【第6・7節】(A:赤坂げんき)
第5節までの自分は原点を基準に±100ポイント付近をウロウロしている煮え切らない状況だった。
半分を消化した今期のAリーグは、いわゆる「バランス」の良いプレイヤーが上位を占めている感じがする。
第6節以降の自分は、上位陣の誰かと必ず当たる。
ポイント差を詰めるチャンスといえるが、決定戦に残るには一節たりともマイナスは叩けない。
第6・7節は連続開催となった。
第6節はトータル3位の木原と同卓。
展開の良さもあって、3半荘を112着とする。
しかし最終半荘は木原トップ・自分がラスという最悪の着順で、ポイント差を50縮めるにとどまった。
第7節は前節当たった木原に加え、第6節にトータル3位に浮上した鈴木とも同卓。
鈴木はタイトルを幾つも有するモンスター。
ここが勝負所だ。
何度も自分に言い聞かせながら一打一打丁寧に打つ。
一回戦のオーラス。
前局にダンラスだった鈴木が、メンホンチートイの倍満を仕上げてトップ目に浮上。
自分はトップまで1900点差の2着目、そして全員にトップの可能性がある。
まさにスピード勝負。
祈るように配牌を取るが、手にしたものを見て愕然とする。
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ドラ![]()
両面ターツが一つだけであとはバラバラ。
唯一の救いは、場風の
が二枚あるところか。
重い。重すぎる・・・
最速の2000点は南ドラ1、もしくは南と何かの役牌だろう。
親のトップ目鈴木が、第一打に
を切る。
だが、意識的にポンの発声をしなかった。
鳴けば、手が進むことは間違いない。
しかし残る形が悪すぎるのと、点数が1000点にしかならないかもしれないのが嫌だった。
鳴くならドラを引いた後か、他の役牌を重ねた後だろう。
この後のツモは縦に寄り、9巡目にチートイの聴牌を果たす。
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ドラ![]()
点差的にここはリーチの一手。
場況も良く、
と
が三枚ずつ切られていた。
一発で出和了り、トップを奪取。
これに勢いづいたか、この日は1221のオール連対。
3位まで約40ポイントの位置までたどりついた。
今後も決定戦へのタイトロープを渡るような、バランスを一瞬たりとも崩せない戦いが続きそうだ。
【第5節】(A:木原浩一)
第7期雀王戦Aリーグも今節で半分を消化する。
現在、私は+200オーバーの3位。あとひと押し――ポイントを叩く事ができたなら
今期の決定戦進出がかなり現実味を帯びてくる。
対戦相手は須田、福井、鍛冶田
300以上ポイント差が離れている3者が相手だが
残り対局数を考えると、3者ともまだまだ諦めてはいないだろう。
そういった選択が顕著に出た局。
オーラスを2着に2万点差以上つけて迎えた西家トップ目の須田。
東家の鍛冶田がダンラスなので、ほぼセフティーリードといったところ。
私は南家3着目の福井と超微差の2着目。
ドラ![]()
福井の仕掛けは、
をポンして打
、
をチーして打![]()
↓
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チー![]()
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ポン![]()
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その後ツモ切りを続ける福井に対して、11巡目に須田は2シャンテンから
を「フッ」と切る。
前々巡、私が
を通している。同巡に福井は
をツモ切り。
テンパイだとすれば
の危険度は相当高い。
ドラが3枚見えているて自身の和了り可能性が少ないとあれば
局が長引くのは歓迎しないトップ目の須田にとって、「当ってほしい」
だったに違いない。
正直私は「やられた!」と思ったが、この時福井の手牌は開かれることはなかった。
対して私の仕掛けは
を先に切ってあるカン
を仕掛け
更にチー出しの打牌は、離れトイツ落しとなる
。
↓ ↓
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チー![]()
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ポン![]()
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この時の須田の手牌は
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ツモ
ドラ![]()
須田の目からは4枚目の
だ。役牌の可能性はすべて否定されている。
つまりタンヤオ確定となると、
か
のバッタ待ち。という消去法による読みが成立する。
前にも言ったとおり、須田はできればこの局終わっておきたい。
私に対して当り牌を抜くという選択もあっただろう。
しかし、須田が次巡抜いた牌は、初牌の
だった。
なるほど。これなら福井にはシャンポンで当る可能性はあっても、私には当たりようがない。
これは少しでも私とのポイント差を詰めておきたいとする、須田の一打である。
同様に、最終局となった4本場でも
オタ風からダブルバックで仕掛けた私に対し、須田はキッチリ役牌を絞っている。
結局、私は今節現状維持に終わった。
「決定戦への道、まだまだ険し」といったところでしょうか。
【第4節】(C1:大浜岳)
迎えた第4節、注目はA卓であろう。
前雀王の須田良規、
現女流雀王崎見百合、
数々のタイトルを手中に収めてきた鈴木たろう、
そして、若手最強の呼び声高い、小倉孝。
強豪相まみえたA卓で、小倉の『ドラゴンラッシュ』が炸裂し続けた。
小倉(西家)![]()
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ポン![]()
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チー![]()
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チー![]()
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ツモ
ドラ![]()
この強引なドラ単騎混一を含め、小倉はひたすらアガり続ける。
さらに小倉の強さは攻めだけではない。
小倉=愚形リーチのイメージが強いせいか、小倉は攻撃型プレイヤーと思われやすい。
しかし小倉は放銃率も低く、この日の放銃も実にたった2回であった。
小倉を目標とする若手たちは、小倉の麻雀を様々な視点から見るべきだろう。
この日3勝を挙げ、Aリーグ首位の阿賀までわずか2ポイント差まで肉薄した小倉。
このまま一気に阿賀をも捲くり、雀王の座まで駆け上がることができるか?
