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最終ポイント成績

順位
名前
TOTAL
1回戦
2回戦
3回戦
4回戦
5回戦
1
宮崎 信一
93.8
2.1
56.8
6.0
62.2
-33.3
2
大竹 フミヒロ
59.9
60.2
2.5
-19.4
19.8
-3.2
3
岡本 将弘
-72.8
-44.2
-40.2
-39.6
-53.5
104.7
4
桐山 のりゆき
-80.9
-18.1
-19.1
53.0
-28.5
-68.2

≪決勝観戦記≫

去年に引き続き、今年も観戦記者を担当することになった私。ということは、今大会の私の成績は…察していただきたい(笑)
ということで、関西限定タイトル・ウエスタンチャンピオンシップ第8回。今年も予選から決勝までアツい戦いが繰り広げられた。
激闘を勝ち抜いてきた今年のファイナリストは、3人が古参のベテラン、1人が15期入会の新人。全員が中堅だった去年とは対照的だ。
早速一人ひとり紹介していきたい。


岡本将弘(2期後期)

「麻雀商人」というフレーズで協会で長く活動してきた古参選手。
しかし、その打ち筋はベテランにありがちな重厚で腰が重いというものではなく、柔軟性に富み、スピード重視の現代麻雀にもきっちり対応している。ネット麻雀の天鳳でも九段を達成している。

 

 


宮崎信一(3期前期)

第5期新人王を獲り、雀竜や過去のWCSでも決勝に残っている関西の強豪選手。
イメージとしてはかなりの守備的な打ち筋。
状況を冷静に分析し、適切なタイミングで精巧な押し引きができている。

今回の決勝でもその長所をしっかりと活かしていた。   



桐山のりゆき(3期後期)

関西では協会執行部の一人で、まとめ役。
イベント大会や総会ではユーモアを交えた軽快な司会をしてくれる関西の「アニキ」的存在だ。

記憶に新しいのが、世界麻雀選手権での決勝戦の闘牌。あの時のような熱い戦いをも演出するか?

 


大竹フミヒロ(15期後期)

上記3人の大ベテラン勢に対し、孤軍奮闘せねばならない新人選手。気後れせず挑戦できるかというところだ。
実はなんと新人ながらもこの試合が引退試合。
結婚するのを機に、まずは家庭を優先するとのことだ。有終の美を飾りたい。

 

今年も個性的なメンツが揃った。去年とはまた違った味のある決勝戦になりそうだ。
長く競技生活をやってきて、そろそろ勝ち星をあげたい岡本、桐山。第3回WCSで決勝に残るも、優勝できなかった雪辱を晴らしたい宮崎。
プロ歴が短いながらも、最後の対局で足跡を残していきたい大竹。それぞれの想いが交差する決勝の幕開けである。

☆1回戦☆(岡本→大竹→宮崎→桐山)

「ツモ。400・700」
まずは全員様子見といったところの東1局。誰も鳴かず淡々と場が進んでいく。そんな中で最初に声を上げたのは新人・大竹。
12巡目にピンフのみをテンパイしていたが、リーチは宣言せずダマテン。
ベテラン勢を警戒したのか、緊張で気後れしてリーチをかけなかっただけなのかわからないが、あっさりとアガり牌を持ってくる。
こういう小場展開がしばらく続いて小競り合いになるのかな…と思うのもつかの間、東2局の大竹の親番であっさりと均衡が崩れる。

大竹(東家)
 ツモ ドラ 裏ドラ
5巡目親リーの7巡目ツモの6000オール。速い巡目でのリーチの撃ち合い。
これこそ現代麻雀の醍醐味の一つであるのだろうが、一発裏があると思いがけない早くて高い手になることもある。
いきなり優位に立つ新人。それをハンターのように追い始めるベテラン勢、技巧の見せ所だ。観戦しているこちらもわくわくしてくる。

