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順位
名前
TOTAL
1回戦
2回戦
3回戦
4回戦
5回戦
6回戦
1
矢島 亨
154.0
-15.5
63.4
53.8
3.9
64.0
-15.6
2
坪川 義昭
147.8
58.8
13.4
-14.7
57.1
-29.5
62.7
3
江崎 文郎
-150.8
9.0
-23.1
-51.1
-43.1
-50.7
8.2
4
吉田 航平
-151.0
-52.3
-53.7
12.0
-17.9
16.2
-55.3

|【1・2日目観戦記】| 3日目観戦記最終日観戦記

【雀竜位決定戦 1・2日目観戦記】


3連覇します」



シンプルかつ自信に満ちた宣言で17期雀竜位決定戦の火蓋は切られた。
この言葉を発することが出来るのは15,16期雀竜位を連覇中である江崎文郎他ならない。

この男が協会を代表する選手の一人であることに最早疑いはないだろう。
そんな連覇中の雀竜位様は実は非常に勤勉な男である。
雀竜位戦A級3日間、全18半荘もの対局をフルで観戦をした歴代雀竜位はおそらく江崎1人ではないだろうか。

2回戦東3局
北家吉田よりリーチを受けた次巡。江崎の手牌が以下のようになる。
ドラ ツモ
ここは一旦の現物の。2巡後絶好のを引き入れ切りリーチと出る。


即座に12000のアガリに結びつく。
江崎の麻雀の特徴として、相手に攻め込まれた時に1シャンテンであっても戦う価値のある手組にしていることが多い。
他家が迂闊に安い手で先制パンチを出したとしても、江崎は大ナタを振り下ろして相手を粉砕する。
江崎の勝ちパターンの1つである。

切れ味の鋭い山読みも1級品である。


それぞれも生牌ではあるが江崎は待ちを選択。
アガリには結びつかなかったが、しっかりと山3枚残りを選択したことになる。

実は江崎は8巡目から順子手と決別しチートイツ一本に絞っている。
ツモ
親番で形式テンパイに取れないチートイツに絞るのは多少なり勇気が必要な選択となる。
途中など順子手に戻す誘惑もあったが、江崎は見向きもせず、山に多いと読んだソーズを手牌に集め見事にテンパイに至っている。

江崎の競技麻雀に向かう姿勢と競技麻雀の考え方とは、多くの人が見習うべき点が多い。
彼は自己研鑽を決して怠らない。その研鑽が欠点を極限まで削ぎ落したオールラウンダーに成長させた。
それは最早すべてのスキルに突出していることの裏返しである。


ダークホースは今回限りで」

何ともキャッチーな言葉が自己紹介から飛び出した。
1.(競馬などで)予想外の活躍をして番狂わせを演じるかもしれない馬。
2.実力はよくわからないが有力と予想される選手。
いくつかの辞書を引くと、どれもこのような意味と記されている。

実力未知。決定戦常連の強者の中で好戦するならば「番狂わせ」という表現になるかもしれない。
そして2.の有力と予想される選手。勿論自分自身が本命である自信があるということだ。


彼の名は吉田航平。
決定戦はおろか、メディア配信対局も初めてとなる。
まずはリラックスすることから、そして強気に押したい。
知名度はまだないけど、これを境に変えていきたい。と意気込む。

彼の麻雀はスピートとアガリ回数で勝つスタイルなのだろう。


一回戦目のビハインドを背負った親番。
「それいけ!メンタンピン!」とのトイツ落とし・・・ではなく。
吉田は打。リャンメンターツ部分を縦にツモれば、のポンによるテンパイが出来る手組に構える。

解説も述べていたが一昔前に流行した手組である。和了回数は増加するが平均打点が下がる傾向になる。
この戦術を使いこなすためには守備力がキーポイントとなり、失点や相手の高打点アガリを如何に防ぐことが出来るかが彼の優勝に向けてのポイントとなろう。

一昔前と言えば「量産型デジタル」と揶揄される打ち手がその字のごとく量産された。
何でもテンパイ即リーチ、先制打たれたらベタオリ、役牌は1鳴き、牌は絞らない、山や待ちは読まない・・・
など判断基準によって01戦術をとることから「デジタル」と呼ばれていた。

彼はどうだろうか。


リャンメンテンパイである。供託3本。「量産型デジタル」なら無条件で追いかけリーチだ。

彼は意志を持ってヤミテンに構えた。
手替わりや待ち替えは当然、親リーチに対して相当の危険牌が来た場合はオリる選択をも含んだヤミテンだろう。
吉田は量産型などではない。持ち前のスピード手組に加えキーとなる場面では柔軟に対応している。
このダークホースがどのように暴れるか、この決定戦の見どころの一つになるだろう。

