第20期雀王決定戦 4日目(最終日)

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第20期雀王決定戦観戦記
最終日 17回戦

【担当記者・中島由矩】

-連覇のためにやれること-

ディフェンディングの矢島はここまでの16半荘、終始苦しい戦いを余儀なくされていた。
「渋川とのトップラス3回」をノルマに掲げ、連覇をかけて臨んだこの最終節4日目も、緒戦の16回戦は3着とどうにももどかしい展開が続く。
西家スタートで迎えたこの17回戦も、決して順風満帆な滑り出しではなかった。

■東3局1本場 ドラ

東1局でいきなり5200のビハインドとなった親の矢島、ドラのない平凡な手を丁寧に字牌からの切り出し。

 ツモ ドラ

構想通りのテンパイを果たし打立直。
待ちはで、高めのだと一気通貫がつく。

一方、イーシャンテンから字牌のツモ切りが続いた渋川だったが、矢島の立直宣言にタイミングを合わせるかのようにツモでテンパイ。
で追いかけ立直と行くが、この宣言牌が矢島につかまった。

立直・一発・平和・一気通貫で12000は12300。
このとき裏ドラが乗らなかったことが、この後さらなる混戦を招く。

■東3局2本場 ドラ

トップ目に立った矢島だが緩む様子は全くない。
から仕掛け、またもや高打点が望めるイーシャンテン。

そこに立ちはだかったのは、先ほど痛恨の放銃に回った渋川だった。

 ドラ

切り立直とすると今度は矢島がをつかみ、さらには裏ドラも2枚乗って8000は8600。

ここからは余談になるが、一発や裏ドラなどで2翻アップした場合、2600→8000の打点上昇はワリがいい。
例えば1000が3900になった場合は2900点の打点上昇、12000が16000になった場合は4000点の打点上昇となるのに比べ、2600が8000になるのは5400点の打点上昇だ。
渋川としては前局の放銃の借りを返した形になった。

矢島と渋川のデッドヒートについては一時中断して、ここで仲林が南3局で見せた面白い手筋を1つ紹介したい。
四者大接戦で迎えた南3局、8巡目に親の矢島から立直を受けた仲林。
河に現物を並べていくが、流局まで残り数巡となった17巡目に立直の現物であるを抱えたまま突如場に生牌のを放つ。

自身が暗刻の牌なので、ポンはもちろんロンされる可能性も限りなくゼロに近かったのだが、これにはある狙いがあった。

答え合わせは同巡、仲林のを見た小川がを合わせるとこれを仲林がポン。
暗カンが入り海底となっていた矢島の最後のツモ番を見事に消してみせた。

南4局はトップ目の小川からラス目の矢島までわずか4400点差という接戦。
南3局の仲林のような細かい手筋の応酬が繰り広げられるかと思いきや、矢島の真骨頂である高打点鳴き麻雀が躍動した。

■南4局 ドラ

東家・仲林 24400
南家・渋川 24400
西家・小川 27800
北家・矢島 23400

まず配牌は七対子のリャンシャンテン。
しかし現状ドラがなく、立直・七対子では3200点にしかならない。
矢島はここから順番に退路を断ち、自らが信じる道を進む。

 ツモ ドラ

まずはこの形からを高速ツモ切り、シュンツを壊す。

するとこの矢島の構想に牌が応え、次巡最もツモりたかった牌の1つであるを引き入れトイトイに照準を合わせる。

麻雀は一貫性と柔軟性のバランスというか、1巡前に立てた未来予想図をどこまでひっぱるか、何を引いてきたらどう変化させるか、その決断が重要なゲームなのだと思う。

矢島は先ほどシュンツを壊した打の一貫性でポンから発進すると、打点の種であるもポン、さらにを暗刻にしてテンパイ。

一貫性という意味では、渋川も腹は括れている。
矢島にテンパイが入った直後。

 ツモ ドラ

待ち牌が選択できたところ、渋川は矢島の現物である打で嵌待ちの立直といった。これにより渋川は一旦同点3着に降着する。

果たして、その瞬間は突然訪れた。いつもは柔らかい摸打を繰り返す矢島の指先も今回ばかりはさすがに激しく上下。
をツモりあげ、17回戦自らトップを決めた。

雀王決定戦の火は、消さない。
16回戦の小川に続き、17回戦は矢島が制した。
残り3戦で四者に可能性が残る展開になり、オーディエンスも熱を帯びていく。


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