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順位
名前
ポイント

1日目

2日目
11回戦

12回戦
13回戦
14回戦
15回戦
1
逢川 恵夢
243.1
100.4
86.9
62.5
58.3
9.8
-26.7
-48.1
2
朝倉 ゆかり
204.8
100.5
42.9
-24.7
-47.5
62.3
-5.5
76.8
3
水口 美香
11.1
-23.6
-43.0
12.0
4.9
-22.3
86.0
-2.9
4
大島 麻美
-461.0
-177.3
-87.8
-49.8
-15.7
-49.8
-53.8
-26.8

1日目観戦記【2日目観戦記】3日目観戦記

≪女流雀王決定戦2日目観戦記≫



開幕インタビューで、ファイティングポーズを取り「強気の姿勢を見せたい」と語っていた朝倉。
良形と打点を意識したバランスの取れた手牌進行と、後手に回った際の繊細な守備意識が持ち味の選手だが、2人競りのリードで迎えた2日目にどのような闘い方を見せるのか、注目が集まる。

☆6回戦
注目の朝倉、東1局に700-1300を和了り迎えた東2局の親番で、
流局テンパイ (一人テンパイ)
1本場 ツモ4000オール
2本場 流局テンパイ (4人テンパイ)
3本場 流局テンパイ(3人テンパイ)
と着実に加点を続け、持ち点は42500点に到達。

そして、迎えた4本場の親番で、朝倉の強気な選択が際立つ。

○東2局4本場
まずは水口がタンヤオの---待ちで先制リーチ。
ドラ

宣言牌のをチーし、朝倉も-シャンポン待ちのタンヤオテンパイを入れる。
打点こそタンヤオのみであるものの、供託リーチ棒2本と4本場で和了れば4700点の収入になる。
チー ドラ

ドラのをポンしていた大島も-テンパイ。
ポン ドラ

そして、逢川もピンズホンイツのテンパイを入れる。
ポン チー ドラ

全員がテンパイを入れ、一気に場が沸騰する。
そして、朝倉のもとに危険牌のが訪れる。

ドラポンの大島の現物ではあるが、水口の宣言牌の跨ぎでピンズホンイツの逢川にも通っていない牌だ。
手の内には現物のと中筋のがあり2巡は放銃を回避することができるため、打とするだろうと思われたが…


朝倉は打を選択した。トップ目であることを加味すると、かなり強気な選択に見える。
「ドラポンの大島さんの現物で、逢川さんも回っているように見えたので」と対局後に朝倉は語った。
確かに、逢川はリーチに対して少考して打手出しと、テンパイが入っている可能性はそこまで高くなく、水口の手も表ドラが無い子のリーチだ。
としても流局までに手詰まる可能性も十分にあるので、それならばの放銃リスクは許容して自身の和了りを見た方が得だろうという判断だ。
考えてみると合理的な一打だが、暫定トータルトップでこの半荘もトップ目。
なかなか容易にできる選択ではない。

強気の姿勢で勝つ、という朝倉の想いに牌が応える。

全員テンパイを制し、大きな500は900オールのツモ和了。
これで持ち点は47200点とリードを大きく広げる。

親番が落ちた東3局でも、朝倉の強気の姿勢が際立つ。
ワンズのホンイツで先制テンパイをしていた朝倉。
ポン ドラ
ここから、大島の子リーチを受け、無筋のと押していくが、このが満貫の放銃となる。
南家 大島
ロン ドラ 裏ドラ
協会ルールでは東場で40000点台のリードではトップの安全圏とは言えない。
自身も高め満貫のテンパイであればギリギリまで加点を見て踏み込んでいく。
結果は痛かったが、リターンも十分にある選択なので悔いはないだろう。

○東4局
トップを切望する大島。
厳しい展開が続く中で、前局は値千金のトップ目朝倉からの満貫直撃。
闘える手応えを得て迎えた東4局の親番だが、無情にも、朝倉が強さを見せつける。