まずは宮崎。東2局1本場で12巡目でリーチ、一発でツモって1100・2100。
宮崎(南家)
 リーチ一発ツモ ドラ 裏ドラ

東3局は大竹がドラ暗刻を抱えてリーチを打つが流局不発。
岡本の親番東4局、親で5巡目リーチ、桐山も負けじと16巡目にリーチを打つが流局。

岡本(南家)
 ドラ

桐山(東家)
 ドラ

だが、皆タイミングを見てきちんとオリるため、場は膠着状態。
東4局1本場は大竹が隙を見て鳴いて1300のかわし手。桐山にはタンヤオドラドラの手が入っていたが追いつかず。
ベテラン勢、新人が一歩抜けたこの状態をなかなか崩すことができない。1回戦は後半戦の南場へ。

南場に入り、新人に舐められてなるものかとベテラン勢、堰を切ったかのようにアガりだす。

南1局 宮崎(西家) 12巡目
 リーチツモ ドラ 裏ドラ

南2局 桐山(西家) 14巡目
 リーチツモ ドラ 裏ドラ

南3局13巡目 岡本(西家)
 リーチ一発ツモ ドラ 裏ドラ
大竹の一人抜けた点棒を少しは削るも、全員がツモあがるのでベテラン3人が拮抗した点棒状況で三つ巴状態に。

大竹40200・宮崎20800・桐山20400・岡本18600
オーラスでこうなると、ベテラン勢はもうラスをなんとしても抜け、2着を狙いにいくのが合理的な判断だ。
親である桐山は連荘でまだトップの可能性はあるが…。
オーラス1局目は桐山が岡本から軽い手で1500。
だが、1本場、連荘して点棒を叩きたい桐山を尻目に宮崎が岡本から役牌のみの1000は1300をアガり2着確定。
1回戦終了である。

1回戦結果
大竹+60.2
宮崎+2.1
桐山▲18.1
岡本▲44.2

☆2回戦☆(桐山→宮崎→大竹→岡本)

協会ルールの1回戦目はまだ準備運動のようなものだ。トップにはウマオカ合わせて50ポイントが入る。
とにかく肝心なのは、1回戦トップだった大竹に連続トップを取らせないことである。
ベテラン勢はメンツをかけてそれは阻止しに行くはずだ。差をつけさせなければ、どこかでチャンスは巡ってくる。

東1局、宮崎が5巡目にドラドラリャンメン先制リーチ。親の桐山だけは粘ろうとするものの口火を切らんというように13巡目ツモ。

東2局は大竹が9巡目に小考してリーチ。すぐに11巡目でツモ宣言。
大竹(南家)
 リーチツモ ドラ 裏ドラ
開かれた手はフリテンの三面張、1300・2600。リーチ直前の捨て牌に(ツモ切り)があり、リーチ宣言牌は手出しの
つまりカンテンパイしてたのをフリテンに受けなおしてツモということだ。
は一枚切れ。私ならカンでリーチしているのだが、この決勝では大竹はかなり慎重になっており、何度か愚形テンパイを外す場面を見た。
「後悔をする放銃をしたくなかったんです。だから自信が無いリーチを減らしました」と後に答えている。

協会ルールはまずはトップを獲りに行くゲーム。果敢にリーチを打つ方が得策と考えるのが主流ではある。
大竹は良形を重視し、ここではしっかりとツモることができた。このままうまくアガって逃げきれたら御の字。
このような慎重とも弱気ともとれる方針が後の選択に響かねばよいけれど...観戦していてそうふと考えてしまった私がいた。
昔、同じような失敗を犯したことがあったからだ。これが彼の引退試合だが、勝負に出られず後悔するような一打をしないことを祈ろう。
まだまだ序盤、さらに積み重ねないといけないぞ大竹。その思いに呼応するように東3局も大竹が10巡目に先制リーチ。

大竹(東家)
 ドラ
これをツモったらかなりトップの可能性が高まる。そうなるとベテラン勢に対して圧倒的に有利になる。
しかし、ベテラン勢がそんなことをやすやすと許すはずもない。

