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【ポイント成績】

順位
名前
TOTAL
1日目
6回戦
7回戦
8回戦
9回戦
10回戦
1
大崎 初音
102.9
51.0
-45.6
-42.1
60.3
14.1
65.2
2
杉村 えみ
67.9
209.1
-24.1
-19.9
-18.7
-27.6
-50.9
3
崎見 百合
-32.1
-105.7
13.2
60.4
-47.8
74.8
-27.0
4
朝倉 ゆかり
-138.7
-154.4
56.5
1.6
6.2
-61.3
12.7

【2日目観戦記】

1日目観戦記3日目観戦記

「杉村えみさんに憧れて麻雀を始めました!」

今年入学したばかりの大学1年生の男の子が、4月の新入生歓迎コンパでそう話してくれた。
部活帰りに田舎のコンビニで広げた麻雀雑誌に、杉村えみが大きく載っていたという。
――こんなに綺麗な人が麻雀を打つのなら、僕も一緒に打ってみたい。
「東京の大学を受けた1つの理由なんですよ」

 

第9期女流雀王決定戦2日目。
当初下馬評に上がっていたのは、崎見と朝倉であった。
共に歴代女流雀王(崎見は3・6期、朝倉は7・8期と2連覇)であり、
また数多くのタイトルを保有しており、決勝戦自体数多く経験している。
対して杉村、大崎の2人は知名度こそ引けは取らないもののタイトル等の実績はまだない。

しかし当初の予想を大きく裏切り、初日を終えて杉村が200オーバーのプラス。
大崎が2着の好位置につけた。

「2日目は杉村をこれ以上走らせないこと」
1人のファンを不幸にするが、3人のプロに課せられた使命である。
追ってくる崎見、朝倉。隙を窺う大崎。

「できれば逃げ切って欲しいですね。」
メール画面の向こうから、祈るように手を組む彼の姿が見えた。

 

★6回戦★(朝倉→大崎→杉村→崎見)

様々な思惑を胸に、4者が席に着く。
最終日を残して、まだ細かい着順調整をする段階ではない。
しかし、これ以上杉村にトップを取られる訳にもいかない。

東1局、この日最初の長考は9巡目の崎見だった。

9巡目 崎見(北家)
 ツモ ドラ

自身でを切っているためを切りたいが、下家の親・朝倉の捨て牌にピンズが高い。
だがソーズの下がかなり良く、顎に手を当てツモ切る。
次巡目論見通りを引いてリーチ、途中大崎から追っかけリーチが入るもイーペーコの高めをツモって1000・2000。

ちなみに殆ど注目されていないが実はこの直前、朝倉は2軒リーチに手詰まっていた。
決して手筋の悪さからくる手詰まりではない。牌譜は載せないがこの後も朝倉は、何度かナチュラルな手詰まりに苦しめられることとなる。
7期、8期と連覇した女流雀王に、目立たない形でそっと課せられた試練。

東2局
9巡目、またも先制をとった崎見が、迷うことなくカンでリーチ。
9巡目 崎見(西家)
 ドラ

しかし直後にピンフテンパイを果たした朝倉がこれを慎重にダマに構え、大崎からこぼれたを捕らえて2000点。

朝倉(北家)
 ロン ドラ

見た目-は悪くない。朝倉も崎見の親リーチがなければ曲げていただろう。
落ち着いてダマでかわすあたりは当然のようで流石だが、初日にトップのない朝倉は、やはりこうした展開の悪さに所々苦しめられている。
ちなみに大崎はオリ打ちであったが、場況から見れば仕方がないところ。

東4局1本場
その朝倉に、先制でようやく戦える手がきた。

7巡目 朝倉(南家)
 ツモ ドラ

小さく息を吸い込み、リーチを宣言する。
他家が考える間もなく2巡後に高めのをツモり、貴重な3000・6000。
こうなったら朝倉は強い。

南1局1本場

5巡目に西家の杉村が長考してを切った。直後に崎見からのをポンして、ドラのを離す。

杉村の捨て牌はこう。
 ドラ
トイトイか?安手か?今1つ絞りづらい。
実際は何でもない安手のイーシャンテンなのだが、周囲からすれば現在ラスに落ちている杉村を復活させる訳にもいかない。