まず動きを見せたのは北家の逢川。

この牌姿からを暗カン。
門前リーチ、七対子、北をポンをしてのトイトイと様々な手役を追える手牌。
一旦保留してを切る選択もあるが、現状ラス目でポン材も強いことから、仕掛けた際の打点上昇とドラを増やす抽選を見た選択だ。

その後、を暗刻にしてからをポンしてテンパイ。
ポン 暗カン ドラ
現状は70符1翻で2300点のテンパイだが、ポンやツモで満貫、ツモでも4500点のテンパイとなる。十分な勝負手だ。
逢川の仕掛けを受けて、西家朝倉もテンパイ。

逢川の仕掛けはカン手出しポン打(は大島がカンでチー)。
役はピンフのみだが、打ち出すは唯一残っている役牌で逢川に対し相当な危険牌。

十分に場を見た上で、朝倉は


リーチを選択した。
逢川の手に生牌のがある可能性は相当高いが、
(1) テンパイで暗刻
(2) テンパイでシャンポン待ちのトイトイ
(3) テンパイでシャンポン待ちのバック
(4) イーシャンテンでのポンテン
逢川に対してが高打点の放銃となるのは(2)と、(3)でドラが雀頭のケース。
ポン時の打は安全牌のを切ってまで手に残した牌なのでほぼ関連牌とすると、(2)と(3)のケースの雀頭候補はとなる。
が、逢川がをポンした後にが通っておりも大島の副露含めて3枚見え、も2枚見えであることから、は(1)や(4)のケースで愚形ターツを解消するための候補として抱えた可能性が高く、トイトイになっているケースは少ないと考えられる。

そのため、宣言牌の北が高打点の放銃となる可能性は低く、それならば現状の良い待ちでリーチを打ち、裏ドラや一発の抽選を最大限に受けることが有利という判断だ。

強気という一言で片付けるのは野暮だろう。
朝倉は積み上げた「理」を基に、一発で力強くを手繰り寄せた。
裏ドラも1枚乗り大きな満貫のツモ和了り。
女流雀王の奪還に向けて、持ち前の繊細さに加え「理」で踏み込む力強さを見せつけた朝倉が南場も逃げ切り、トップを勝ち取った。

6回戦スコア ()はトータル
朝倉+69.2(+169.7)
水口+4.4(▲19.2)
逢川▲23.4(+77.0)
大島▲50.2(▲227.5)

☆7回戦
朝倉にこれ以上走られるわけにはいかない―これは現状三者の共通認識であろう。
6回戦目で「攻めて勝つ」朝倉の麻雀を目の当たりにし、これ以上リードを広げられると崩すのは容易ではない―現状のポイント差以上に、対局者に与える印象も大きかった。

そんな朝倉に、三者がどのように立ち向かっていくか。注目の7回戦が幕を開けた。
まずは、逢川・大島が和了りを積み重ねて一歩リード。

○東3局
そして、放銃2回のラス目で迎えた東3局、親番での水口の選択が光る。

親番で4巡目、ドラは
567三色やソーズの横伸びでのピンフが見える手格好。打点と良形率のバランスを見てあたりが打牌候補だろうか。

水口の選択は打
なるほど。瞬間的にソーズの横伸びをキャッチできなくはなるが、こうしておけばツモpでメンタンピン三色ドラ1の最高形の可能性が残る。
また、先にあたりを引いてもターツ振替の余地を残せるので最序盤であれば打と比較しても和了率が大きく落ちることはないだろう。

現状ラス目であることに焦らず、ポテンシャルがある手でしっかりと打点を追う水口らしさが光る選択だ。

この選択が奏功し、リーヅモドラ2の4000オール。
朝倉が暫定ラスに落ちる大きなツモ和了りとなった。

しかし、南場に入りラス目朝倉が怒涛の追い上げを見せる。
まずは、南1局に大島の親リーチに追い掛け、リーチ一発ツモドラ1の満貫。
北家 朝倉
ツモ ドラ 裏ドラ
続く南2局も大島の先制リーチに対し、ドラ3の手牌から当たり牌のを暗刻にして追い掛けてテンパイ流局。