岡本(南家)13巡目
 ツモ ポン ドラ
親リーに対して涼しい顔で無スジを押す岡本。うまくかわし手を成就させる。
そう簡単に後塵を拝するわけにはいかんわい、という意思がひしひし伝わる。

いい展開で親を持ってきた岡本、東4局7巡目の先制リーチ、大竹から2000のアガリ。連荘でさらに勢いづけていく。

続く1本場では桐山がドラを2枚抱えてのリーチ。
桐山(南家)
 ドラ
ダブをトイツ落としして引いていたはずの岡本が11巡目に追いかけリーチ!
1巡後、すぐに桐山が岡本の当たり牌を掴み5800加点。

岡本(東家)
 ロン ドラ 裏ドラ

リーチを受けた時点の手牌はこう。
 ツモ ドラ
ここから×2と落としていって上記のような最終形に持って行ったということだ。
前の半荘ラスで、現在親、なんとかダブを使ってアガりに行きたいところだが、柔軟な判断で見事にアガリをものにした。
なお3枚目の東も道中に引いているのだが、もしを残していたらアガれていないかアガリが遅くなっていたかもしれなかった。
見る者をウムムと唸らせる妙手である。

東4局2本場は宮崎が遅れてなるものかと遅い巡目でリーチして満貫ツモ。大竹を連対させないよう立ちはだかるベテラン勢。

後半戦南1局、親の桐山が10巡目にリーチ、一発ツモ...そして裏が2枚の6000オール。ついに大竹はラス目に。
続く1本場も放銃し点数を失う大竹。ベテラン勢の壁の厚さをまざまざと見せつけられる。

南2局、ダメ押しかと思うような桐山の先制リーチ。大竹は冷や汗をかいたに違いない。
しかし、大竹はドラを2枚持ち、リーチに潜り抜けバックのテンパイまでたどり着く。
この時点で、ドラのを持っているものは大竹以外いない。これはもしかしたら...ツモれるか?
場の空気の強張り続ける中、最後のツモでを手繰り寄せたのは大竹であった。

大竹(南家)
 ツモ チー チー ドラ
起死回生で2万点台に戻ってきた大竹。よく見れば全員2万点台である。
点数は動いているのだが、全員が大きくよくアガるため、結局差がそんなについていない。
誰でもトップになれる可能性がまだある...チャンスのラス前。抜け出すのは誰だ?

南3局10巡目、我こそいかんと先制リーチをかけるのは岡本。桐山も同巡追っかけ!
だが、親の大竹が仕掛けドラをリリース。ベテラン勢に負けじと、1000オールを間隙を縫いツモ。棒攻めする2人を空振りさせる。

これで2着浮上、トップまで見えるか?といったところで連荘期待の1本場の大竹。
もう一人を忘れてはいないか?宮崎がさらりと1000は1300を大竹から打ち取り。
そして、オーラス宮崎、チートイドラドラの仮テンをあっさりとツモり、トップをモノにする。2回戦終了である。

2回戦結果
宮崎+56.1
大竹+2.5
桐山▲19.1
岡本▲40.2

☆3回戦☆(宮崎→岡本→桐山→大竹)

決勝戦もいよいよ中盤。宮崎と大竹がそれぞれワンツーフィニッシュを決め、同じような成績。
苦しいのは桐山、岡本。特に岡本は展開に恵まれずラスラス。次も逆連対だとかなりしんどくなる。
協会ルール配分ならもちろんまだ挽回可能ではあるが…とにかくここが正念場である。

東1局、11巡目に先制リーチを打つのは宮崎。
宮崎(東家)
 ドラ
リーチ宣言牌は。親なので広い方の待ちを取ってのリーチだ。
これは選択が好みで変わりそうだ。ちなみに私はドラなしだとを切ってリーチする。
アガるか流局するかだろうか―――そんな風に思ってみていたら、同巡に違う方向からロンの声。

岡本(南家)
 ロン ドラ
は宮崎の現物である。桐山が中抜いた牌で岡本がトンビのように点棒をかっさらっていった。
親のリーチを蹴り、そこそこの打点。いいアガりである。この半荘こそは岡本ブレイクが始まるか?