CHANGE the WORLD」

何やら開始前のスタジオ控室がガシャガシャと騒がしい。
大きな音量によって擦れた電子音に乗せた女性の歌声がスピーカーから聞こえてくる。
彼の好きなアイドルソングを矢島に聞かせているようだ―――


坪川義昭。淡々と麻雀を打つ彼の心に熱い炎が宿っていることを筆者は知っている。
3年前になるだろうか。雀竜位戦A級最終日、最終半荘で決定戦の権利が手から零れ落ちた。
当時の雀竜位武中進に挑むことが決まった元雀竜位たち3人がキャッキャと意気込みのPV撮影をしている。
そんな会場の隅で彼はひっそりと悔し涙を流していた。
後に結婚する大切な人は隣でただ黙って寄り添っていた。

幸先良い滑り出しの坪川。


ポン ツモ ドラ
開局早々の6000オール。
15回の戦いとは言えいきなりの親ハネマンを受けた三者の気分は良いものではない。
左手の薬指に光る指輪。画面越しに応援を受けている。2年連続で江崎に負けるわけにはいかない。

この決定戦に向け作戦は練ってきた、イメージトレーニングも重ねてきたと語る坪川。
ビハインドの親番。
勿論不満が残るテンパイ形だろう。既に先制リーチを打たれている。仕掛けも多数。
江崎 チー
矢島 チー  


ここから坪川は切りでリーチと出る。
山読みもバッチリ。山3枚のは先制リーチを打っていた吉田の元に。
一発とウラドラで7700のアガリをもぎ取る。

同じく坪川親番。


ここから坪川はをポンとする。
矢島はチー、江崎はのチー。
吉田に至ってはマンズ中張牌の手出しの後にソーズターツ落としが入っている。
悠長に手作りをしていてはアガリに結びつかないとの判断だ。

競技ルールは高打点高打点と1つ覚えのように叫ばれることもあるが、打点の高さなど勝利のための1つの手段に過ぎない。
高い手が見えようと速度を優先しないといけない場合は多々あるのだ。
坪川は速度感を適切に読み取るタイプである。対局者3者との距離感の読み方が決定戦のポイントとなるだろう。


「3連覇を阻止するのはこの俺だ



「てかさー俊がいないと相対的に俺がおふざけキャラみたくなっちゃうじゃ〜ん!しかもスベリ気味だったし!!」
鏡に向かって化粧パフをしている男が煽り気味に私に言う。
決定戦の控室の雰囲気は、その場にいる対局者によって大きく変わる。
前述の江崎、吉田、坪川の3人は基本的には大人しく本番までの時間を各々過ごしている。
というか、静かに過ごしている人の方が圧倒的に多いのではないだろうか。

矢島亨、控室でも麻雀でも実に「うるさい男」である。

決定戦開局直後の第1打目いきなりの仕掛けが入る。


オタ風牌のポン。この無邪気な仕掛けにはいくつかの理由がある。
@トイトイやホンイツといった2翻役を見ている
A遠くの役満(四喜和)を見ている
ここまでは多くの選手が構想するだろう。(勿論Aは図々しい構想ではあるが・・・)
Bメディア不慣れな吉田がオタ風ポンに対しどのように進行するか様子見をしたい
Cのちのタイムシフト配信を見た選手に遠い仕掛けを多用する印象を植え付けるため
この辺りも想定しているのではないだろうか。決定戦慣れしている矢島らしい仕掛けである。

とにかく暴れまくる。仕掛けもバシバシと決まる。


配牌
 
から第一ツモに手を伸ばす前にポンから。
決まれば打点が高く、それでいて守備力も高い安定した進行である。

今度は親番の矢島。


ダブ東暗刻が勢いの良い「カン」の発声と共に開かれる。3巡目でメンゼンを崩すダイミンカンだ。
メンゼン進行では愚形が多いため仕掛けが前提になる。
ドラを引くしか打点アップないなら、新ドラを一枚乗せて7700にした方が良いという判断だ。
吉田がを既に仕掛けていることもカンを後押ししたことだろう。


仕掛けを多用した矢島、確実にアガリを重ねた坪川が一歩ずつリードの展開となった。
四者の個性がぶつかり合う雀竜位決定戦は中盤へと進んでいく。


あーぁ・・・やっぱり来年はプレーヤーで出なきゃなぁ・・・

                                                                             (文・斎藤 俊)

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