迎えた南3局。
まずは、親番の水口が七対子の単騎で先制リーチ。

この時点で待ちのは山に3枚残っており、水口の和了りが濃厚かと思われた。
その刹那―宣言牌のに南家の朝倉からチーの声がかかる。
ドラ
この手牌からチー打

水口のリーチに通っている数牌はの3種のみであり、自身の手に現物は無い。
次巡以降に安全牌を引いてオリに回れる保証も無いならば、一発を消してかわしに向かった方がマシという判断だ。
理屈の上では納得できるが、ラス目の親リーチに対して簡単に取れる選択ではない。

続けてをチーして以下のテンパイ。
チー ドラ
-どちらで和了っても供託込みで5300の収入となる。
和了った場合は2着目大島と3900点差でラス親を迎えることができ、終盤に伏せる選択も取りやすい。勝負所とみて押し切る構えだ。

そして、役牌をポンして粘っていた大島にテンパイが入る。

テンパイを取るために打ち出す-はいずれも水口・朝倉に通っていない危険牌。しかもはドラだ。
暗刻のが現物なのでオリることはできるが、前述の通り供託が3本あり和了りの価値も非常に高い状況。

意を決した大島は打を選択した。これが朝倉に2000は2300点の放銃となる。
南家朝倉
チー ロン ドラ

大島とて、朝倉にシャンポンやドラ対子の亜両面で当たる可能性もあり、ハイリスクな選択であることは百も承知だ。
しかし、和了り切った場合はトップ率がかなり高まる。トータルポイント的にも自身のトップ率を最優先すべき局面であるため、リスクに見合うリターンが得られると踏んだ。。
まだ諦めていない―結果は裏目となってしまったが、大島の執念が見られた一局であった。

この和了りが決め手となり、7回戦は朝倉の連勝。

7回戦スコア ()はトータル
朝倉+50.7(+220.4)
大島+7.5(▲220.0)
逢川▲16.9(+60.1)
水口▲42.3(▲61.5)


☆8回戦
東1局に朝倉が發ホンイツ一通の満貫を和了り、好スタートを切ったが、現在トータルマイナスの水口・大島が意地を見せる。

まずは、東2局朝倉の親番で、逢川の先制リーチにしっかりと粘って押し返した大島が、リーチツモ北ドラ3の跳満ツモ。
北家大島
ツモ ドラ 裏ドラ

東3局2本場では、水口がチャンタやホンイツをメインに据えた進行から、構想外のツモに柔軟に対応して、リーチ一発ツモドラ2の満貫ツモ。
南家水口
ツモ ドラ 裏ドラ

やっとの思いで手に入れた女流雀王への挑戦権、簡単に諦めるわけにはいかない―
決定戦初挑戦となる2人の思いの強さを感じる展開だ。

○南1局
待望の初トップが見えてきた親番の大島が好手順を見せる。
ドラが対子の手牌だが、門前で進めた場合には速度感に欠けるので、仕掛けられる手役の目も残したいところ。
大島の選択は―

だ。
ピンズ部分が両面なので、七対子に比重を置きづらい手格好。
123三色との重なりをメインに据えつつ、数牌の伸びに対応しやすい柔軟な一打だ。

ストレートな進行でシャンテン数を上げていき、先手を取るのが大島の勝ちパターンだが、状況に応じて打点を見る柔軟さも持ち合わせている。
この選択に牌が応える―
123の三色は崩れてしまったが、比較的場況が良いピンズの下に照準を絞った手順でカンのドラ2リーチを打つ。
結果、一人テンパイで流局となったが、大島の麻雀の選択肢の多さを感じさせる一局であった。

○南2局
現状ラス目の西家、水口の手牌。

打点が必要な状況のため、朝倉から初巡に打たれた1枚目のをスルーし、3巡目で上の手格好。
水口は打を選択した。

2枚目のをスルーする前提で、良形や345三色を捕捉しやすい打と、ドラを2枚以上使いやすくなる打の比較。
345三色は不確定だがドラを引いた場合は確定の打点上昇となること、良形変化はピンズの横伸びでも十分であることから、を残す方が優秀との判断だ。

