|1日目|2日目|3日目| 【担当記者:新田友一】
■6回戦(柴‐後藤‐御崎‐中村)
まだ気にするほどの差ではないが、初日を終えトータル4位の柴。 「2日目は負けるわけにはいかない」という思いが一番強いのは柴であろう。
東1局、その柴が親番でピンフのみだが先制リーチ。 1日目、「そこにいるのは知ってますよ」と言わんばかりに一発ツモを連発していた柴。 この日も一発ツモでスタートする。
一発ツモ ドラ 裏ドラ
裏ドラも乗せ4000オールの好スタート。
一方、初日をトータル3位で終えた後藤はいまいち乗り切れない。 東3局、ツモり三暗刻の先制リーチを打つとドラドラだった親の御崎に追っかけられ、一発で12000を放銃。
東3局1本場、柴がピンフドラ1の先制リーチ。
ドラ
そこに御崎からまたしても追っかけリーチ! 柴も御崎にやられてしまうのか・・・ しかしここは柴がをツモアガリ、裏ドラにはその! 今日の柴は一味違う! 柴が頭一つ抜け出したまま南入。
南2局1本場、2着目の御崎がリーチ。
ツモ ドラ 裏ドラ
高目をツモって裏も乗せ、あっという間にまた並びかける。 「柴さん、そんなにトップは簡単には取らせないよー♪」と御崎の声が聞こえてきそうなムード。
柴38300点、御崎34700点で迎えたオーラス。 3着目の中村までは満貫ツモ条件の後藤のリーチ。 このリーチの一発目に大長考しているのはトップ目の柴。
ツモ ドラ
後藤のツモアガリは倍満以上でない限りトップのため大歓迎、しかし手牌は役無しドラ3の両面テンパイ。 神は試練を与えたがる… しかし今日の柴は一味違う、ここは強気にリーチといく。 柴がリーチ棒を出したことで御崎は1000点でも足りるようになったため、バックの1000点の仕掛けでテンパイを取り全ツ態勢!! 2軒リーチ+御崎の大プッシュの状況にも関わらず、思ったよりも決着が長引く。
16巡目に後藤がツモアガリ。
裏ドラ乗らずで後藤は4着のまま、柴も無事トップをキープした。
【6回戦スコア】※()内はトータルポイント 柴: +56.0(△22.7) 御崎:+13.4(+57.3) 中村:△24.0(+25.6) 後藤:△45.4(△60.2)
■7回戦(柴‐御崎‐中村‐後藤)
東1局、念願の初トップで気分のいい柴、この親でも先制リーチ。
ここに勝負を挑んだのは、6回戦ではあまり見せ場のなかった中村。
同じく-待ちのピンフ高目イーペーコーの追っかけリーチ。 2人のめくりあいに思われたが、勝負強さを発揮したのは仕掛けてテンパイを入れていた御崎。 ドラがすべて見えていたこともあり、2人に無筋の牌を切り飛ばして中村から2000の出アガリ。
東2局、今度は御崎の親リーチに対し仕掛けていた中村が捌きにいくが・・・
ロン ドラ 裏ドラ
御崎の12000に捕まる。 リーグ戦でもリーチに対し中村のこういった捌きはよく見られたが、ことごとく勝利するか危険牌を止めて回避するケースが多く見られた。 しかし、そううまくいくことは続かないということか。 中村の歯車がくるい始める。
南2局、耐える展開が続いていた後藤が中村から5200をアガると、南3局には先制リーチからの1人テンパイで徐々に差を詰めオーラスを迎える。
南4局2本場、親の後藤が4巡目にとのシャンポンリーチ。 の出アガリならリーチのみだが、後藤に勝利の女神が微笑む。
このアガリでトップを盤石にした後藤がそのままトップのまま終局となった。
【7回戦スコア】※()内はトータルポイント 後藤:+59.0(△1.2) 御崎:+10.4(+67.7) 柴: △15.8(△38.5) 中村:△53.6(△28.0)
■8回戦(柴‐後藤‐中村‐御崎)
3半荘連続で起家を引いた柴が、3半荘連続で先制リーチを打つ。 6回戦では一発ツモ、7回戦では御崎に捌かれたが、今回は流局。
東1局1本場の柴の手牌、タンピン三色や一気通貫が見える。
ここに引いたのは。 高目タンヤオもつく3メンチャンであれば申し分なしとリーチ。 これを御崎から一発でを捉え5800は6100のアガリ。
東3局、中村の親リーチが入る。 手牌すべてが無筋となった柴、どうせならとテンパイを取った打牌が中村に捕まり痛恨の12000放銃。
その直後の東3局1本場の柴。
打点を求め打でリーチと行くと、ラス牌のをツモアガり先ほどの失点を取り返す。 トータルトップ目の御崎が一人取り残された展開。 他3者にとっては好都合だが、中々思惑通りには進まない。
南2局、終盤に御崎がドラとのシャンポンリーチを打つと、最終手番でドラをツモり裏も乗せて3000/6000のアガリ。
南3局1本場、柴が自風の片アガリのテンパイをツモアガリ。 トップ目のままオーラスを迎えることに成功すると、そのままトップを守り切り初日のマイナスを完済しトータル2番手につけた。 トータルトップ目の御崎はここでも2着に付け順調にスコアを伸ばしていく格好となっている。
【8回戦スコア】※()内はトータルポイント 柴: +59.0(+16.1) 御崎:+6.2(+73.9) 中村:△20.1(△48.1) 後藤:△40.7(△41.9)
■9回戦(後藤‐御崎‐柴‐中村)
この半荘も起家の先制リーチから始まった。
ここでも後藤の親リーチを捌きにいくのは中村。 カン待ちの1000点で積極的に攻めていく。 しかし、この局を制したのは回りながらテンパイを入れていた御崎。 ツモのみだが大きなアガリをものにする。 こういった御崎の繊細な押し引きは目を見張るものがある。 麻雀の神様がいるのなら、2着続きで必死に戦っている御崎にそろそろご褒美を…
東2局、親の御崎が先制リーチ!