8巡目に、朝倉のを大崎がチーした。

6巡目の杉村のドラにポンをかけなかった大崎に、タンヤオで打点があるとは思えない。
不気味な捨牌の杉村の手が成就する前に、をツモ切りを下ろす朝倉。
「大崎さんにあるとしたらソーズのホンイツだと思う。の手出しを見て、だけはいかなかった」
半荘が終わった時に話してくれた朝倉の最終形を見ると、確かにだけは止まっている。

結果は、杉村のツモ切ったが大崎につかまり2000点。

大崎(南家)
 チー ロン ドラ

5巡目にドラから切っていればアガれていたかもしれない杉村は、たまたま2000点で済んだ大崎のホンイツを見て、どんな気持ちだっただろう。

南4局
オーラスを迎えて、各家の点棒状況はこう。
崎見(東家)33200
朝倉(南家)41700
大崎(西家)14400
杉村(北家)10700

現在のトータルポイントを考えると、並びは良い。
アガりトップの朝倉の手牌が、2巡目にチャンタ三色のイーシャンテンになる。

 ドラ
7巡目にあっさりとファーストテンパイ。
 ドラ
まだ6回戦ではあるが、この手が1〜2回戦目の何でもない局で入っていたなら。
また少し展開は違ったのかもしれない。

そう考えている内に、大崎からドラポンが入り、杉村からリーチがかかる。
できれば杉村の着順を上げたくはない。
大崎には満貫までなら打てるが、捨て牌を見る限りまだまだ時間がかかりそう。
素点も欲しい朝倉のツモ切ったに、杉村の手牌が倒される。

杉村(北家)
 リーチロン ドラ 裏ドラ
大崎をしっかりと捲り3着に浮上する、5200点。

ここまで1人だけトップのなかった朝倉が、見事なゲーム回しでこの半荘トップをもぎ取った。

朝倉+56.5 大崎△45.6 杉村△24.1 崎見+13.2

6回戦終了時トータル
杉村+185.0
大崎+5.4
崎見△92.5
朝倉△97.9

 

★7回戦★(朝倉→崎見→杉村→大崎)

崎見の1人テンパイで迎えた東2局。

5巡目に朝倉が、ノータイムでリーチ。
朝倉(北家)
 ドラ

全く安牌のない杉村が、これにトイツ落としので捕まり3200点。
裏ドラが載らなかったことがせめてもの救いか。


東3局
崎見になんとダブリーの配牌。
1巡目 崎見(北家)
 ツモ ドラ

を切ればダブリーだが、崎見は落ち着いて打を選択する。
4巡目にを引き、リャンメンでリーチ。
3人とも受けにまわった捨牌が並び、崎見の1人旅と思われた。
しかし15巡目、安牌を切り続けた朝倉からスッとがこぼれ、2600点の出アガり。

はい、という返事と共に点箱を開ける朝倉。脇から手牌を覗き込むと、
朝倉(西家)
 ドラ

恐ろしい。
アガった崎見自身が、ほっと胸を撫で下ろしていたかもしれない。
ちなみにカンでダブリーしてしまえば、全て脇に吸収されてアガり目はなかった。

東4局1本場

6巡目 崎見(西家)
 ドラ

7巡目に上家の朝倉から放たれたをチーする人もいると思うが、それだと1000点で終わってしまう可能性が高い。
直後にと引き入れダマテン。次巡持ってきたをツモ切り、リーチを宣言する。
なぜツモ切りリーチ?と他家が考える間もなく、一発でラス牌のをツモリあげ2000・4000。