「赤無しでトップが偉い協会ルールでは打点が大事」とはよく耳にするフレーズだが、打点を作る方法はがむしゃらに手役を狙い続けることのみではない。
むしろ、このように手牌のポテンシャルを活かすような孤立牌の残し方をできるかどうかが大事である。

苦しい展開が続く水口だが、この好手が見事に実った。

と引いてリーチ。最後はをツモりあげ、リーチツモ南ドラ4(裏ドラ)の跳満の和了り。
朝倉に親被りをさせて3着に浮上する値千金の結果となった。

オーラスは、ラス親の水口が3着からトップまで浮上する怒涛の連荘を見せるも、大島がバックの満貫をツモりトップを再逆転。
終始苦しい展開が続く大島が悲願の決定戦初トップを決めた。

8回戦スコア ()はトータル
大島+60.5(▲159.5)
水口+16.1(▲45.4)
逢川▲24.5(+35.6)
朝倉▲52.1(+168.3)

☆9回戦
決定戦もすでに後半戦に差し掛かってる。
現状ビハインドの水口・大島にとっては自身のトップを最優先としながらも、朝倉・逢川とのポイント差を可能な限り詰めるべく並びを意識する必要が出てくる。

まずは、起親の逢川が満貫・跳満と連続で和了り大きく抜け出す。

東家 逢川 リーチ一発ツモタンヤオ
ツモ ドラ 裏ドラ

1本場 東家 逢川 リーチ發チャンタ三色ドラ1
ロン ドラ 裏ドラ
僅か2局で持ち点は55000点を超え、トップの可能性が大きく高まる。
こうなると、逢川としては朝倉を三着以下に落としトータルポイント差を可能な限り縮めたい。

しかし、逢川以外の3人が競った状況で、朝倉の冷静な打ち回しが光る。
東3局。まずは11巡目に以下のテンパイをダマテンに構える。
ドラ
巡目も深い上に場に高いドラ色ソーズのカンチャン待ち。
リーグ戦などでフラットな点数・ポイント状況であればリーチも有力な選択となりうるが、トータルポイントを加味するとカウンターを受けた際のダメージが大きい。
ドラのを引いた場合のみリーチを打つ構えだ。
この判断が奏功し、13巡目にドラを引いて両面リーチを打つと、一発ツモ。
北家朝倉 リーチ一発ツモタンヤオドラ1
ツモ ドラ 裏ドラ
3人競りの状況から一歩抜け出す大きな満貫。
トップ目の逢川含む3者にとって痛い和了りだ。

南1局。トップ目で親番を迎えた逢川、トップを決定付けるべく果敢に攻め続け、連荘に成功。

東家 逢川 リーチ・七対子
リーチロン ドラ 裏ドラ

1本場 東家 逢川 リーチ・ツモ・タンヤオ・平和・ドラ2
リーチツモ ドラ 裏ドラ
ついに持ち点が72200点となり、この半荘のトップが濃厚となってきた。

○南3局
逢川−朝倉―水口―大島の並びで迎えた南3局大島の親番。
ここでの逢川の選択が面白い。

まずは逢川、この牌姿から1巡目にポン打とした。

この段階での選択の意図を逢川に質問したところ、以下2点が要点であった。
(1) 他家が役牌を絞りにくい状況であるため発を鳴ける可能性を高く見込める
(2) 基本的にはトイトイにするつもりで、両面テンパイした場合は朝倉からのみ和了る

まず、(1)は現状の持ち点に注目すると
東家 大島 ▲200
南家 水口 13300
西家 逢川 71700
北家 朝倉 15200
となっており、水口・朝倉からすればラス目の大島の親が流れることは歓迎。大島も、役牌を絞る状況ではない。
逢川としては大島が朝倉の着順を捲ってくれた方が得になるが、点差が大きく離れているので不確定な大島の着順アップを期待するよりも自ら和了りきって素点を伸ばす方が良いとの判断だ。