東2局、親の岡本は連荘すべくテンパイを急ぎ、手がタンヤオに振り替わった15巡目にリーチ敢行。
しかし、桐山の300・500タンヤオのみに流される。東3局は岡本が大竹から2600。場は淡々と進む。

負けてられない大竹、親で先制テンパイが入る。チートイツのみだが、リーチして裏ドラが乗ったりツモったりすればデカい。
前々巡にを施した捨て牌、単騎。出アガリも見込める待ちだ。結果、ツモって3200オール。
続く1本場。これは全体牌図を見てほしい。

9巡目の岡本のに違和感を覚えて、本人に直接聞いてみた。

「親がダブを先に切ってからの河の形が、リーチまでイーシャンテンに見えたので危険牌を先切り。親はテンパイしたらリーチするけんね」
との回答であった。大竹の手はすでにテンパイではあったが、形が悪いために役なしダマ。ほぼ予想通りだったわけだ。
「リーチ」というわかりやすいテンパイ宣言では、プロでなくともみな相対的に捨て牌に反応して切る牌を変えることはするであろう。
しかし、捨て牌からの鳴きも入っていないダマに対応することができるのはやはりそんなに多くはない。
ましてやテンパイする前に警戒するなんて。鳴いているならともかく、門前での警戒はどれだけの人ができるというのか。
岡本はさすがのベテラン勢といったところだ。私もこの観戦記を通して勉強させてもらっている。
結果流局であったが、攻めるしかない岡本はリーチで重圧をかけ、再び暫定トップ目に立つ。そして南場入りである。

南1局2本場は桐山が岡本から1000は1600で軽く流す。
親で加点をしたい岡本、南2局は先制リーチをかけるが…

大竹、絶妙の一発消し。が桐山に3枚流れ流局。岡本はどうも今日は恵まれない。
次局、10巡目負けじと再び先制リーチをするが…「ツモ」と宣言したのは、なにげにプッシュしていた桐山。
開かれた手を見て全員が唖然とする。

桐山(南家)
 ツモ ドラ
メンチン・ツモ・ピンフ・イーペーコーの倍満。宮崎か大竹からの高め出あがりが理想だったが、ツモでももちろん文句はない。
桐山は一気に突き抜けトップ目に。親被りの岡本は3着に落ち、厳しい状況に。
ラス目の宮崎、ここでラスを引くと大きく後退でキツい。なんとか3着にアガりたい。そんな執念が感じられるラス前。
桐山から2600をアガリ、オーラスへ。大竹の親。


親の大竹vsドラを4枚使っている宮崎。同じカンの待ちのめくり合いだ。
は大竹が3枚、宮崎が1枚使っていて、岡本、桐山が1枚ずつ持っている。
確実に山に残っている―――最後のツモで手元にを引き寄せたのは宮崎。これで2着浮上である。

3回戦結果
桐山+53.0
宮崎+6.0
大竹▲19.4
岡本▲39.6

さて、ここまでのトータルである。
宮崎+64.9
大竹+43.3
桐山+15.8
岡本▲124.0
岡本が3ラスを食い、かなり厳しい状態。他の3人はあまり差がなく、競り合っているような状態だ。
次の半荘で抜け出た者がかなり優位となりそうだ。30分ほどのブレイクを入れ、4回戦開始である。

☆4回戦☆(岡本→桐山→宮崎→大竹)

