第20期雀王決定戦 4日目(最終日)

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第20期雀王決定戦観戦記
最終日 20回戦

【担当記者:五十嵐毅】

座順は仲林-矢島-小川-渋川。
トータルトップの渋川がラス親なのは規定通りだが、仲林は起家になったのは痛い。親番はなるべく遅いほうがいい。ぎりぎりまで逆転の可能性が残るからだ。
第20期雀王の争いは渋川と仲林に限られた。実質的に可能性のなくなった矢島と小川はトータル3位を争う戦いとなる。期首順位は下位リーグではさほど意味を持たないが、A1リーグでは大きい。各大会のシード権が回ってくるか来ないか、番付1枚の差がものを言う場合がある。

東1局、仲林にいきなり勝負手。
小川の第1打をポンして7巡目に親満テンパイ。

  ドラ

8巡目、小川がテンパイ即リーチ。

 ドラ

2巡後、渋川がリーチにも仲林にも通っていないを切る。リーチの発声こそないが、彼の立場でこの牌を切る以上、テンパイは明白。

 ドラ

ここで3人の手牌を見直してもらいたい。この時点ですでに小川のマチは純カラ。
渋川のマチもマチカエしない限りカラテンである。
マチがあるのは仲林だけ。カンで2枚残り。
仲林、圧倒的有利。しかし、ここに伏兵が現れた。

渋川がを通すと、出来メンツからを抜いたりしてまったく行く気を見せなかった矢島だったが、止めていた生牌のが通った上にその後のツモが利いてピンズのメンツができ、さらに引き戻す形でを持ってきた。

 ツモ ドラ

1牌勝負なら話は別と、を切ってテンパイを取ると、すぐに小川がを持ってきた。
ピンフのみの1000点。リーチしなかったのは、3位争いではリードしている立場だから。

東2局はドラを重ねた小川がリーチ。

 ドラ 裏ドラ

をツモって2000/4000。
小川はトップを取るか、または矢島と2着順差を付ければ3位浮上である。

東3局、ここが今期のハイライトとなった。
渋川5巡目にテンパイ。

 ツモ

を重ねてのホンイツ七対子ならば申し分ない打点だが、七対子のみでは弱い。
ドラは、仲林がをアンカンしているが、カンドラのもない。
本当はリーチしたいところだが、

という変則手見え見えの捨て牌では、それもためらわれる。
とりあえずを切ってタンキヤミテンとした。
仲林も手が進む。

 ツモ  ドラ

雀頭が確定したことでの受けは不要。をカンしてもイーシャンテンは維持できるということで、さらにをアンカン。(新ドラ
リンシャンから安全度の高い牌を引くと、不要になったと入れ替えた。

ふたつ目のカンを見た渋川、次巡2枚切れのを引いて熟考。出した結論は、
「自分の捨て牌からして、リーチすると1枚切れのは止められそう。リーチを打つなら思い切って地獄マチ」
渋川はタンキを選んでリーチ。
仲林もすぐにテンパイ。当然の追っかけ……はならなかった。

 ツモ 

そう、仲林がリンシャンから持ってきていた牌はだったのである。
気合のリーチ宣言牌がよもやの放銃牌となった。さらにこのが裏ドラになった。(裏ドラ
タイミングまで合ってしまって、一発放銃のハネ満。2人にとって大きな大きなアガリである。

東4局、渋川が親。連荘よりも無難に流したいところだが、手が入る。

手広さなら切りだが、これはドラ。ということで切りとしたが、次巡ツモではさすがにドラを手放した。
すると、これを仲林がポン

 

次巡まさかのラス牌ツモ、打
渋川、ツモ打。ツモリ四暗刻テンパイで実況席がざわつく。
渋川4枚目のをツモ。仲林はもともとリーチ前提のメンゼン進行だったので、捨て牌には字牌もほどよく切れていて、ホンイツよりもタンヤオに見える。もっと一色手に見えたら、は切らなかっただろう。
仲林、このをチーしてハネ満テンパイ。

  

渋川、ツモ切りを後悔したに違いない。
すると、をツモ。


チーで一色手がはっきりした以上、もう打てない。苦渋の表情でのトイツに手を掛けた。
すると、2巡目に自分で切っているをツモ。仲林のアガリ牌を吸収するとともに、ペンは3枚も残っていた。四暗刻テンパイよりも偉い三暗刻テンパイである。
2巡後にツモって2600オール。

「勝負あった」であろう。
事実、南場は矢島vs小川の戦いがメインで進行していく。仲林は何を打っても2位の座から落ちることはないのだが、それでも我慢を重ねしっかり対応する。
オーラスの役満ツモ、ワンチャンスのために。
しかし、それをもラス前に渋川が打ち砕いた。
矢島、小川の2軒リーチに対し、ここだけは勝負と押し切って、

 ツモ  ドラ

1000/2000の1本場、リーチ棒2本を回収。これで点棒状況は、
渋川41800 矢島32400 小川30600 仲林△4800
渋川は矢島、小川に8000以上の差を付けたので役満親かぶりしても3着にならない状況を作った。あとは直撃だが、渋川をラスにすることはできても、仲林自身がトップになれない点差である。
オーラス、軽い手の入った矢島が早々と仕掛ける。2フーロ目でテンパイ。

チー  ドラ

このときの打牌は。間髪入れずに渋川はを抜いた。

雀竜位、日本オープンに次ぐ3冠目。先を行く矢島に追いついた。
渋川はまだ若いし、これから充実期を迎えるのは間違いない。連覇にも十分期待できる。
さらに、来期のA1リーグの配信はほとんど渋川が解説することになる。渋川ファンにとってはそれも楽しみなことだろう。

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