マチのは2枚切れ。それだけに皆川からの直撃もありえる。
しかし、すぐ掴んだのは荒木。
一発だが、宍戸はアガらない。アガれない。荒木からアガッて1局進めるくらいなら、荒木に連荘してもらったほうがマシだ。

荒木は目一杯に構えているのだが、なかなかテンパイしない。
12巡目に追いついたのは柴田、即リーチ。

 ドラ

宍戸がホウテイでを掴んでハネ満放銃。

オーラスを迎えて点棒状況は、

皆川29000 宍戸24900 柴田27600 荒木18500

柴田は皆川から5200直撃、皆川が2着に残る場合は9.7P差必要なので満貫ツモが条件。
宍戸はハネ直、三倍満ツモと高難度。

皆川の配牌は良かった。
もちろん流局OKなので、第一打からアンコのを連打するなどして安牌を溜め込みに走る手もあるが、ひとアガリして柴田の満ツモ圏外に逃げる手もある。
皆川は字牌から打ち出してまっすぐ進めた。

すると、柴田が5巡目にリーチ!

 ドラ

皆川、このときは手を目一杯にしていたことを後悔したかもしれない。
だが、リーチを受けた5巡目にこの手だ。

もしも初手からアンコの切りなどとしていると、第一打に切ったが手残りとなっていてかえって危なかったかもしれない。
もう1枚のは荒木の手に。
あとはをツモッての裏ドラ頼みとなるが、皆川の念が通じて流局した。

最後のノーテン罰符で皆川と柴田の順位が入れ替わったため、5戦終えての順位は皆川が43112、柴田が12421と順位点では柴田が勝っている。
3、4回戦の大きなトップがものを言ったと言える。
短期戦での打点の重要性を今一度考えさせられる、堂々たる優勝である。

皆川さんおめでとうございます。

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