「はい。」
アツい親被りをしても、笑顔と共に丁寧に点棒を渡す大崎。
日頃、麻雀荘で働く従業員としての慣れた笑顔なのか。
それともこれが、「麻雀を楽しむ」彼女の姿勢なのだろうか。

南1局2本場
1巡目に役牌を叩いた杉村の手が、6巡目にドラ暗刻となる。
6巡目 杉村(西家)
 ポン ドラ

1日目の勢いとは裏腹に、2日目を迎えて今一つ手が入らなかった杉村。
ここで8000点をアガることができれば、一息つくことができる。

しかし無情にも朝倉、崎見から立て続けにリーチの声。
崎見の宣言牌をチーして、真っ向勝負を挑む。
だが朝倉がをつかみ、崎見に3900点の放銃。

ダメか…。小さく微笑み、牌を流す杉村。
初日に独走した杉村を恐らく周囲も意識していると思うが、今日は展開も彼女を走らせてくれない。

オーラス、各家の点棒状況。
大崎(東家)17900
朝倉(南家)13300
崎見(西家)40400
杉村(北家)28400

ここでちょっとした奇跡が起こる。
10巡目の朝倉の手牌
10巡目 朝倉(南家)
 ドラ

カン待ち純チャン三色テンパイ。
そう彼女は1半荘目オーラスにも、カンで純チャン三色をテンパイしていたのだ。
ただ1半荘目と違い、今回はアガって着順を上げたい。
結論を言うと、終盤をポンした杉村からがこぼれ8000点。
ドラを暗刻にしていた杉村自身、その打点の高さに驚いただろう。
この放銃で杉村は3着に落ち、朝倉はラスから2着へと上がった。

この2半荘全く手が入らず2ラスを押しつけられた大崎。
その頬笑が先程より多少紅潮しているのは、たぶん室内に効いている暖房のせいだけではない。

朝倉+1.6 大崎△42.1 杉村△19.9 崎見+60.4

7回戦終了時トータル
杉村+165.1
崎見△32.1
大崎△36.7
朝倉△96.3

 

★8回戦★(杉村→崎見→朝倉→大崎)

激しい点棒の動きはなく東3局。
中盤、大崎の手が止まる。

7巡目 大崎(南家)
 ツモ ドラ
大体を切ると思っていた。が先に埋まったらを打てば456三色に移行もできる。受け入れ枚数も断トツで多い。

だが、彼女の選択は打
確かに現時点で満貫の可能性を一番残す打牌だが、特に打点が必要でもない状況で 整理は、少し遅いのでは?と遠くから眺めていた。
それに、どこまで進んでいるかわからないが杉村のホンイツもかわせるようにしておいた方がいい。

次巡、崎見からリーチがかかる。
8巡目 崎見(北家)
 ドラ

直後の大崎の手牌
9巡目 大崎(南家)
 ツモ ドラ
1巡前に引いたスジのを落とし、一発を逃れる。

私なら、
 ツモ
となり、打で崎見に5200点(リーチ一発裏1)を放銃していた。

その後も大崎は慎重にオリ、崎見がをツモって1000・2000。
「どんな時でも私らしい麻雀を打つこと」
対局前にそう話していた大崎。
あくまでも今、目の前にある最高打点を追いかけた手組みが、結果的に5200点の放銃を回避した。

東4局

ここまで我慢を重ねてきた大崎だったが、9巡目にようやくそこそこの打点を備えたリャンメンテンパイが入る。
9巡目 大崎(東家)
 ドラ

が3枚切れだが、4800点を拾う局面でもない。
迷うことなくリーチを宣言し、ハイテイ直前にをツモりあげ大きな4000オール。

終盤しぶとくテンパイを入れていた杉村は単騎。実はさりげなく山に2枚残っていた。

南2局

4巡目 朝倉(南家)
 ドラ

ここからダブをポンして打
手牌自体は遅いが、他家を牽制しつつ手の中に安牌候補もあり、非常にバランスが取れている。
ドラトイツに打つ訳にもいかない3人の足が止まり、終局間際に朝倉の500・1000ツモ。