東1局、宮崎がストレートに手なりで進め、素直なリャンメンリーチ、満貫ツモスタート。
トータルトップ目とはいえ、手を緩めている場合でないので当然のように攻め姿勢。
続く東2局、親被りでラスに落ち、何とか加点したい岡本だが、親の桐山の容赦のないダマテンに突き刺さる。
桐山(東家)
 ロン ドラ
暗刻手狙いだったが、チートイツに決めを打った直後の振り込み。
たらればを言っても仕方ないが、タイミングがもう少し早ければ回避できていた。
岡本の今日のタイミングの悪さは見ているこっちがツラくなってくる。
追い打ちをかけたい桐山。続く1本場でも9巡目に先制リーチを打つ。さっきとは違い安手だが、アガってなんぼだし裏ドラも期待できる。
だが、同巡テンパイを入れたものがいた。大竹だ。
大竹(西家)
 ドラ
大竹はこれをダマ。桐山の捨て牌を見てみると確かに現物のがあり、がリーチ宣言牌なのでも打ちやすい。
打ちやすいのだが…私個人の考えとしては、ここでリーチに行けないのはかなり弱気だと思う。
宮崎、桐山が加点して先に行っている状況、これを見過ごしてはいけない。ここは桐山から直撃を獲りたいところだ。
結局13巡目、桐山が零した牌は。大竹は2600(+1300)をアガれるのだが...採譜者のために開けた裏ドラ表示牌は
満貫を2600にしてしまったのはかなりの痛手とみるが大竹の心境はどうだったのだろうか?
私ならメンタルにきそうだが...大竹は次局の東3局、ものともせず6400を宮崎からアガり、トップ目に。
東4局は岡本が2000点を宮崎からアガり、いよいよ後半戦へ。

南1局、親の岡本はなんともしても死守したい親番だ。
しかし、その願いはかなわない。簡単で打点の高い大竹の役役ホンイツにたった7巡で突き刺さってしまう。
大竹(北家)
 ロン ポン ドラ
ムゴい…見ている皆がそう思わざるを得なかった。岡本はメンタルが折れても不思議ではない。
いつも飄々としている岡本でもこれはキツいはずだ、と思ったが...動揺は見られない。これが経験のなせる業なのかもしれない。

そして南2局へ。親の桐山が宮崎から1500をアガり連荘するも、1本場は全員ノーテンで流局する。
南3局2本場は桐山、宮崎がリーチするも流局。3本場、宮崎の8巡目先制リーチに桐山が応戦。
ここ何局かは宮崎、桐山の競り合いだ。が、この局で決着である。
宮崎(東家)
 ロン ドラ 裏ドラ
高め、裏ドラにより12900を桐山から直撃。勢いをつけ、連荘を継続!
4本場も桐山から1500は2700をアガり、大竹を捲る。
5本場は流局し、オーラスは宮崎が静かにチートイをツモり、終局。

4回戦結果
宮崎+62.2
大竹+19.8
桐山▲28.5
岡本▲53.5

いよいよ最終戦である。ここまでのトータルを示そう。
宮崎+127.1
大竹+63.1
桐山▲12.7
岡本▲177.5

宮崎が抜け、大竹はトップをとっても宮崎が僅差の2着ならまくれない。
桐山も宮崎をラスにしたうえで点数を相当叩かねばならないし、岡本に至っては逆転はかなり実現不可能に見える点差だ。
それでも、その条件をクリアする可能性がある限りは皆ベストを尽くす。
各々が自分の状況を確認して最終戦スタートである。

☆5回戦☆(桐山→大竹→岡本→宮崎)

東1局は大竹がチャンタのみの軽い仕掛けで岡本から1300。
東2局、宮崎が9巡目にリーチするが、桐山や岡本はそれを受け撤退。親の大竹がなんとかテンパイにこぎつけ流局連荘。
1本場、大竹がアガるためにを仕掛けるが、宮崎がまずは門前でテンパイを入れる。
宮崎(西家)
 ドラ
これを大竹から直撃すると相当有利になる。大竹から直撃を狙いたいところだ。
しかし、大竹も負けてはいない。も仕掛け、早くも一騎打ちの様相を見せている。
この勝負を制するのは――――大竹だった。宮崎が零したに素早く声をかける。