そして、(2)は上記の素点獲得に加え、朝倉の着順を落とせる可能性を上げることに大きな価値があるということだ。
仮に1000点の両面テンパイをしたとして朝倉からの直撃以外で和了った場合、オーラスに水口と朝倉の点差は1900点となり2翻以上の直撃でなければ朝倉を3着に落とすことができない。逆に言えば、朝倉から直撃を取れれば、オーラスは朝倉からのロン和了りで必ず3着に落とすことができる。

女流雀王・新人王とタイトル獲得経験も豊富な逢川ならではの、優れたゲームメイク意識である。

最後の親番で後のない大島から、渾身のドラ2リーチが入る。
ツモれば暫定2着目に浮上する上に、の感触も非常に良い。正真正銘の勝負所だ。
大島のリーチを受けて迂回気味に進行していた逢川だが、朝倉のをポンして無筋のを勝負。以下のテンパイを果たす。
ポン ドラ
安目5200、高目満貫の手だ。

「リーチが入った段階では大島さんがツモって2・3着に浮上した方がトータルポイント的に良かったのですが、残り巡目も少なくなり大島さんが和了る可能性が低くなったと考えました。それならば、素点を重視し自身の和了りを見た方が良いとの判断です」
との逢川談。

ほどなくして、決着はついた。

發・中・トイトイの満貫。
トータルポイントを踏まえ、序盤の構想・中盤の対応・終盤の切り替えと見事なハンドリングで成就させた和了りだ。

渾身のリーチが実らないだけでなく放銃に回った大島には厳しい結果となってしまったが、この一局は逢川の内容を称えたい。

○南4局
迎えたオーラス、持ち点は東家から
東家 水口 13300
南家 逢川 80700
西家 朝倉 15200
北家 大島 ▲9200

こうなると、朝倉以外の3者の共通認識は「朝倉を3着以下にする」ことである。
トータルビハインドの2者にとっては、このままの並びで終わった場合と、朝倉を3着に落とした場合とでは詰めるべきポイントが20pt(20000点)変わってくる。
逢川にとっても、水口が朝倉を捲った場合には朝倉とのポイント差が20pt詰まるので、自身のトップがほぼ安泰なこの状況では朝倉が2着のまま終わる和了りは基本的にしない。

少考の末、大島はこのをツモ和了りした。
素点回復を図ろうという意図だが、トータルトップ目の朝倉とのポイント差で考えた場合、水口の着順を上げた場合は20pt得するのに対し、和了りでの素点回復は4pt(自身+3.2ptと朝倉▲0.8pt)分に過ぎない。

前述の通り、逢川・水口のゲームメイクを信頼してここは和了らずに打とし、朝倉の着順を下げる純チャンでの直撃手を組み直した方が良かったように思う。

9回戦スコア ()はトータル
逢川+99.9(+135.0)
朝倉▲5.6(+162.7)
水口▲28.3(▲73.7)
大島▲66.0(▲225.5)


☆10回戦
2日目もいよいよ最終戦。
残り6戦で大島は最低5トップ、水口は3トップ以上は必要。
朝倉・逢川は直対での着順を意識して半荘数を消化していくイメージである。

東1局、まずはトップを切望する水口が仕掛けて満貫のツモ和了りを決める。
西家 水口 タンヤオ・ドラ3
ポン ツモ ドラ
門前で和了りが見えそうな手格好から対子持ちのがドラとなったことに反応し、積極的に仕掛けたことが奏功した。
最終日に現実的な条件を残すために、十分な感触のスタートを切る。

しかし、水口の前に立ちはだかったのは現女流雀王逢川。
まずはトップ目水口の親番で、6巡目に以下の手をリーチ。
南家 逢川 東3局2本場供託2
ドラ
待ち牌のが1枚切れ。宣言牌がであるため、打でテンパイを外して456三色・タンヤオ変化・ワンズとピンズの伸びに対応する打ち手が多いのではないだろうか。
しかし、1枚切れとはいえはシャンポンの待ちとしては優秀。
そして本場供託込みで2600は5200点からの収入となれば即リーチの方が優るという判断であろう。
親の水口から追っ掛けリーチを受けるも、をツモり1000-2000の2本場、供託3本の大きな収入。