南3局
ラス前の点棒状況。
朝倉(東家)18200
大崎(南家)35400
杉村(西家)21300
崎見(北家)25100

朝倉に軽いアガりが出て杉村がラスに落ちれば、並びは良くなる。
しかし大崎からすれば、朝倉にアガりが出れば自身のトップが危うい。

5巡目 大崎(南家)
 ドラ

ここから、朝倉のをチーして打
は初巡に1枚切れており、つかめば誰からでも出そうではあった。

だが次巡、最も放銃したくない崎見からリーチがかかる。

ここまで大崎は、非常に丁寧にオリてきた。初戦の2ラスも、放銃よりはむしろ手が入らなかった所に因るものが大きい。

その大崎が、イーシャンテンから一発目に無スジであるを放った。
協会の大先輩である崎見の顔が、僅かに曇る。

6巡目 大崎(南家)
 チー 打 ドラ

次巡を引き入れテンパイ、を滑らせる。

その後も無スジであるをいった。をいった。
後ろで見ていて、正直何枚押すのか興味はあった。
山に1枚のが、脇に流れてしまっては元も子もない。

「3日間で一番印象に残ったのは、2日目のバック3900点です。」

協会2年目の大崎は、この後の半荘でアガる6000オールや12000点ではなく、
役牌の後付けで押し切った3900点を一番印象に残った局に選んだ。
私らしく、自分の手で優勝に近づく。
その穏やかな頬笑の裏に秘めた確固たる意志で、もしかすると彼女はこの局全部押すつもりだったのかもしれない。

崎見のつかんだに大崎の手牌が開かれたのは、崎見のアガり牌が全て脇に吸収された直後だった。

オーラスは朝倉がタンヤオ七対子ドラドラを崎見から出アガり、ラスから2着に浮上。
2半荘連続で3着に落ちた杉村を心配するように、周囲からギャラリーが見守っていた。

杉村△18.7 崎見△47.8 朝倉+6.2 大崎+60.3

8回戦終了時トータル
杉村+146.4
大崎+23.6
崎見△79.9
朝倉△90.1

 

★9回戦★(崎見→杉村→朝倉→大崎)

東1局、崎見が4000オール、1300オールと連続のアガりでリードする。

東2局にも、
11巡目 崎見(北家)
 ドラ
からドラのをチーして即座にをツモリ、1000・2000。

東3局

5巡目 朝倉(東家)
 ドラ

朝倉が親番でこの形からを仕掛けるも、全く手が進まず杉村に流される。

10巡目 杉村(北家)
 チー ポン ツモ ドラ

3連続3着を引かされながらも、決して大崩れをしない杉村。
場況を見てコツコツかわし手を入れながら、必死に耐えている。

東4局1本場

3巡目 朝倉(北家)
 ドラ

一通の目を残すなら打。三色の目を残すなら打
メンゼンでテンパイすれば大体役牌のシャンポン待ちになりそうだが。
朝倉の選択は打。4巡目に崎見から出たをスルーする。
点差を考えれば当然と言えば当然。

しかし8巡目に、大崎から親リーチが入る。
 ドラ

直後にを引く朝倉。安牌であるを落とす。
 ドラ

3巡目に打を選択していれば、この手はここで死んでいた。
もちろんその時点では、そこまでわかるはずもないが。

11巡目にを引き入れ追いかけリーチを放つも、山に3枚あったは脇に流れて流局。
勝負手が思うように和了れない朝倉。
最善の一打を繰り返しても、牌山との格闘にどうしても勝てない。