大竹(東家)
 ロン ポン ポン ポン ドラ
宮崎にラスを押し付ける一撃。これは展開としては面白くなってきた。

そして東3局。岡本の親である。ここで岡本は大連荘をしないといけない。
そしてここでベテランの意地を見せるところである。

0本場、1本場とも岡本の1人テンパイで流局。果敢に仕掛け、高い手を張っている。
他のメンツは放銃を避けてはいるが、一歩間違えばゴッソリ点棒を持っていかれる。
まったくツモれない岡本、まさに今日の運のなさを象徴している。あと1牌に喉から手が出そうだ。
2本場では岡本の4巡目リーチ。しかし、これも流局。重い場だ。アガれない岡本は苦しいが、受けにまわる3人も苦しい。
そして、3本場、ドラをヘッドにしたピンフリーチを岡本が8巡目に先制リーチ。
またもや流局展開か…と思ったら12巡目、勝負所と見たのか、桐山が追いかけリーチ。

岡本(東家)
 ドラ

桐山(西家)
 ドラ
2巡後に場に現れたのは…。桐山のツモ切った牌だ。岡本ようやく我慢が実り、12900のアガリ。

そして4本場この局はぜひ牌譜表示で見ていただきたい。

後ろで見ていた採譜者が内心度肝を抜かれたという。
これを4400オールに仕上げるプレイヤーは他に存在しないのではなかろうか?と思うくらいだ。
第1打のを仕掛ける声をあげられるのは凄い。たとえ役がなくなっても、最終的に形テンでもOKだ。
実は理に適っている仕掛けなのかもしれない。これで6万点超えの岡本だが、まだまだ先は長いのだ。

5本場は大竹が1000は2500を宮崎からアガり、連荘を止める。
しかし、並び的には大竹はかなり厳しい状況に追い込まれている。最後の親で連荘し、岡本を捲らないといけない。
東4局親の宮崎、1段目でホンイツのみの1300オールをアガる。宮崎はこの位置をキープしておくだけでかなり優勢だ。
1本場では、岡本が8巡目でチートイのみのリーチを打つ。
岡本に加点をさせるとツラい大竹、渋々だろうが三色の片アガリをチーテンし岡本阻止に向けて動く。

岡本(北家)
 ドラ

大竹(西家)
 チー ドラ

桐山vs岡本は、岡本に軍配が上がった。
大竹vs岡本は、どちらが勝利するのか?
決着はまたも2巡後であった。大竹がを放つ。そして裏ドラ表示牌に現れたのは
8000は8300。大竹はさらに窮地へ追い込まれる。

現在の状況では、宮崎が圧倒的有利。宮崎以外の3人はそれぞれの親で猛連荘が必要である。
いよいよ南場へ。オーラスまでのそれぞれの親が落ちたらほぼゲーム終了だ。

南1局、桐山のラストチャンスだが、大竹が役牌のみ1000点のアガリであっさりと親が流れる。桐山はこの時点で脱落である。

南2局、次は大竹のラストチャンス。懸命に仕掛け、連荘を狙っていく。が、ここで岡本の11巡目リーチ。
そして、岡本がツモり手を開けると…
岡本(南家)
 リーチツモ ドラ 裏ドラ
なんとハネ満の手となり、これで岡本は85900。これで大竹もほぼ脱落といってもよいかもしれない。

南3局、岡本のラストチャンス。終局間近に親リーを打つもののこれは流局。
1本場、大竹が12巡目にリーチ。わずかな可能性を残すためか。1300・2600の1本場のアガリだ。

さて、泣いても笑ってもオーラス、いよいよ決着のときだ。
全員の持ち点整理すると、
岡本 85200
大竹 14800
宮崎 7700
桐山▲7700

4半荘終了時のポイントを合わせると。
大竹が16000点を宮崎から直撃するか役満ツモ。
桐山・岡本は実質優勝の可能性がない。
宮崎は手を伏せたら終了だ。
そして各々最後の配牌と向き合い―――そして決着はついた。
何も起こらず、勝利を手にしたのは宮崎。

ベテラン3人の戦いの重厚さ、新人大竹の健闘、見ごたえのあるウエスタンチャンピオンシップ決勝であった。
来年もこのような戦いが見られることを期待したい。

(文・比嘉 秀仁

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