リーチ後にを暗カン、神様は御崎についに振り向いたのかと思われたが、御崎に襲い掛かったのはさらなる試練。 中村から追っかけリーチを受けると、その当たり牌を掴んでしまう。
12000の放銃で一気にラス目へ転落。 御崎以外の3者にとっては好都合な展開となった。
東4局、親の中村のリーチに今度は御崎が反撃の狼煙。
しかし、ここも中村! 2600オールのツモアガリで抜け出す。 2日目を首位で迎えていた中村だったが今日は大きくマイナスしトータル4位にまで沈んでいた。 このまま御崎とのトップラスを決めることができれば、また横一線となる。
南2局、柴が、を立て続けにポン。 しかし残った形はと、比較的仕掛け出しの基準が高い柴にしては珍しい仕掛け。 これに対しリーチといったのは後藤。
柴の仕掛けを重く受け止めるならダマテンの手もあったが、ここはリーチで牽制する。 これに対してプッシュしていく柴、気付けばチンイツのテンパイとなっていた。
さらに4着目の親の御崎もオリるわけにはいかず勝負してくる。
これに囲まれてトップ目の中村、ここでも仕掛けてかわしに行くがで御崎への放銃となる。 全力で親権を維持した御崎だったが、次局は仕掛けた中村が1000点で今度こそ局を流すことに成功。
南4局、点棒状況は以下の通り
中村 42500 後藤 29800 柴 19000 御崎 8700
最初のテンパイは後藤。
トップには跳満ツモが必要なため引きを待ってのダマテン。 後藤は打たれるをなんと2度も見送り! そこから御崎のリーチが入ると、今度は満貫ツモで条件を満たすためツモ切りリーチ! 御崎には満貫までは打っても着順落ちがなく、協会ルールのトップ取りの偉さを踏まえての勝負。 しかしここは後藤が御崎のアタリ牌を掴み終局。開かれた手牌は…
裏が乗ればラスまで転落の一大事だったが、ここは裏乗らずなんとかこのままの着順で終えることとなった。
【9回戦スコア】※()内はトータルポイント 中村:+62.5(+14.4) 後藤:+0.8(△41.1) 柴: △21.0(△4.9) 御崎:△42.3(+31.6)
■10回戦(中村-後藤-柴-御崎) ここまで9半荘が終了したが、未だ1半荘終了時のスコアのようなポイント推移となっており大接戦になっている。 まだ全員に優勝の目が残されており、気するほどのポイント差ではないかもしれないが、トータル4位の後藤は少しでも盛り返して最終日を迎えたいところ。
実は本日の4半荘、ここまですべて同じ席がトップを取っている。 5半荘目にこの席に座ったのその後藤。ただのオカルトかも知れないが、観ている方としては少し意識してしまうのが本音。
東3局、北家の後藤の8巡目に選択が訪れる。
打点を求め打とすると、次巡ツモでテンパイ。 ドラの単騎リーチに行くかと思われたが、後藤の選択は切りリーチ。 自然な手順にも見えるが、大きく打点を下げるこの選択は協会ルールでは決してマジョリティとは言えないだろう。 それでもここは所在の不確定なドラよりも、山にいると読んだ-と心中することを選んだ。 そして、その後藤の英断にツモが応えた。
打点を上げるのは何もドラだけではない。 一発やツモ、裏ドラだってあるんだぜと教えてくれるかのような後藤のアガリが炸裂した。
一方トータル首位の御崎は苦しい展開を強いられる。 東4局の親番でピンズの一色手で押すも、結果中村へ8000の放銃となり一人取り残された形で南入する。
南2局、仕掛けのレンジが広い中村が、ここでもオリジナルの仕掛けを始める。
この手牌から6巡目にをチー。 まだ-は場に1枚も切られておらず、決してマンズが場に高いわけでもない。 一方の柴、10巡目に場に2枚目のに反応して両面チー。
これまでの柴の戦いぶりを見ていると、この両面チーがいかに危険かが分かる。 この仕掛けに対しての他家の対応が、中村の時とはまるで違っていた。 全員が対応、後藤は安全牌を切り続けテンパイを取れたため2人テンパイで流局。
この流局を見ると、仕掛けの幅の広さはどちらが得か分からなくなる。 仮に、上記の手牌で仕掛ける人が逆だったのならばどうだろうか? ドラのを1枚抱えた、遠いかつ安くなることが多い仕掛けに他家が対応していたかもしれない。 一方、チーテンの満貫にも拘わらず他家に警戒されず簡単にアガリをものにできたかもしれない。 麻雀の大きなテーマの1つを垣間見た局に思えた。
【10回戦スコア】※()内はトータルポイント 後藤:+60.0(+18.9) 柴: +5.4(+0.5) 中村:△21.8(△7.4) 御崎:△43.6(△12.0)
後藤のトップにより、同一席の5連勝となった2日目。 そして何よりも、10回戦を終えてこの大接戦である。 4人全員が実力を存分に発揮し、拮抗した結果である。 なんとも最終日が楽しみである。
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