東4局2本場

3巡目 杉村(西家)
 ドラ

ここから崎見のを叩いて打
現在ラス目ではあるが、トータルポイントを考えれば無理して打点を追いかける局面ではない。

次巡ドラのを引いて聴牌。
4巡目 杉村(西家)
 ポン ドラ

しかしこの-が場に放たれないまま、大崎からの親リーチが入る。

大崎の捨牌はこう。

一発目に引かされたに息を止める杉村。現物はのみ。
それでもトータルポイントを考えればを抜くのかな、と思っていた。

しかし杉村はのツモ切り。
確かにこの情報と自分の手牌では、いずれ手詰まる可能性が高い。
それならば現状のテンパイを優先して、1〜2枚くらいはいくのかもしれない。

だがを引かされたところでダウン。自分で通したと落とす。
しかしがくっつき、更にがノーチャンスとなった。

11巡目 杉村(西家)
 ポン ドラ

直後にさきほどまでアガ牌だったをチーすることができ、まわりながらカンでテンパイ復活を果たす。

はずだった。

大崎(東家)
 ロン ドラ 裏ドラ

確かにあの捨牌にはシャンポンに危ない。
もちろんを真っ直ぐいける訳もないが、いっていれば大崎のを捕らえていた。
麻雀を打ったことがある人なら誰もが経験したことのある、「やってしまった」というあの感じ。
点数こそ2000点で済んだが、それまで笑顔だった杉村が、今日一番の落胆した表情を見せた。

南1局

しかしその杉村に、好配牌が入る。
1巡目 杉村(南家)
 ドラ

この手が9巡目に
 ドラ
となりリーチ、安めのを一発でツモって2000・4000。

南2局

17巡目 杉村(東家)
 チー ドラ

流局直前。北家の崎見から、8巡目にリーチが入っている。
杉村の手は、崎見のリーチに対応した形の形式テンパイ。

崎見(北家)
 ドラ
ここまで3連続3着であり現在も21100点持ち3着の杉村としては、この親番は落としたくない。

アガり牌をツモれない崎見が力なく落とした最後のツモは、

は完全安牌。山に手を伸ばす前に、顎に手を当てる杉村。
2つの選択がある。
1.チーして打、テンパイ維持。しかしハイテイを崎見に回してしまう。
2.チーせず崎見にハイテイは回さない。しかし次巡危険牌を引く恐れがある。

杉村は、2を選択した。危険牌さえ引かなければ…。
そう願いながら山から持ってきた牌は、あろうことか崎見の当たり牌である

1を選択したって2を選択したって、裏目を引くことなんていくらでもある。
初日トップからここまでポイントを減らされ続けている杉村が、アツくなって1枚くらいいったって誰も責めはしないだろう。
それでもを抱え、を切って我慢した姿は立派だったと思う。

南3局2本場

崎見の9巡目が難しい。

9巡目 崎見(西家)
 ドラ
通常なら打でいいのかもしれない。
だが親の朝倉から、明らかなピンズ染め仕掛けが入っている。

崎見の選択は打
「ピンズを切る気はなかった。」
そう話す崎見。
確かにソーズにくっついたところでピンズに手をかけないのであれば、引き以外ピンズを切らずにテンパイできる打の方がいい。
長く雀王戦Aリーグにいる崎見だが、この辺りの捌きは流石だと思う。

15巡目にを引き慎重にダマ。直後に高めのをツモって、他家を大きく引き離す3000・6000のアガりとなった。

南4局は大崎が親番で怒涛の追い上げを見せるも、3本場で崎見が七対子でかわして終了。
オーラス最後まで3着目の杉村を捲ろうと、ラス目の朝倉が満ツモ・ハネツモを作りに行く姿が印象的だった。

崎見+74.8 杉村△27.6 朝倉△61.3 大崎+14.1

9回戦終了時トータル
杉村+118.8
大崎+37.7
崎見△5.1
朝倉△151.4

 

★10回戦★(朝倉→崎見→大崎→杉村)

東1局は崎見が杉村との2軒リーチに競り勝ち3900点のアガり。

東2局

11巡目に、崎見からリーチ。
11巡目 崎見(東家)
 ドラ

その直後朝倉に、高めタンピン三色のテンパイが入る。
11巡目 朝倉(北家)
 ドラ
崎見の捨て牌に情報が少なく待ち牌のがあることから、ひっそりとダマで構える。
しかし、その後と比較的強い牌をツモ切ることになり、ダマテンの意味がなくなった為ツモ切りリーチに踏み切った。