【第3節】(C1:大窪貴大)
長いと言えば長く、短いと言えば短い。全10節40半荘の戦いは、第3節を迎える。
第2節を終え、首位の阿賀が頭一つ抜け出してはいるが、選手達はそれ程、現在の着順を意識していないのではないだろうか。
今期の雀王戦Aリーグ、私は、第1節より小倉孝の後ろで、採譜をさせてもらっている。
第3期・第4期 雀竜位。 第6期 新人王。
もはや、協会を代表する20代若手No1雀士と言っても過言ではないだろう。
彼の麻雀の強さは、ここ一番の勝負勘、絶妙な押し引きにあると私は考えている。
それを如実に表していると思われるのが、以下の牌姿。
東1局0本場 ドラ
4巡目
南家 小倉
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ツモ![]()
この局面、躊躇無く
を切って、リーチと打って出た。
愚形中の愚形、ペンカン
待ち。
まだゲームが始まって数分しか経ってない各家が、これからゲームをどうやって仕上げていこうかと、考える間を全く与えない、この先制攻撃。
これが、小倉孝の駆け引きの真骨頂と私は思う。
そして3人に重い足枷をつけたまま、悠々一人旅の15巡目。
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ツモ
ドラ
裏![]()
裏ドラは乗らず、1000・2000の和了。
しかし、この和了形を他の3人は、どんな思いで見ていたのだろうか。
この後も何度もリーチを成就させた小倉は、1213という成績でプラス100.4P。
トータル191.1Pの3位という好位置をキープして、第3節を終えた。
残り7節、これからもどんなゲームを演出してくれるか、私は採譜者として、この若き戦士の戦いを最後までしっかり追いかけてみたいと思う。
【第2節】(A:須田良規)
第1節目を終え、4位まで順に木原・阿賀・須田・赤坂と並んだ。
これは全員、協会発足時の第1期プロテストを合格した同期の面々である。
それぞれ6年の研鑽を経て、ついに私たちはAリーグのこの地位に名を馳せることができた。
僭越ではあるが、たゆまぬ精進が確かに実を結ぶこと、それを2期以降の後輩たちに示せただけでも、私たちの存在意義はあったかもしれない。
第2節、奇しくも私は、同期の阿賀・赤坂と同卓である。迎え撃つはAリーグ紅一点のベテラン崎見。
下克上の始まりだ――。今日は成り上がり者たちの競演を、崎見が大人しく傍観するだけの舞台となるだろう。
ところが、である。
開局一番の阿賀の親リーチに果敢に追っかけた崎見。
そのシャンポンリーチのツモ和了りを皮切りに独壇場を展開する。
私と赤坂は終始後手に回り、阿賀が漢の踏み込みでやっと喰らいつくばかり。
崎見
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ポン![]()
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ポン![]()
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ドラ![]()
私の親リーチを受けながらも、ここから危険な暗刻筋の
を押し、
場に安い萬子の単騎で私から満貫を討ち取る。
――大人しいなんて、とんでもない。
崎見はこの日縦横無尽に舞い、1期生を翻弄し続けた。
崎見はまだまだ、私たちの後塵を拝するつもりはないようだ。
結局第2節、1期生でポイントをプラスしたのは阿賀のみ。
後輩たちよ。私たちの飽くなき挑戦は続いていく。
【第1節】(B2:福田聡)
他リーグにさきがけ、Aリーグがいよいよ開幕した。
第一節の今回、ピックアップしたのは阿賀の牌譜である。
東三局 22000点持ち 配牌
阿賀(北家)![]()
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ツモ
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チートイダブリーの手である。
阿賀(北家)![]()
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ロン
ドラ
裏
イーシャンテンの斎藤がツモ切った
をとらえて12000に仕上げた。
この後も阿賀は積極的な打ち回しで、トータル100Pオーバーのプラスを叩きだした。
頂きを目指す戦いはまだまだ始まったばかり。
さて今期雀王鈴木達也に挑むことにができる三名は誰になるのであろうか?