続く東4局の親番では、12巡目にタンヤオのみのカンでテンパイするも、ドラのが場に見えておらず朝倉がワンズの染め気配であること、567のタンピン三色の手変わりがあることから繊細にダマテンを選択。
東家 逢川
ロン ドラ
狙い通り、門前でホンイツのイーシャンテンであった朝倉からで和了りを決める。
前局のシャンポンリーチから一転、繊細な判断でダマテンを選択した逢川の緩急付いた選択が光る。

○南3局
逢川―水口―大島―朝倉(大島と朝倉は同点)で迎えた南3局水口の親番。
まずは大島がピンフドラ1の先制リーチを打つ。


そこに親の水口が追い付く。
安目のが4枚見えているため、リーチ・タンヤオ・平和、和了れば5800点以上の勝負手だ。
最終日に望みを繋ぐために何としてでもトップを手にしたい2人の手がぶつかり合う。


水口リーチの同巡、大島が切ったドラを朝倉がカンチャンでチー打とした。
筋のを対子で持っているため手詰まる可能性は低いと見て、和了りと形式テンパイを目指した形だ。
この動きを受けて、逢川が長考に入る。
共通安全牌はがあるため、ここでの長考の意図は仕掛けている朝倉にで差込を狙うべきかどうかだ。

仮に朝倉の手が-待ちのタンヤオドラ1の2000点だった場合、オーラス開始時の持ち点は以下の通りとなる。
逢川 31300
大島 18900
朝倉 23900
水口 25900

逢川はトップ目を維持できるものの、朝倉の1300-2600ツモと満貫出和了り、水口の1000-2000ツモと6400出和了りで捲られてしまう。
加えて、オーラスに朝倉が2着に浮上する条件も軽いこと、今局の朝倉の打点が3900以上ある可能性が否定されていないことも懸念点だ。
自身のトップ率のみを考えると差込みを狙った方がやや高いかもしれないが、トータルポイントを考えるとリスクの高い選択と言える。
とすれば、今局は水口・大島の捲り合いを継続させ、朝倉に浮上の目を与えない方が優るだろう。

逢川は長考の後、現物の打とし、水口・大島の2人テンパイで流局。
いかなる状況下でも勝つための最善を尽くす―逢川の持ち味が垣間見えた一局であった。

○南4局
逢川―朝倉―大島―水口の並びで迎えた南4局逢川の親番。
朝倉は700-1300ツモ・3200出和了、大島は満貫ツモ、水口は跳満ツモがトップ条件だ。

2巡目、水口にチャンスが訪れる。


ドラを1枚含んだピンズの一通で跳満ツモ条件を満たす可能性がある手牌。
ペンチャンのターツ選択で逢川の2巡目に着目し打とすると―

一通確定となるを引き、ペンでリーチ。
ツモった場合は一発か裏1以上でトップ。逢川・朝倉から出和了りした場合は2着となる。

この水口のリーチに、ツモか逢川の1人ノーテンで逆転トップとなるテンパイを入れた朝倉が飛び込む。

リーチ一通ドラ2で満貫の直撃。
水口が2着浮上となる和了りを決めた。

10回戦スコア ()はトータル
逢川+51.8(+187.3)
水口+7.1(▲66.3)
朝倉▲19.3(+143.4)
大島▲39.6(▲265.1)


2日目を終え、逢川・朝倉が初日のリードをさらに伸ばした形となった。

逢川が少しリードしているものの、1回で入れ替わるポイント差である。互いの麻雀を良く知り、ゲームメイクに長けた逢川・朝倉の両者がどのような闘い方を見せるか、注目が集まる。

水口・大島は苦しいが、残り5回戦で可能性はある。上位2者の着順を常に意識した難しい進行が要求されるが、条件を踏まえて最後まで前を向いた闘いを期待したい。

残すは最終日のみ、彼女たちの技術と思いの競演を心待ちにし、結末を見届けたい。

1日目…FRESH!
2日目…FRESH!
最終日…FRESH!

(文・中嶋 隼也)

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