結果は一発で崎見がをつかみ12000点の放銃。
 リーチ一発ロン ドラ 裏ドラ

東3局に、大崎が2局で30000点を稼ぎ出す。

東3局

大崎(東家)
 リーチツモ ドラ 裏ドラ

まずはこの6000オール。

続いて1本場には、

大崎(東家)
 リーチロン ドラ 裏ドラ

崎見のテンパイ打牌を捕らえ、裏々で12000は12300点。

続く2本場もこのリーチが入るのだが、これは流局。
大崎(東家)
 ドラ

山に残っていた--6枚中1枚が王牌、5枚がオリている3人に配られた。

南3局になり、点棒状況は以下となる。
大崎(東家)45600
杉村(南家)11700
朝倉(西家)32700
崎見(北家)10000

5巡目 崎見(北家)
 ドラ
上家の朝倉から出たをチーする。

今欲しいのは杉村を捲る2000点。
この手なら、カンさえ解決すれば後はどうにでもなる。

この後大崎から親リーチが入るも、その大崎のつかんだに崎見の手牌が倒される。

 チー ロン ドラ

崎見の直前の河には手出しのが並んでいる。
明らかに後手を踏まされたアガり形。
次に崎見が無スジをつかんでいたら、恐らくオリていただろう。
ラスに落ちた杉村の目が、いつまでも崎見の手牌から離れない。

南4局

2日目杉村の最後の親番。

初日+200オーバーを叩き出した杉村は、2日目の今日ここまで4連続3着を引いている。
後ろから見ていると、3人の総マークにあったというよりは、展開が不運だったという印象の方が強い。
それでもこの9戦一度もラスを引かず、必死にポイントを守ってきた。
この半荘だって杉村は、東1局のリーチ負けの3900点と、東4局親番でリーチ後の2000点の放銃しかしていない。

ギャラリーも固唾を呑みながら、杉村の配牌の行方を追う。

1巡目 杉村(東家)
 ドラ
ドラがトイツで、配牌も良い。

ここから4巡目にこぼれた大崎のドラを叩き、重ねたをポン。
さらに、8巡目にを引きテンパイが入る。

8巡目 杉村(東家)
 ポン ポン ツモ ドラ

しかし無情にも、テンパイ打牌のに大崎からロンの声がかかってしまう。
 ロン ドラ
4巡目のドラ打ちは、大崎のテンパイ打牌であった。

ここまで一生懸命3着で耐えてきた杉村が、ついにラスを引かされた。

朝倉+12.7 崎見△27.0 大崎+65.2 杉村△50.9

10回戦終了時トータル
大崎+102.9
杉村+67.9
崎見△32.1
朝倉△138.7

最終日を前にして、トータルトップに立った協会2年目の新鋭大崎。
本日逆連対したものの、丁寧な手筋でまだまだ好位置の2着にいる杉村。
その爆発力でいくつものタイトルを奪取した、ベテランの崎見。
どんな状況でも常に最善の選択を繰り返す、現女王の朝倉。

 

冒頭の男の子から、後日メールがあった。
「麻雀雑誌に載っていた、杉村さんが働いているっていう麻雀荘に初めて行ってきました!
本物の杉村さんはすごく綺麗で、緊張して手が震えました(笑)
もっと麻雀の世界を知って、藤原さんや杉村さんに近づきたいです!」

タイトル戦も大事だが、我々プロにとってはこうしたファンの声が、何よりも嬉しいと思う。
驚いたことに、最近彼は大学近くの大手麻雀チェーン店でアルバイトを始めたという。
いつか彼がこうやって観戦記を書く日が訪れるのも、そう遠くないのかもしれない。

 

 (文:藤原 哲史)

1日目観戦記3日目観戦記

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